カフコデN配合錠は喉の痛みをともなう鼻咳風邪薬?ロキソニンとの併用は?

風邪薬
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カフコデN配合錠は6種類の成分からなる総合感冒薬です。

同じような総合感冒薬にPL配合顆粒、ピーエイがあります。

PL配合顆粒、ピーエイは、発熱・喉の痛みをともなう鼻風邪に使われますが、カフコデN配合錠は発熱・喉の痛みをともなう鼻咳両方の風邪に使えます。

ただし、PL配合顆粒、ピーエイは用量を調整して子供に使う場合がありますが、カフコデN配合錠は子供には向かない風邪薬です。

コデインを含むため、副作用が問題となるからです。

風邪薬は風邪を治さない

風邪をひいたとき、カフコデN配合錠などの総合感冒薬を使うかもしれません。

しかし、風邪への薬の使用は、必ずしも良い結果をもたらすとは限りません。

風邪症状は体の防御反応の表れだからです。

  • 発熱はウイルスや細菌を殺します
  • 喉の痛みは炎症を起こして免疫を強化します
  • 鼻水はウイルスや細菌を体外に追い出します

 

風邪症状を抑えるということは、ウイルスや細菌が体内にいる時間を長引かせます。

風邪薬は風邪を治すわけではなく、症状を抑えるに過ぎません。

しかしながら、咳は喉や肺に負担をかけ、発熱は体力を消耗させます。

夜間に咳が続くときは、咳で何度も目が覚めてしまう場合があり、睡眠を妨げます。このようなときに、やむなく総合感冒薬を使うのです。

カフコデN配合錠は12歳未満の小児禁忌

カフコデは、錠剤が飲める年齢になれば子供に使われることもありました。

しかし、カフコデN配合錠はコデインを含むため、副作用の観点から12歳未満の小児には使われなくなってきています。

(本記事も12歳以上を対象として解説します)

  • 2017年4月 米国食品医薬品局(FDA)
    12歳未満の小児のコデイン使用は、呼吸抑制が強く死亡する危険があるとして禁忌とする。
  • 2017年6月 厚生労働省
    12歳未満の小児のコデイン使用は、同様の理由から2019年4月から禁忌とする。

カフコデN配合錠の作用機序

カフコデは、6種類の成分からなる総合感冒薬です。

カフコデN配合錠の成分量(1錠中)

  1. ジヒドロコデイン:2.5mg
  2. メチルエフェドリン:5mg
  3. アセトアミノフェン:100mg
  4. ジフェンヒドラミン:3mg
  5. ジプロフィリン:20mg
  6. ブロモバレリル尿素:60mg

 

4種類の成分(ジヒドロコデイン、メチルエフェドリン、アセトアミノフェン、ジフェンヒドラミン)が、喉の痛み、発熱、咳、鼻水などに効果を発揮し、その他の成分はこれらの効果を陰から支えます。

ジヒドロコデインの作用機序

(脳の延髄にある)咳中枢は刺激を受けるたびに咳を起こします。

ジヒドロコデインは咳中枢の刺激に対する耐性を強化して咳を抑えます。【咳中枢抑制作用】

ジヒドロコデインの咳止め効果は、リン酸コデイン(通称リンコデ)の約2倍であることから、ジヒドロコデインは咳止めとして広く使用されています。

ジヒドロコデインは麻薬性鎮咳薬です。

長期多量服用で依存、単回服用でも便秘や眠気の副作用が起こる可能性があります。
(後述「カフコデN配合錠の副作用」)

メチルエフェドリンの作用機序

ウイルスや細菌などが気管(気管支)に入って炎症を起こすと、気管は収縮します。

気管が収縮すると呼吸がつらくなり、ちょっとしたことでも咳込んでしまいます。

メチルエフェドリンは、収縮した気管を拡張させて呼吸を整えます。【気管支拡張作用】

メチルエフェドリンは長期多量の服用で心臓がドキドキする副作用が起こる可能性があり注意が必要です。

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アセトアミノフェンの作用機序

アセトアミノフェンは、視床下部にある体温調節中枢に作用することで解熱します。

鎮痛効果もあるため、風邪の頭痛にも効果を発揮します。

アセトアミノフェン単剤としては、カロナール、座薬のアンヒバアルピニーなどがあります。

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アセトアミノフェンはロキソニンなどのNSAIDsとは違い、抗炎症作用はあまり期待できません。
(詳細後述「カフコデとロキソニンの併用」)

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NSAIDsとは
プロスタグランジンの非ステロイド性抗炎症薬のこと。
プラスタグランジン(炎症物質)の生成を抑えて痛みや炎症を抑えるが、長期服用で胃腸障害を起こしやすい
代表薬:ロキソニン、ボルタレン、セレコックス

ジフェンヒドラミンの作用機序

ウイルスや細菌が体内に入ると免疫応答(異物として反応すること)や反射が起こり、ウイルスや細菌を追い出そうとします。

体に害のない花粉に免疫応答が起こって引き起こされるのが花粉症(アレルギー)です。

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アレルギーで起こる、咳、くしゃみ、鼻水の症状は、ヒスタミンが放出されることで起こります。

ジフェンヒドラミンは、ヒスタミンの作用をブロックしてアレルギー反応を抑えます。
【抗ヒスタミン作用】

ジプロフィリンの作用機序

ジプロフィリンは気管支拡張作用があり、ジヒドロコデインの咳止め作用を強化します。

ブロモバレリル尿素の作用機序

ブロモバレリル尿素には鎮静作用がありますが、現在は鎮静を目的に使われることはありません。

鎮痛剤の鎮痛効果を高める目的で配合されています。

ブロモバレリル尿素は、ナロン、ナロンエース(市販薬)にも配合されています。

 

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カフコデN配合錠の飲み方

先述のとおり、カフコデは副作用の観点から12歳未満の小児には使われなくなってきています。

  • 15歳以上の大人は、カフコデN配合錠を1回2錠1日3回毎食後に飲むのが標準です。
  • 12歳以上の子供は、カフコデN配合錠1回1~2錠1日2回~3回食後に飲むのが標準です。

 

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カフコデN配合錠の効果

カフコデは、風邪の症状に効果があります。

風邪症状 効果(中程度改善以上の有効率%)
36.4
痛み 37.0
53.8

 

ジフェンヒドラミン(第1世代抗ヒスタミン薬)の作用機序からは、鼻水症状にも効果を発揮しますが、

現在は、眠気や喉の渇きの少ない第2世代抗ヒスタミン薬が、鼻水症状(特に花粉症)に使われています。

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カフコデN配合錠の禁忌(飲めない方)

カフコデの構成成分のひとつジフェンヒドラミンには、抗ヒスタミン作用の他に抗コリン作用があります。

抗コリン作用が働くと次のような症状が表れます。

  • 排尿困難、眼圧上昇
  • 便秘、口の渇き、胃部不快感
  • 眠気、ふらつき

 

そのため、カフコデは緑内障(眼圧上昇)や前立腺肥大(排尿困難)の方は服用できません。

 

カフコデの構成成分アセトアミノフェンは、ロキソニンなどのNSAIDsと違い、胃腸障害がほとんど起こりません。

しかし、カフコデ配合錠の禁忌には、消化性潰瘍のある患者と記載があります。
(理由はわかりません。矛盾した記載です)

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カフコデN配合錠の副作用(便秘・眠気)

カフコデは副作用発現頻度が明確となる調査が行われていません。

不明な点が多いですが、次のような副作用が起こることが知られています。

  • 眠気、めまい
  • 便秘、胃の不快感
  • 口の渇き

 

これらの副作用が起こる原因成分は、ジヒドロコデインとジフェンヒドラミンです。

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カフコデ配合錠とロキソニンの併用

先述の通り、カフコデに含まれるアセトアミノフェンは、ロキソニンなどのNSAIDsとは違い、抗炎症作用はあまり期待できません。

解熱鎮痛剤 解熱作用 鎮痛作用 抗炎症作用
アセトアミノフェン ×~△
ロキソニン

 

カフコデは喉の痛みを抑えるかもしれませんが、喉の炎症を直接抑えられません。

ロキソニンとの併用は理にかなっています。

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カフコデN配合錠はドーピング違反

カフコデはメチルエフェドリンを含むため、ドーピング違反になります。

メチルエフェドリンは多量服用で精神を高揚させ、血流を増加させるためです。

スポーツ選手はドーピング違反に注意して風邪薬を選ばなくてはなりません。

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まとめ

  • 風邪の咳を止めることは、必ずしも良い結果をもたらさない
  • カフコデN配合錠は、6種類の成分からなる総合感冒薬
  • カフコデN配合錠はコデインを含むため、12歳未満の子供には非推奨
    (2019年4月からは禁忌)
  • ジヒドロコデインは、咳中枢の刺激に対する耐性を強化して咳を抑える
  • メチルエフェドリンは、収縮した気管を拡張させて呼吸を整える
  • アセトアミノフェンは、体温調節中枢に作用することで解熱する
  • ジフェンヒドラミンは、ヒスタミンの作用をブロックしてアレルギー反応を抑える
  • カフコデN配合錠は、便秘・眠気・ふらつき・口の渇きなどの副作用を起こしやすい
  • カフコデN配合錠とロキソニンの併用は理にかなっている
  • フスコデはメチルエフェドリンを含むため、スポーツ選手は飲めない(ドーピング違反)

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