フラット35審査基準は甘い? 厳しい? 年収、年齢、審査期間がポイント

住宅ローン
この記事は約7分で読めます。

当ブログはアフィリエイト広告を利用しています

銀行の住宅ローンを借りるためには、審査を通らなくてはなりません。

銀行は営利目的で住宅ローンを貸し出します。

一方、フラット35を取りまとめている住宅総合支援機構は、国からの出資金や補助金(税金)を使って、国民が住宅を持てるようにするのが目的でフラット35を提供します。

 

そのため、フラット35の審査基準は銀行の住宅ローンの審査基準より甘い(緩い)といわれることもありますが、

本当に審査基準は甘いのでしょうか?

 

フラット35の審査基準は、銀行のローンの審査+別の角度からの審査です。

フラット35のおおまかは審査基準は、住宅金融支援機構のホームページでも公表されています。

※2017年10月、フラット35は団体信用保険(以下、団信)が金利に含まれる形となり、民間の住宅ローンとの金利の比較がしやすくなりましたが、書面上の審査基準は従来通りです。

フラット35の審査基準1 年収

年収審査 400万円未満 400万円以上
返済負担率
(年収負担率)
30%以下 35%以下

返済負担率の計算式

返済負担率(年収負担率)とは、年収に対する住宅ローンの年間返済額のことです。

ただし、今回借入するフラット35の金額以外に住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、カードローン、キャッシング、分割払い、リボ払いなどがあれば、それも加算して計算します

年収審査の詳細はこちら

【住宅ローン年収審査】返済負担率と年収倍率を使って借入可能額を計算
住宅ローンの審査において、年収は非常に重要です。借入可能額は、返済負担率と年収倍率を用いることが多いですが、2016年この2つのバランスが崩れてきているようです。

 

フラット35の年収審査は甘いわけではありませんね。

むしろ、フラット35の年収審査は厳しいです。

フラット35の審査基準2 年齢

フラット35の年収審査は厳しいですが、非常にわかりやすいです。

フラット35の年齢審査基準はどうでしょうか。

 

フラット35は、申込時の年齢が満70歳未満の方が対象です。
(親子リレー返済を利用する場合は、満70歳以上の方もOK)

 

完済年齢は80歳までの期間で、返済期間は最長35年です。

返済期間35年の希望する場合は、45歳までにフラット35を申し込まなくてはなりません。

フラット35の年齢審査は銀行の住宅ローンと同じくらいで、特別甘いわけではありません。

フラット35の審査基準3 国籍

フラット35は日本の税金で運用されているため、日本国籍の方永住許可を受けている方特別永住者のみが使えます。

銀行の住宅ローンと比べると、甘いでしょうか?
特に甘くはありませんね。

永住権がないけれど、日本永住を希望している外国籍の方にはSBJ銀行のANY住宅ローンが頼りになるかもしれません。
(もちろん日本人もOK)

 

次に、フラット35の資金用途に対する審査基準を見ていきましょう。

フラット35の審査基準4 資金用途

銀行の住宅ローンは原則本人が居住する不動産のみ審査に回せますが、フラット35は次のような方の住宅を取得する場合でも審査に回せます。

  1. 本人や配偶者の父母や祖父母
  2. 直系尊属の方がいない場合は、おじ・おばや兄姉
  3. 本人や配偶者の子や孫
  4. 直系卑属の方がいない場合は、甥・姪、弟妹
  5. 本人のセカンドハウス

フラット35の資金用途審査基準
出典:住宅総合支援機構

 

ただし、フラット35の審査基準と住宅ローン控除の条件は別問題です。

本人が居住する不動産以外は住宅ローン控除は受けられません。

損しない住宅ローン控除(減税)シミュレーション【新築中古マンション偏】
住宅ローンを組むと所得税、住民税から減税を受けられるというおいしい制度が住宅ローン控除です。しかし、減税をフルに生かすためには、ある程度の収入が必要です。減税失敗例も解説します。

フラット35の審査基準5 住宅

フラット35では、住宅そのものもフラット35の適合基準の審査に合格する必要があります。

フラット35の適合基準審査に合格している住宅とは、

適合証明検査機関・適合証明技術者の物件検査(検査手数料別途必要)に合格している住宅です。

 

銀行の住宅ローンも適合基準がありますが、フラット35の住宅の審査基準は、より細かく厳しく、少しも甘くありません。

 

フラット35の床面積の審査基準(合格基準)

  • 主に戸建ての場合:70m2以上
  • マンションの場合:30m2以上
  • 併用住宅の場合 :
    住宅部分の床面積
    ≧非住宅部分の床面積

 

また、技術基準の高い住宅の場合は、フラット35より金利が安いフラット35Sを利用できます。

フラット35とフラット35Sの住宅技術基準審査のポイントは、次の通りです。

  • 耐久性、可変性
  • 省エネ
  • 耐震(免震)
  • バリアフリー
  • 安全で快適

新築住宅の技術基準審査

中古住宅の技術基準審査

中古住宅は、購入前にフラット35が使えるかどうかの確認が必要です。

適合証明書を取得している中古住宅はフラット35が使えます。

適合証明書を取得していない中古住宅は、新たに検査を受けなくてはなりません。

  • 中古戸建ての場合:
    個別に検査を受ける
  • 中古マンションの場合:
    フラット35対応中古物件検索を使って、適合証明書を取得している物件を検索できます。

(詳細)フラット35中古住宅の技術基準

 

住宅ローンのミックスプラン(固定金利&変動金利)は損! 10年、35年固定は?
ミックスプランとは、固定金利と変動金利をミックスした住宅ローンのことです。説明を受けると合理的な住宅ローンに見えますが、心理的には損をする後味の悪いプランです。

フラット35の審査結果

フラット35は、銀行と住宅金融支援機構の共同提供です。

銀行が審査を通しても、住宅金融支援機構では審査NGという場合も十分にありえます。

 

住宅金融支援機構の審査は、機械的に審査が行われる傾向です。

つまり、審査基準を満たしていない場合はほぼ落ちます。

銀行で言ういわゆる「総合的な判断」という概念が少なく、フラット35は審査基準を満たさないものはダメで、審査は甘くない。厳しいと考えるべきです。

(参考)フラット35らくらく診断

 

余談ですが、ネット銀行の住宅ローンの審査も意外と厳しいです。
(対面型ではないでしょうか?)

新フラット35(団信付)と旧フラット35(団信なし)の比較【2017年10月】
新フラット35は画期的な進化をとげました。団信の保証対象が拡大。総支払額(ローン返済額+団信保険料)の軽減。旧フラット35と比較しながら、新フラット35の魅力にせまります。

フラット35の審査期間 (本審査と事前審査)

住宅ローンの事前審査は本審査なみに厳しいですが、フラット35の事前審査は甘く、あまりあてになりません。

住宅ローンの審査期間

銀行の住宅ローンは、本審査の前に事前審査(仮審査)があります。

事前審査の審査期間は3日~7日くらいです。

 

銀行の事前審査(仮審査)は本審査なみの精度で行っているため、事前審査(仮審査)で合格して、本審査で落ちることは比較的少ないようです。
(事前審査の審査期間の方が長かったりもする)

ただし、本審査では団信が通らないと一発アウトです。

フラット35団信の代わりは収入保障保険がおすすめ!保険料はいくらか計算
フラット35は、団信未加入でもローンを借りることができますが、将来困る可能性があります。保険料が高額な団信の代わりに、収入保障保険をおすすめします。

 

フラット35の審査期間

フラット35の事前審査(セルフチェック、ネット仮審査など)は甘く、本審査に上がってきて本格的に審査を行っている印象です。

 

フラット35は銀行と住宅金融支援機構の共同提供のため、その分審査期間が長いというデメリットがあります。

フラット35の本審査の審査期間は14日くらい。

できれば30日くらいの審査期間があると思って、余裕を持って融資の実行日を決める必要があります。

 

フラット35事前審査OKでも、本審査で長い審査期間を待たされたあげく、落ちるということも十分あります。

それが、フラット35審査の厳しいところです。

新フラット35団信の代わりになる収入保障保険はある?【2017年10月】
旧フラット35はあえて団信未加入としておいて、その代わりに収入保障保険で団信分をカバーする裏ワザが有効でした。2017年10月フラット35リニューアル後もこの方法は有効なのでしょうか?

フラット35の金利優遇

銀行の住宅ローンは属性によって優遇金利を受けられます。

住宅ローン審査 落ちた理由を探る8つのヒントと属性対策
住宅ローンの壁は審査です。審査基準の詳細は明らかにされていませんが、何社かのヒアリングを元に銀行名も書ける範囲で公表します。落ちた理由もきっとここにあります。

 

しかし、フラット35は属性による優遇金利※はありません。
(フラット35を申し込む銀行によって、金利・手数料等は違います)

借入期間(20年以下、21年以上)
融資率(9割以下、9割超)に応じて適応金利が違います。
特定の技術基準を満たす物件はフラット35Sがあります。

 

「変動金利と固定金利どちらが得か」に決着!返済額の違いを計算して比較
金利上昇時は固定金利を選び、金利下降時は変動金利を選ぶのがセオリーです。現在は、超低金利のため固定金利を選んだほうが無難というのが一般的な考え方でしょう。しかし、考え方ひとつでは…

まとめ

フラット35の審査基準は主に3種類

  1. 人(年収審査、年齢審査、他)に対する審査
    【標準~厳しい】
  2. 資金用途に対する審査【甘い】
  3. 住宅にそのものに対する審査【厳しい】

フラット35事前審査OKでも、本審査で長い審査期間を待たされたあげく、落ちるということも十分あります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました