配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除は併用OK?違いを初心者向けに解説!

税務署 税金
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給与から控除できる所得控除は15種類もあります。

  1. 雑損控除
  2. 医療費控除
  3. 社会保険料控除
  4. 小規模企業共済等掛金控除
  5. 生命保険料控除
  6. 地震保険料控除
  7. 寄附金控除(ふるさと納税など)
  8. 障害者控除
  9. 寡婦控除
  10. 寡夫控除
  11. 勤労学生控除
  12. 配偶者控除
  13. 配偶者特別控除
  14. 扶養控除
  15. 基礎控除

結婚や子供の出産で経済的負担が生じるため、その負担を軽くするための控除。それが配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除はです。

配偶者とは結婚している相手をいい、夫からみれば妻。妻からみれば夫です。

配偶者特別控除には「特別」という言葉が入っているため、「何か特別な控除があるのか」とも期待してしまいますが、配偶者控除より控除金額は少ないです。

「配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除の違い」そして「併用はできるのか」を解説します。

※2018年の税改正対応済

配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除は併用できる?

第一に、配偶者控除と配偶者特別控除は併用できません。(どちらかを選択)

第二に、控除対象者が違えば、配偶者控除(または配偶者特別控除)と扶養控除は併用できますが、同一控除対象者に対して配偶者控除(または配偶者特別控除)と扶養控除の併用はできません。
(妻に対して配偶者控除(または配偶者特別控除)と扶養控除の2重取りはできない)

併用可能(控除対象者が違う)

控除対象者 控除の種類
配偶者控除or配偶者特別控除
長男 扶養控除
長女 扶養控除

 

併用不可(控除対象者が同じ)

控除対象者 控除の種類
配偶者控除or配偶者特別控除
扶養控除

「配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除」を受けるには、条件を満たす必要があります。この条件は同時に2つ以上を満たせないため、併用はできません。

配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除の違いを解説していきます。

生計を一にするとは

税金の話をするとき、生計を一にする(せいけいといつにする)という言葉が頻発します。本記事でも何度か出てきますので、生計を一にするという言葉に慣れてください。

国税庁では「生計を一にする」を次の様に説明しています。

必ずしも同居を要件とするものではありません。
例えば、勤務、修学、療養費等の都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。
なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

 

要約すると、家計の会計がひとつとして扱われているならば「生計は一である」です。「生計を一にする」親族を例にあげるとこうです。

  • 夫の給与などで生活している妻
  • 共働きの妻
  • 親の給与などで養われている子供
    (社会人になっていない子供)
  • 同居の社会人になっている子供
  • 同居している親、兄弟
  • 別居している親、兄弟であっても、仕送りなどがある

配偶者控除

配偶者控除の配偶者の条件

配偶者控除を受けるには、5つの条件を満たす配偶者である必要があります。

  1. 配偶者である(内縁の妻はダメ)
  2. 納税者の給与などで生活している配偶者
    (納税者と配偶者の生計が一である)
  3. 夫の事業を手伝って、給与を得ていない
    (青色申告専従者、白色申告事業専従者として給与を受け取ってない)
  4. 配偶者の年収が103万円以下である
    (配偶者の合計所得金額が38万円以下)
  5. 納税者の年収が1220万円以下である
    (納税者の合計所得金額が1000万円以下)

配偶者控除の条件4は、103万の壁ともいわれています。

2018年の配偶者控除改正により、条件5「納税者の年収が1220万円以下である」が追加され、高額所得者は配偶者控除を受けられなくなりました。

配偶者控除の金額

配偶者控除を受けるその年の12月31日時点で、先述の5つの条件を満たすとき、配偶者控除として38万円控除できます。(年齢が70歳以上配偶者は48万円

配偶者控除はいくら?2018年からは年収103万→150万の壁へ

配偶者特別控除

配偶者特別控除の条件

配偶者の年収が103万円を超えていたとしても、次の5つの条件を満たすときは配偶者特別控除を受けられます。

  1. 配偶者である(内縁の妻はダメ)
  2. 納税者の給与などで生活している配偶者
  3. 夫の事業を手伝って、給与を得ていない
  4. 配偶者の年収が103万円を超え201万円未満である
    (配偶者の合計所得金額が38万円を超え123万円未満)
  5. 納税者の年収が1220万円以下である

配偶者特別控除の条件4は「201万円の壁」といわれることになるでしょう。

配偶者特別控除の金額

配偶者特別控除は、配偶者控除のように一律ではありません。配偶者控除特別の金額は納税者の年収によって違いがあります。

納税者の年収 配偶者特別控除
1120万円以下 3万円~38万円
1120万円超 1170万円以下 2万円~26万円
1170万円超 1220万円以下 1万円~13万円
1220万円超 0円

 

配偶者控除と配偶者特別控除は条件が違うため併用ができません。

配偶者特別控除は「配偶者の年収が103万円を超え、急に税負担が増えることのないように」と特別に作られた措置です。

配偶者特別控除改正!2018年からは年収150万~201万向けの控除へ

扶養控除

配偶者とは別に、扶養している家族(子供、親)の数によって扶養控除が受けられます。
(配偶者は、配偶者控除と扶養控除の併用はできない)

扶養控除の条件

扶養控除を受けるには、次の4つの条件を満たす親族(家族)である必要があります。

  1. 配偶者以外の親族(家族)である
  2. 納税者の給与などで生活している
  3. 納税者の事業を手伝って給与を得ていない
  4. 収入がある場合は、年収が103万円以下である

 

親族とは6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。

親族、姻族、血族の関係図

赤色:血族(けつぞく):
納税者本人と血のつながりがある親族

青色:姻族(いんぞく):
自分の配偶者や兄弟の血族

数字:親等(しんとう):
納税者本人から見てどれくらい近いか

扶養控除の金額

扶養控除の金額は、年齢同居非同居によって違います。

年齢は扶養控除を受けるその年の12月31日で判断します。

扶養控除の区分 年齢と主な扶養対象者 扶養控除の金額
(年少の扶養親族) (16歳未満の子供) (0円)
一般扶養親族 16歳以上19歳未満の子供 38万円
特定扶養親族 19歳以上23歳未満の子供 63万円
老人扶養親族
(同居)
70歳以上の父母・祖父母
70歳以上の義理の父母・祖父
58万円
老人扶養親族
(非同居)
48万円

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まとめ

  • 配偶者控除と配偶者特別控除は併用できない(どちらかを選択)
  • 控除対象者が違えば、配偶者控除(配偶者特別控除)と扶養控除は併用できる
  • 同一控除対象者に対して配偶者控除(配偶者特別控除)と扶養控除の併用はできない(妻に対して配偶者控除(配偶者特別控除)と扶養控除の2重取りは不可)

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