ムコダインは咳、鼻水、痰に効かないのに眠い?効果と副作用、抗生物質との飲み合わせは?

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風邪をひいて痰がからんだり、粘っこい鼻水が続くときは去痰薬(きょたんやく)を使います。

去痰薬はもともと種類は少なく、使用されている薬は限られています。

  1. ムコダイン
  2. ムコソルバン
  3. ビソルボン

この中でもムコダインが一番使われていますが、次のような意見も多いです。

  • 効かない(効いた気がしない)
  • 余計に鼻水や痰が出る
  • 眠い
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風邪で痰・鼻水・咳が出る理由

風邪をひくと、粘っこい痰・鼻水・咳が出るのはなぜでしょうか?

痰・咳が出る理由

痰は絶えず分泌されています。

通常の痰は、うすくて何も感じることなく飲み込んでいます。
(少し濃いツバのようなものです)

しかし、風邪の原因であるウイルスや細菌が喉や肺に入ってくると炎症が起こり、白血球などが炎症部位に集められ、ウイルス・細菌VS白血球のバトルが始まります。

戦いの末、死んだ菌や白血球などが痰に混じり、あの粘っこい痰へと変化します。

戦いが壮絶であればあるほど痰は粘りを増し、咳を起こさせて外へ排泄されます。

鼻水が出る理由

痰と同様の理由で、白血球や死んだ菌などが粘りのある鼻水へ変化します。

ウイルスや細菌が体内に入ると免疫応答(異物に反応すること)や反射が起こり、ウイルスや細菌を体外に追い出そうとします。

体に害のないはずの花粉に免疫応答が起こるのが花粉症(アレルギー)です。

アレルギーで起こる、咳・くしゃみ・鼻水の症状は、ヒスタミンが放出されることで起こります。

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ムコダインの種類

ムコダインはカルボシステインを主成分とする去痰薬です。

錠剤、ドライシロップ(DS)、シロップの3種類があります。

ムコダイン錠、シロップ、DS

錠剤が主に大人用で、ムコダイン250mg錠と500mgの2種類です。

ムコダインDSとシロップが主に子供に使います。

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ムコダインの作用機序

ムコダインは、気道粘膜の構成成分を調整して痰・鼻水の粘りを取ります。

気道とは喉(鼻)から肺にかけての空気の通り道のことを言い、通り道の内側には粘膜と呼ばれる組織があります。

気道粘膜

気道粘液の構成成分(シアル酸、フコース)はバランスを取っています。

何も感じないサラサラの痰は、気道粘膜のシアル酸-フコース構成比に近く、なめらかに流れます。

しかし、痰のシアル酸-フコース構成比のバランスが悪くなると、粘りが増します。
(痰・鼻水がからみやすい)

ムコダインは、痰・鼻水のシアル酸-フコース構成比を正常に戻して痰・鼻水をサラサラする作用があります。

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ムコダインの効果

ムコダインは痰の切れをよくして、さまざまなタイプの咳に効果を発揮します。

咳全般への効果(軽度改善以上)
痰の切れの効果(改善率)

ムコダインの効果(大人)
ムコダイン錠500mgを1日3回服用した2週間後
(対象:大人)

咳全般への効果(軽度改善以上)

ムコダインの効果(子供)
ムコダインシロップ(30mg/kg/日)を1日3~4回に服用して1週間後
(対象:子供)

臨床試験では、効果判定を1~2週間で行っています。

その理由は、おそらくムコダインには即効性がないからだと考えられます。

(詳細後述「ムコダインは効かない?」)

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ムコダインの飲み方(用法用量)

ムコダインは、1回500mg1日3回毎食後に飲むのが標準的です(大人)。

子供は体重で量を調整して、1日3回毎食後に飲みます。

  • ムコダインDSの1回量
    0.02g/体重1kg

  • ムコダインシロップの1回量
    0.6mL/体重1kg

ムコダイン1回あたりの服用量の目安

 種類 体重(kg)
5 10 15 20 30 大人
ムコダインDS(g) 0.1 0.2 0.3 0.4 0.6 1
ムコダインシロップ(mL) 3 6 9 12 18 30
ムコダイン錠250mg × 1 2
ムコダイン錠500mg × 0.5 1

ムコダインは効かない?

「痰のからんだ咳、ズルズルした鼻水・鼻づまりを何とかして欲しい」

そんな思いで病院を受診される方が多いと思います。

しかし、残念ながらムコダインは即効性がなく、効果を実感できるには時間がかかります。

(通常の風邪であれば、7日以内の処方が多いと思いますが)薬を飲み終えるころにやっと効いてきます。

ですので、効かないからといってやめてはいけません。

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ムコダインで痰と鼻水が増える?

ムコダインは、痰や鼻水の粘りを押さえて外へ出しやすくする去痰薬です。

そのため、痰や鼻水の粘りがサラっとして、量が増えたと感じることがあります。

これは副作用ではなく、ムコダインが効いてきた証拠というべきです。

ムコダインの副作用

ムコダインは副作用の少ない薬です。

副作用頻度はわずか0.91%です。(11006例を集計)

ムコダインの主な副作用 副作用頻度(%)
食欲不振 0.24
下痢 0.17
腹痛 0.14

ムコダインは眠い?

先述のとおり、ムコダインには眠気の副作用はありません。

しかし、ムコダインを飲むと眠い!とおっしゃる方も少数います。

ムコダインは単独で使うケースが少なく、眠い原因は併用薬にあります。

  • 鼻水(抗ヒスタミン薬)
    アレジオン、アレロック、ザイザルなど

  • 鼻づまり(ロイコトリエン拮抗薬)
    オノン、シングレアなど

  • 咳(鎮咳薬:ちんがいやく)
    メジコン、アスベリンなど

この中で眠気を起こすのは抗ヒスタミン薬です。
(メジコンもわずかながら眠気を起こす場合がある)

ヒスタミン薬は鼻で作用すると鼻水・鼻づまりを抑えますが、一部は脳内にも作用するため眠気、ふらつき、だるさ、集中力の低下などの副作用が起こる場合があります。

作用部位 効果 副作用
目、鼻 花粉症
皮膚 かゆみ
脳内 眠気・集中力の低下

(ヒスタミンは集中力、活動、記憶などに関係している物質です)

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ムコダインと抗生物質の飲み合わせ

ムコダインは鼻水・痰がらみの咳によく使用されますが、副鼻腔炎滲出性中耳炎(ムコダインDS、シロップのみ)にも効果があります。

副鼻腔炎(ふくびくうえん)
蓄膿症のこと。
細菌などが副鼻腔に感染して炎症を起こし、鼻水、鼻づまり、後鼻漏(喉に鼻水が流れること)、頭痛、嗅覚障害などの症状を引き起こす
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副鼻腔炎は細菌感染を何となしなくてはならないため、抗生物質を服用する場合が多いです。

そして、副鼻腔の膿を外へ出しやすくする薬がムコダインです。

そのため、副鼻腔炎の治療では抗生物質-ムコダインの併用は多いです。

副鼻腔炎でよく使う抗生物質

  • ワイドシリン・パセトシン(アモキシシリン)
  • フロモックス(セフカペンピボキシル)
  • メイアクト(セフジトレンピボキシル)
  • クラリス(クラリスロマイシン)

細菌感染の疑いのある風邪には抗生物質が使われる場合がありますが、通常のウイルス感染で起こる風邪には抗生物質は無効です。

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まとめ

  1. 3大去痰薬は、ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボン
  2. 咳、痰、鼻水は体内からウイルス・細菌を追い出すための防御反応
  3. ムコダインは、痰・鼻水の構成比を正常に戻してサラサラする作用がある
  4. ムコダインは、粘りのある痰を抑えて咳を抑える効果。粘っこい鼻水をうすめる効果。(粘りのある鼻水が原因の)鼻づまりを抑える効果がある
  5. ムコダインは即効性がなく、効果を実感できるには時間がかる
    (効かないわけではない)
  6. ムコダインには眠気の副作用がない。眠い原因は併用薬(抗ヒスタミン薬)
  7. ムコダインは鎮咳薬、抗生物質との併用も多い