ワセリンの魅力は、値段の割にけっこうな効果が期待できるコスパの良さでしょう。
種類もたくさんありますし、白色ワセリン→プロペト→サンホワイトの順番に値段が上がっていくので、自分のおさいふ事情にあったワセリンがチョイスできます。
ワセリンは顔から足のかかとまで全身くまなく使えますが、美容美肌に使うならば、ターゲットは顔でしょう。
- 顔にたっぷり使ってから寝ると、朝の乾燥感が少ない
- 化粧下地に使うとメイクのノリがいい
- 唇に使うとプルンプルンになる
もはや、ワセリンは美意識高い系女子の定番アイテムです。
白色ワセリン、プロペト、サンホワイトの違い
まず、冒頭にでてきた白色ワセリン、プロペト、サンホワイトの違いをサラッと解説します。
プロペトは白色ワセリンから不純物を精製し、純度を高めたワセリンです。
くわしくはこちらで解説しています。
『プロペトと白色ワセリンの違いはこれ!市販も色々あるけど何が違うの?』
そして、サンホワイトは白色ワセリンから不純物を精製し、さらに純度を高めた香料、着色料、保存料無添加の究極のワセリンです。
くわしくはこちらで解説しています。
『サンホワイトは純度で勝負!プロペト/ワセリンとの違いは何?』
まとめると、不純物の少なさの順番で、「サンホワイト→プロペト→白色ワセリン」となります。
白色ワセリン、プロペト、サンホワイトは同じ仲間ですので、本記事ではこの3種類をまとめてワセリンと記載します。
ワセリンの効果
ワセリンは皮膚保護剤の一種ですので、薬理作用そのものはありません。
しかし、皮膚をワセリンでおおうことで、間接的に保湿効果を発揮できるのです。
水分蒸発防止効果(エモリエント効果)
ワセリンは石油成分から精製される油脂性の基剤です。
基剤とは主成分(主成分)を溶かし込む受け皿のような働きをする器です。
例えば、ヒルドイドという有名な保湿剤がありますが、主成分のヘパリン類似物質はわずか0.3%で、その他99.7%はワセリンなどの基剤を含む添加物です。
基剤のくわしい解説はこちら!
『塗り薬の軟膏とクリームの違いは基剤!吸収率、使用感で使い分ける』
ヒルドイドの解説はこちら!
『ヒルドイドの使い方を知るための7つのポイント』
ワセリンの効果の話に戻りましょう。
水と油は混ざり合いません。
ワセリンはその性質を利用して、肌から水分が逃げないようにする水分蒸発防止効果があります。
肌の水分の蒸発を抑えて乾燥肌を改善する効果をエモリエント効果ともいいます。
乾燥肌やアトピー肌の方は、肌からの水分蒸発が深刻です。
肌にワセリンを塗ると、肌の表面にワセリンが広がりフタをした状態になります。
肌の外に蒸発しようとする水分は、油脂性のワセリンによって肌の中に戻され、水分を保持できるというわけです。
ワセリンの水分蒸発防止効果は、このようにして美容美肌対策に応用されているのです。
肌の保護効果(バリア効果)
肌にワセリンを塗ると、ワセリンが肌の表面に広がりフタをされた状態になるのは先に解説したとおりです。
ワセリンは、肌の下からの水分を閉じ込めると同時に、異物(花粉、ほこりなど)から肌を保護するバリア効果を発揮します。
ワセリンのバリア効果も、美容美肌対策に使えます。
ワセリンでできる美容美肌対策
ワセリンは基剤です。使い方(1日の使用量や回数)は、はっきりと決まっていません。
そのため、保険適用にいろいろと制約のあるヒルドイドと比較すると、使い方の自由度は高いです。
ヒルドイドと健康保険の話はこちら!
『ヒルドイドの美容使用はダメ!処方上限超・保険適用外になったら?』
顔から足まで、全身どのようにでも使えます。
効能効果/用法
用量眼科用軟膏基剤、一般軟膏基剤として調剤に用いる。
また、肌保護剤として用いる。プロペト添付文書より
ワセリンを美容美肌対策で使う場合、肌を保護している感覚がなくなるたびにワセリンを塗るのが望ましいです。
ただし、顔にワセリンを使うときは別の使い方がいいです。
顔に使うならビーソフテンローションもおすすめ!
『まだ知らないの?ビーソフテンローションは化粧水代わりにならないよ』
ワセリンの顔への使い方
先述の通り、ワセリンは顔から足まで全身どこでも使えます。
しかし、顔にワセリン塗ると少しやっかいなことが起こります。
それは、顔がテカリです。
ワセリンは油分そのものですので、顔にワセリンを塗るとけっこうテカテカになります。
夜にワセリンを顔に使うときは、たっぷりベタ塗りでもいいでしょうが、朝、顔に使うときはうすめがいいかもしれません。
『万能すぎる!白色ワセリン、プロペト、サンホワイトの使い方7選』
ワセリンとヒルドイドの順番
ワセリンとヒルドイドの併用もよくあるパターンです。どの順番に使おうかと迷うかもしれません。
『発表!ヒルドイドの順番 化粧水/乳液/ニキビ薬/ステロイド』
結論から言ってしまうと、使う順番で効果は変わりません。
しかし、ヒルドイド→ワセリンの順番に使うのが理にかなっています。
なぜなら、ヒルドイドの保湿効果はモイスチャライザー効果だからです。
モイスチャーライザー効果とは
水分と結合する性質のあるヘパリン類似物質が水分と結合して、角層内の水分保持力を高める保湿効果をいいます。
ヒルドイドの効果はこちらをチェック!
『ヒルドイドの保湿効果は凄すぎる!さらに傷痕、ケロイド、しもやけにも』
ヒルドイドのモイスチャー効果で中の水分を蓄えてから、ワセリンのエモリエント効果でフタをするのです。
ヒルドイドをたっぷり塗った後にワセリンを使いましょう。
そうすることで、肌の水分とヒルドイドの蒸発を防ぐ効果が期待できます。
『ヒルドイドの使い方 赤ちゃんみたいなプルプル肌になる7つのヒント』
また、ワセリンはヒルドイドと併用したり、混合したりして使われるケースも多いです。
『ぜひ、確かめてください!ヒルドイド・プロペト(ワセリン)・混合薬』
ワセリンの副作用
ワセリンで副作用を起こす頻度はゼロではありません。合わない場合もあります。
(副作用発現頻度の調査が行われていないため、副作用の頻度は不明)
起こる可能性のある副作用は、肌の赤み、かぶれ、かゆみなどです。
ワセリンは石油の成分(パラフィン)から精製されています。
不純物のほとんどは除去されていますが、わずかな金属化合物や硫黄化合物などの不純物を含みます。
(不純物の多さ:白色ワセリン>プロペト>サンホワイト)
不純物が紫外線(光)や空気、熱などで化学変化を起こして、かぶれなどの副作用を起こす可能性があるのです。
ワセリンと日焼け
ワセリンは日焼けする。ワセリンの油分は焼ける!と思っている方も多いようです。
しかし、ワセリンは日焼けの心配はありません。
精製技術の低かった時代のワセリンは、精製が不十分のため日焼けするような話も聞いたことがありますが、今のワセリンは大丈夫です。
さらに、プロペト、サンホワイトは白色ワセリンから不純物を精製し、純度を高めているためなおさらです。
(プロペトの夾雑有機酸類は白色ワセリンの約1/10)
どうしても気になる方は、ワセリンを塗ってから日焼け止めを重ね塗りをするといいでしょう。
『アネッサ&アリー!海でも焼けない最強の日焼け止めはどっち?』
ワセリンの保存方法
ワセリンは温度の影響を受けやすく、夏はやわらかく冬は硬い特徴があります。
夏の保存
ワセリンは30度以下の室内に保存します。
夏場は室内温度が30度以上になる日もあると思います。
液状の油分が白色ワセリンから溶けてベチャベチャになるときは冷蔵庫保存でもOKです。(そのかわり、かなり硬くなります)
冬の保存
逆に冬場のワセリンは、ガッチガチに固く塗りのばしにくいです。
使用前に40℃のお湯で5~10分温めるとやわらかくなります。
ただし、あたためすぎると、夏場みたいに溶けて液状化しますのでほどほどに。
『皮膚科の混合軟膏 塗り薬の使用期限と保存のルールはある?』
まとめ
リンクをクリックすると対応する記事内にもどります。
- 白色ワセリン、プロペト、サンホワイトの違いは純度(精製の精度)
- ワセリンの効果は主に2つ
水分蒸発防止効果(エモリエント効果)
皮膚保護効果(バリア効果) - ワセリンを顔に使えば美容美肌対策になるが、ベットリ感とテカリが問題
- ワセリン、ヒルドイドを併用するときは、ヒルドイド→ワセリンの順番に使おう
- ワセリンの副作用はゼロではない。合わない場合もある
- ワセリンは日焼けしない
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