+基準調剤加算
+後発医薬品調剤加算
+調剤料
+加算料
+薬学管理料
+薬剤料
+特定保険医療材料等
薬学管理料は、薬剤師が薬学的知識を利用して、薬の説明や支援をしたことに対する加算料(技術料)です。
薬剤師は調剤室で薬を調剤をする以外にも、処方箋の内容に疑問を感じたときは医師に照会したり、医療者向けの薬の説明書である添付文書で内容を照合します。
※本記事の「かかりつけ薬剤師」とは、かかりつけ薬剤師指導料を算定できる薬剤師をさします。
薬剤服用歴管理指導料
薬剤服用歴管理指導料は、
- 服薬状況
- 残薬状況
- 後発医薬品(ジェネリック)の希望の有無など
を確認し、薬剤服用歴(薬のカルテ)を作成したときに算定できる薬学管理料です。
薬剤服用歴管理指導料の点数は、お薬手帳持参の有無、処方箋受付回数などの薬局規模によって、38点と50点の違いがあります。
詳細はこちら
かかりつけ薬剤師指導料
厚生労働省資料より一部改編
かかりつけ薬剤師指導料は、2016年4月に新設された薬学管理料です。
かかりつけ薬剤師指導料の点数は、お薬手帳の持参の有無と薬局の処方箋受付回数などの規模などにかかわらず、一律70点です。
かかりつけ薬剤師指導料は、先述の薬剤服用歴管理指導料と重複して算定できません。
自分の薬を総合的に管理して説明してほしい薬剤師がいる場合、その薬剤師を指名することからかかりつけ薬剤師の指導が開始します。
ただし、どの薬剤師でもかかりつけ薬剤師として指名できるわけではありません。
いくつかの基準を満たした薬剤師のみを、かかりつけ薬剤師として指名できます。
かかりつけ薬剤師の基準の例
- 保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験がある薬剤師
- 週に32時間以上、ひとつの薬局に勤務している薬剤師
- ひとつの薬局に6カ月以上在籍している薬剤師
麻薬管理指導加算
麻薬管理指導加算は、麻薬を処方された患者さまの、服薬状況・残薬状況・保管状況を定期的に確認し、保管などの取り扱いの注意に関する指導を行ったときに算定できる薬学管理料です。
麻薬管理指導加算の点数は22点です。
麻薬管理指導加算に似ている加算料に麻薬加算がありますが、麻薬加算は「調剤」に対する加算料で、麻薬管理指導加算は「指導」に対する加算料です。
重複投与相互作用防止加算
重複投与相互作用防止加算とは(算定要件)
薬剤師が薬の説明をする前や説明中に、次のようなことがわかるときがあります。
- 薬の飲み合わせ上の問題(併用)
- 同成分を重複して服用している(重複投与)
- 手持ちの薬が残っている(残薬)
このようなときは、薬剤師は医師に問い合わせして(疑義照会)、問題を解決する必要があります。
重複投与相互作用防止加算は、薬剤師が薬学的知識と経験のもとに、薬との飲み合わせや残薬を確認し、問題を解決したときに算定できる薬学管理料です。
重複投与相互作用防止加算の点数は30点です。
2014年の調剤報酬改定時も、重複投与相互作用防止加算はありましたが、疑義照会をして薬が減ったか減らなかったかを評価するという変な仕組みでした。
- 薬が減らなかったとき 10点
- 薬が減ったとき 20点
2016年の調剤報酬改定では、重複投与相互作用防止加算は、剤師が飲み合わせや残薬に関して医師に疑義照会を行い、医師の処方変更を評価する仕組みになりました。
「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」は、薬学的観点から必要と認められる事項により処方が変更された場合に は算定可能としているので、これまで算定できないとされていた「薬剤の追加、投与期間の延長」等であっても、要件に該当するものについ算定可能である。
2016年調剤報酬改定「厚生労働省疑義解釈(Q&A)」より
重複投与相互作用防止加算の算定例
【パリエットを服用中。タケプロンが追加】
→(疑義照会後、タケプロン削除)
パリエットとタケプロンはどちらもPPIという胃薬です。通常PPIは併用しません。
【デルモベート軟膏の残薬がある。今回もデルモベート軟膏が処方】
→(疑義照会後、デルモベート軟膏削除)
残薬がある場合、その残薬の処方は必要ありません。
重複投与と併用薬は、薬局初回問診票が元となります
在宅患者重複投薬相互作用等防止加算
重複投与相互作用防止加算は、処方箋を受け付けた患者さまに対する薬学管理料でした。
在宅患者重複投薬相互作用等防止加算は、医師の指示によって行われる在宅・居宅医療時の薬学管理料です。
薬剤師が患者さまの自宅などに出向き、薬との飲み合わせや残薬の確認時に、問題が発覚することがあります。
医師に疑義照会をして、問題が解決するために処方の変更が行われたときに算定できるのが在宅患者重複投薬相互作用等防止加算です。
特定薬剤管理指導加算 (ハイリスク加算)
次にあげる薬は、特に体調変化に特に注意して服用しなくてはならない薬(ハイリスク薬)です。
- 抗悪性腫瘍剤(がんの薬)
- 免疫抑制剤
(臓器移植後などで使用されることがある薬) - 不整脈用剤(脈の乱れを治療する薬)
- 抗てんかん剤
- ジギタリス製剤(主に心臓の治療薬)
- テオフィリン製剤(主に喘息の治療薬)
- 血液凝固阻止剤(血を固まりにくくする薬)
- 糖尿病用剤(インスリンを含む)
- 精神神経用剤(主に、神経に働きかける薬)
- 抗HIV薬
特定薬剤管理指導加算(ハイリスク加算)は、今回処方された薬が、特に安全管理が必要であることを伝え、適切に指導を行ったときに算定できる薬学管理料です。
特定薬剤管理指導加算(ハイリスク加算)の点数は、2014年の調剤報酬改定時は4点でしたが、2016年の調剤報酬改定で10点に変更です。
乳幼児服薬指導加算
乳幼児服薬指導加算とは(算定要件)
乳幼児服薬指導加算で算定できる乳幼児とは、6歳未満の子供を指します。
乳幼児服薬指導加算は、乳幼児に対して、体重、薬の種類(粉薬やシロップ剤など)などを確認し、飲み方などを指導したときに算定できる薬学管理料です。
(指導内容の要点は薬歴、お薬手帳に記入)
2014年の調剤報酬改定時は5点でしたが、2016年の調剤報酬改定で10点に変更です。
(参考)
一般的にいう新生児、乳児、幼児
- 早期新生児
生後1週間未満の子供 - 新生時
生後4週間未満の子供 - 乳児
1歳未満の子供 - 幼児
小学校に入学するまでの子供
(主に1歳~6歳)
乳幼児服薬指導加算の指導例
【乳幼児に粉薬が処方】
(指導例)
水で練って、口の中へ入れてみてください。
それでも飲めないときは、味の濃いアップルジュース、ブドウジュースなどに粉薬を溶かして、飲ませてみてください。
(お薬手帳記入例)
散剤は100%アップルジュースなどに混ぜると服用しやすい
【乳幼児に漢方薬が処方】
(指導例)
漢方薬は、お風呂くらいの温度のお湯に溶かして飲むのが正しい服用方法です。
味が受け付けず飲めないときなどは、ココアやチョコレートなど甘み渋みの強い食品と一緒に服用すると解決するときがあります。
(お薬手帳記入例)
漢方薬は約40度のお湯に溶かして服用。ココアなどに混ぜると服用しやすい
服薬情報等提供料
急な診察や入院が必要なときもあると思います。
患者さまがお薬手帳などを持っていて、自分の服薬状況を医師に説明できる場合はいいのですが、服薬状況が確認できない場合もあります。
医師は、他の病気の状況や服薬状況が分からない場合、適切な診察を行うことができません。
このようなときには、普段受診している病院や薬局などに、病気の状況や服薬状況を確認する場合があります。
服薬情報等提供料は、次のような内容を医療機関へ文書等で情報提供した時に加算できる薬学管理料です。
- 服薬状況
- 服薬指導の要点や患者さまの状態
- 服薬を継続するための工夫
服薬情報等提供料は、2014年の調剤報酬改定時は15点でしたが、2016年の調剤報酬改定で20点に変更です。
外来服薬支援料
外来服薬支援料とは(算定要件)
外来服薬支援料は、薬の管理や服用がしやすくなったときに算定できる薬学管理料です。
外来服薬支援料の点数は185点です。
外来服薬支援料は、処方箋により薬を調剤することなく薬の管理や服用に工夫をしたときに、患者さまに直接費用を請求できます。
保険請求のレセプトは、外来服薬支援料を算定した日に、調剤分のレセプトと別に作成します。
外来服薬支援料は月に1回のみ算定できます。
外来服薬支援料算定例
【調剤済の薬を患者さまが薬局に持参】
→一包化や服薬カレンダーなどを使って薬を整理して、服用しやすくする
【調剤済の薬を患者さまが薬局に持参】
→残薬の管理を行い、その結果を病院やクリニックなどに情報提供する
長期投薬情報提供料1と2は、2016年の調剤報酬改定により削除されました。
(記事も削除しました)
まとめ
薬学管理料は、薬剤師の職能に対する加算料です。
薬局によって算定している点数が異なります。
薬学管理料は、領収書と一緒に渡される明細書に記載があります。
2016年の調剤報酬改定で新設
- かかりつけ薬剤師指導料 70点
- 在宅患者重複投薬相互作用等防止加算 30点
- 外来服薬支援料(算定) 185点
2016年の調剤報酬改定で点数変更
- 薬剤服用歴管理指導料
34点~41点 → 38点~50点 - 重複投与相互作用防止加算
10点~20点 → 30点 - 特定薬剤管理指導加算
4点 → 10点 - 乳幼児服薬指導加算
5点 → 10点 - 服薬情報等提供料
15点 → 20点
2016年調剤報酬改定により削除
- 長期投薬情報提供料1
- 長期投薬情報提供料2
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