ホクナリンテープは副作用の少ない貼り薬です。
貼り薬であるため、貼った場所がかゆくなったり赤くなったりするのは、想像が付きます。
その他の起こりやすい副作用は、動悸や振戦(しんせん)です。
想像しにくいかもしれませんが、貼り薬を貼っただけで心臓がドキドキしたり、手足がブルブル震えたりするのです。
副作用が起こる原因と対策を解説します。
ホクナリンテープとは
ホクナリンテープの主成分はツロブテロールです。
ホクナリンテープは0.5mg、1mg、2mgの3種類の大きさがあります。
使い方は簡単で、1日1回、上半身にペタッと貼って、24時間経ったら古いホクナリンテープをはがして、新しいホクナリンテープに貼り替えるだけです。
ですので、子供の「咳止めテープ」として広く知られることになりました。
『ホクナリンテープは風邪の咳止めシールではない!元々は喘息の貼り薬だ』
ホクナリンテープの副作用
ホクナリンテープはツロブテロールを皮膚へゆっくり放出するため、ジワリジワリと効いてきます。
『ホクナリンテープはすぐに効かない!効果はジワリとやってくる』
即効性はない代わり、副作用の頻度も低いです。
主な副作用 | 副作用頻度 |
---|---|
心臓のドキドキ(動悸) | 0.66% |
手足の震え(振戦) | 0.52% |
テープかぶれ (接触性皮膚炎、紅斑など) |
1.62% |
データの出典:ホクナリンテープの副作用調査
副作用の動悸はなぜ起こる?
ホクナリンテープで心臓がドキドキする副作用があらわれるのは、心臓のリズム調整に関係するβ1(ベータ1)受容体を刺激するからです。
ホクナリンテープはβ2受容体を刺激して気管支を拡張して咳をしずめる薬ですが、β1受容体もわずかに刺激してしまうのです。
『ホクナリンテープの使い方はこう!貼る場所と効果時間の見極めがポイント』
「ホクナリンテープを胸の近くに貼るから心臓がドキドキする」と思っている方も多いようですが、胸の近くに貼るから副作用が出るわけではありません。
副作用の手足の震えはなぜ起こる?
ホクナリンテープが神経系に作用すると、手足が震える副作用が起こります。
ホクナリンテープと同じβ2刺激薬(β2受容体を刺激する薬:主に喘息治療に使われている)には、振戦(手足の震え)という共通の副作用があります。
β2刺激薬 | 振戦副作用頻度(%) |
---|---|
スピロペント | 2.00 |
ベネトリン | 1.65 |
ベロテック | 0.69 |
メプチン | 0.10~5.00 |
副作用のテープかぶれはなぜ起こる?
湿布がかぶれるのと同じで、ホクナリンテープが貼り薬である以上仕方のないことです。
テープかぶれが起こるのは、主成分が原因ではなくシールです。
副作用の対処と予防方法
心臓のドキドキ感、手足の震え、テープかぶれの副作用が起こったときは、速やかにシールをはがすことです。
テープかぶれは落ち着くのに時間がかかりますが、心臓のドキドキ感と手足の震えはまもなく落ち着きます。
『ホクナリンテープが剥がれたらどうする?お風呂やプールは?』
かぶれが起こるのは、主成分が原因ではなくシールです。
ホクナリンテープからジェネリック「ツロブテロールテープ」に変更すれば、テープかぶれはなくなるかもしれません。
先発/ジェネリック | 薬価(薬の価格) |
---|---|
ホクナリンテープ0.5mg | 34.9 |
ツロブテロールテープ0.5mg | 16.4~22.3 |
ホクナリンテープ1mg | 47.7 |
ツロブテロールテープ1mg | 21.9~31.4 |
ホクナリンテープ2mg | 66.6 |
ツロブテロールテープ2mg | 32.1~40.7 |
※セキナリンテープは、2017年8月にツロブテロールテープ「トーワ」に名称変更されています。
『ホクナリンテープは風邪の咳に効かない!それでも子供に使う理由は?』
まとめ
- ホクナリンテープの主な副作用は3つ
1.心臓がドキドキする(動悸) 2.手がブルブル震える(振戦) 3.テープかぶれ(接触性皮膚炎、紅斑) - ツロブテロールがβ1受容体を刺激すると、動悸が起こる
- ツロブテロールが神経系に作用すると、振戦が起こる
- ジェネリックに変更すれば、テープかぶれはなくなる可能性はある
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