抗生物質を飲んでしばらくすると、下痢や便秘をしてしまった経験はないでしょうか?
それには理由があります。(記事内で解説)
そうならないためには、抗生物質と整腸剤の併用が有効です。
しかし、整腸剤は抗生物質と併用すると下痢・便秘に効かなくなるタイプのモノもあります。
ビオスリーは抗生物質と併用OKですが、ダメな整腸剤はどのような特徴があるのでしょうか?
抗生物質で下痢・便秘する理由
フロモックス、メイアクト、クラリスなどの抗生物質は、細菌を攻撃して中耳炎、副鼻腔炎、肺炎などの症状を改善します。
『クラリスロマイシン(クラリス/クラリシッド)は風邪には効かない!』
しかし、ターゲットである肺炎球菌やブドウ球菌以外の細菌(腸の善玉菌)も攻撃します。
すると、腸内フローラのバランスが崩れ、下痢・便秘・ガスがたまる・おならがでるという症状が起こるのです。
腸内フローラとは
数百兆個の腸内細菌は、小腸から大腸にかけてグループごとにかたまりをつくって共存しています。その様子が花畑に似ていることから腸内フローラと呼ばれています
そのため、抗生物質を飲むときは整腸剤を併用すると、これらの副作用を予防できます。
整腸剤と抗生物質
抗生物質と整腸剤を併用するとき、どんな整腸剤でもいいかといえば、そうではありません。
抗生物質の抗菌作用に負けない細菌が入っている整腸剤を選ばなくてはなりません。
例えば、ビオフェルミンに入っているビフィズス菌・乳酸菌・糖化菌は抗生物質に負けます。
- ビオフェルミン錠(ビフィズス菌)
- ビオフェルミン配合散(乳酸菌と糖化菌)
つまり、抗生物質を飲むとき、ビオフェルミンと併用しても下痢・便秘には効きません。
抗生物質と併用しても整腸効果を得られるようにした特殊なビオフェルミンがビオフェルミンRです。
ビオフェルミン錠/配合散/Rの違いはこちらでくわしく解説しています。
『ビオフェルミン錠/散/Rの違い、下痢・便秘改善効果と副作用【赤ちゃん、幼児対応】』
ビオスリーが抗生物質と併用OKな理由
ビオスリーは3つの細菌が使われています。
- 乳酸菌(ラクトミン)
- 酪酸菌
- 糖化菌
ビオスリーの乳酸菌・糖化菌が抗生物質に負けてしまうのは、「抗生物質と整腸剤」で解説したとおりです。
残る酪酸菌が抗生物質の抗菌作用に負けず、生き残ることができるのです。
なぜなら、ビオスリーの酪酸菌は芽胞(がほう:防御膜のようなもの)された状態で配合されており、胃酸、胆汁酸、腸液、消化酵素、抗生物質などの影響を受けずに腸に到達できるという特徴があるからです。
そのため、ビオスリーは抗生物質に対しても耐性があり、抗生物質の服用で起こる下痢・便秘・おならにも十分な効果が期待できます。
『ビオスリーとビオフェルミンの違いはこれだけ!使い分けるならこうしよう』
ビオスリーの3つの細菌の特徴
抗生物質に耐性があるのは酪酸菌だけですが、ビオスリーの3つ細菌は連携していい具合に腸に効きます。
なぜなら、細菌は酸素の有無で3つのタイプに分類でき、乳酸菌、酪酸菌、糖化菌はみごとにひとつづつに当てはまるからです。
- 好気性菌(糖化菌)
生きるのに酸素必要で主に小腸で活躍 - 偏性嫌気性菌(酪酸菌)
酸素があると生きていけないので、主に大腸で活躍 - 通性嫌気性菌(乳酸菌)
生きるのに酸素は関係ないので、小腸と大腸の両方で活躍
乳酸菌
乳酸菌は通性嫌気性菌ですので、小腸・大腸の両方で活躍できます。
乳酸菌は糖を分解して乳酸を作ります。
乳酸菌が作る乳酸には殺菌作用があり、悪玉菌の増殖を抑える効果があります。
さらに、乳酸菌は酪酸菌の増殖を助けます。
酪酸菌
酪酸菌は偏性嫌気性菌ですので大腸で活躍し、芽胞された状態で配合されています。
酪酸菌は乳酸菌と一緒にいることで、お互いの増殖を促進します。
そして、乳酸菌は糖を分解して乳酸を作ります。
糖化菌
糖化菌は好気性菌ですので、小腸で活躍します。
糖化菌は乳酸菌、ビフィズス菌の増殖を助け、間接的に下痢・便秘を改善します。
ビオスリーの下痢・便秘改善効果はこちらでくわしく解説中!
『ビオスリーは下痢便秘にジワーッと効く!すぐに効かないけど飲み続けよう』
抗生物質と併用OKな整腸剤
抗生物質と併用しても下痢・便秘に効く整腸剤は、抗生物質に耐性があるか、もしくは芽胞されているかのどちらかです。
まとめると、このとおりです。
- ビオフェルミンR(耐性乳酸菌)
- ラックビーR(耐性乳酸菌)
『ラックビーの効能効果は数え切れない!下痢/便秘/おなら/お腹のはり』 - ミヤBM(芽胞された酪酸菌)
『ミヤBMは抗生物質と併用OK!下痢・便秘改善効果 ビオフェルミンとの違いは?』 - エンテロノンR(耐性乳酸菌)
『エンテロノンR散は抗生物質との併用専用整腸剤 ビオフェルミンとの違いは?』 - レベニン(耐性乳酸菌)
『レベニンS配合散/配合錠とレベニン散/錠の違い 下痢・便秘に効果があるのは?』
反対に、ビオフェルミン、ラックビー、レベニンSは、抗生物質と併用しない普通の下痢・便秘に効果を発揮します。
まとめ
- 抗生物質で下痢・便秘を起こす理由は、腸内フローラのバランスが崩れるから
- 抗生物質と併用しても下痢・便秘に効く整腸剤は、抗生物質に耐性があるか、もしくは芽胞されているかのどちらか
- 抗生物質に耐性があるタイプの整腸剤は、ビオフェルミンR、ラックビーR、エンテノロンR、レベニン
- ビオスリーの酪酸菌(ミヤBM)は芽胞されているので、抗生物質と併用OK
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