偏頭痛薬マクサルト、ゾーミッグ(ゾーミック)の効果は最強?副作用と飲み合わせ

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最強のトラ

慢性頭痛のガイドラインでは、トリプタン製剤と呼ばれる偏頭痛薬が、中等度以上の偏頭痛に推奨されています。

  1. イミグラン
  2. ゾーミッグ(※ゾーミック)
  3. レルパックス
  4. マクサルト
  5. アマージ

トリプタン製剤は偏頭痛への効果・副作用に個人差があり、相性の良い偏頭痛薬を求めて何種類も試すことも少なくありません。

さらに、偏頭痛薬に求める内容(効果、効果発現時間、持続時間、副作用など)によって、優越も違ってきます。

トリプタン製剤で最強の効果を持つ偏頭痛薬はイミグラン注射です。

これは、データと患者さんの評判からも裏返しようない事実です。

ただし、注射というデバイスは、使い方の練習が必要であったり、見た目の問題もあったり…さまざまな制約を受けます。

偏頭痛薬で最強の効果を持つトリプタン製剤の飲み薬は?と問われると

マクサルトとゾーミッグの名前があがることが多いです。

※「ゾーミック」の検索で本記事にたどり着く方もいるため、タイトルネームに(ゾーミック)と記載していますが、ゾーミッではなく、ゾーミッが正解です。

※偏頭痛の正式名称は「片頭痛」です。

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マクサルトとゾーミッグの副作用

マクサルトやゾーミッグなど、偏頭痛に使うトリプタン製剤は、次のような副作用が知られています。

  • 圧迫感
  • 息苦しさ
  • 吐き気
  • 眠気
  • めまい

圧迫感・息苦しさの副作用は、服用後30分以内に胸に起きやすく、狭心症のような胸の痛みを感じます。

圧迫感・息苦しさの副作用がひどい場合、喉や首の圧迫感も感じる場合もあります。

圧迫感・息苦しさがマクサルト、ゾーミッグの副作用であれば、しばらくすると楽になります。

楽にならない場合は、副作用ではなく狭心症が疑われます。

マクサルト ゾーミッグ(RM)
副作用の頻度 18.6% 23.4%

副作用の種類 マクサルト ゾーミッグ(RM)
傾眠(うとうと状態) 7.7% 3.0%
けん怠感(だるさ) 2.9% 3.5%
めまい 2.2% 2.6%
悪心 1.7%
※圧迫感などのしめ付け感 6.10%

※絞扼感(こうやくかん)+重圧感+圧迫感

マクサルト:錠剤とRPD錠の違い

マクサルト錠とマクサルトRPM錠

  • 左:マクサルト錠
  • 中:専用ケース
  • 右:マクサルトRPM錠

マクサルトはリザトリプタンを主成分とする第二世代偏頭痛薬です。

マクサルトには、普通の錠剤とRPD錠(ミント味)と言われる崩壊錠がありますが、どちらのマクサルトを選んでも効果は同等です。

どちらのマクサルトも吸湿性が高いため、使用直前にシートから取り出します。

特にマクサルトRPD錠は、口の中に入れても一瞬で溶けるため、水なしでも飲めます

水1滴でも瞬間的に溶けます。

マクサルトRPD錠を取り出すとき、指汗で溶かしてしまわないように注意が必要です。

偏頭痛はいつ起こるかわからないため、マクサルトRPD錠は有用な錠剤です。

ただ、専用のケースがやや大きくかさばるため携帯性はいまひとつです。

マクサルトの飲み合わせ(禁忌薬)

マクサルトは、他のトリプタン製剤、エルゴタミン製剤と併用していはいけません。

これは、トリプタン製剤共通の禁忌(飲み合わせ×)事項です。

  • トリプタン製剤
    (イミグラン、ゾーミッグ、レルパックス、アマージ)

  • エルゴタミン製剤
    (ジヒデルドット、エルゴメトリン、メテルギン)

さらに、マクサルトはインデラル(プロプラノロール)とも服用時間を空ける必要があります。

プロプラノロール塩酸塩の消失半減期は錠剤で3.9時間、徐放製剤で約10時間であることから、プロプラノロール塩酸塩を投与中、あるいは投与中止から錠剤では24時間、徐放製剤では48時間が経過していない患者には本剤を投与しない

マクサルトの添付文書より

消失半減期(薬の効果がなくなるまでの時間)の解説

睡眠薬が効いた、効かなくなったと感じる時間は個人差があります。しかし、メーカーが発表しているデータから「効果持続時間」や「効果発現時間」をある程度推測することが可能です。

インデラル(プロプラノロール)は偏頭痛予防薬としても使用される場合がありますので、飲み合わせに注意すべき薬です。

偏頭痛の頻度が高い場合や、痛みが強く日常生活に支障をきたす場合などは、偏頭痛予防薬が有効かもしれません。偏頭痛の予防効果が高いと推奨されている5種類の薬+αを解説します。

偏頭痛再発予防効果が期待できるトリプタン

偏頭痛薬はサッと効いてサッと体から薬が抜けていくため、再発予防効果はないと考えられてきました。しかし、レルパックス(エレトリプタン)とアマージは、他の偏頭痛薬とは違う特徴を持っています。

マクサルトの飲み方

偏頭痛が起こってから速やかに、マクサルトを1錠服用します。
他のトリプタン製剤と違い、マクサルトは1回量を増量できません。

マクサルト1回1錠で効果不十分の場合は、2時間以上間隔をあければ追加で服用できます。

マクサルトの1日最大用量は2錠です。

マクサルトは速く効く

マクサルトの血中濃度推移

マクサルトの効果発現の速さ

出典:マクサルトインタビューフォーム

マクサルトの最高血中濃度到達時間(薬が最も効く時間を推測するのに使う指標)は、1時間~1.3時間です。

マクサルトの消失半減期(薬の持続時間を推測するのに使う指標)は、1.6時間~1.7時間です。

マクサルトの特徴は「飲んですぐ効いて、すぐに効果がなくなる」です。

イミグラン ゾーミッグ レルパックス マクサルト アマージ
成分名 スマトリプタン ゾルミトリプタン エレトリプタン リザトリプタン ナラトリプタン
Tmax 1.8~2h 3h 1h 1(錠剤)
~1.3h(RPM)
2.4~2.7h
t1/2 2.2~2.4h 2.4h 3.2h 1.6~1.7h 5.1~5.4h

(添付文書を元に作成)

Tmax:最高血中濃度到達時間
t1/2:消失半減期

速く効いて偏頭痛の痛みを何とかしたい方には、マクサルトはばっちり合います。

トリプタン製剤(偏頭痛薬)は偏頭痛への効果に個人差が大きく、相性の良い薬を求めて何種類か試すことも多いです。5種類のトリプタン製剤の違いを解説します。

マクサルトの偏頭痛改善効果

頭痛の効果の定義

国際頭痛学会では、偏頭痛薬を飲んだ時の頭痛の改善消失の効果を次のように定義しています。

定義 服用前 服用後
頭痛の改善 中等度、重度 軽度、なし
頭痛の消失 なし

頭痛の程度 詳細
重度 通常の活動が全くできないほどの強い痛み
中等度 通常の活動が制限される痛み
軽度 通常の活動が制限されない痛み
なし 痛みがない

マクサルトの効果

国内で行われた臨床試験(第Ⅲ相二重盲検比較試験:中等度または重度の偏頭痛発作に対し、マクサルトまたはプラセボを単回経口投与)の結果では

  • 頭痛改善率:59.4%(2時間後)
  • 頭痛消失率:24.6%(2時間後)

マクサルトの効果(頭痛改善率)

マクサルトの効果(頭痛消失率)

出典:エーザイHP(一部改変)

ゾーミッグ(ゾーミック)とイミグラン

ゾーミッグ錠とゾーミッグRM錠

左:ゾーミッグ錠
右:ゾーミッグRM錠

ゾーミッグ(「ゾーミック」ではなく「ゾーミッ」です)は、ゾルミトリプタンを主成分とする薬で、イミグランの次に(2番目)に発売されたトリプタン製剤です。

イミグランは吸収率が低く、トリプタン無効例(トリプタンが効かない)がありました。

偏頭痛薬イミグラン(スマトリプタン)は、1番最初に開発されたトリプタン製剤です。使用経験が豊富でデータの蓄積も多いです。3種類の製剤の特徴を解説します。

ゾーミッグは吸収率を上げたトリプタンで、第二世代偏頭痛薬です。

ただし、吸収率をあげたためか、副作用も発現しやすいトリプタンでもあります。
(マクサルトとゾーミッグの副作用の項目を参照)

ゾーミッグ錠剤とRM錠の違い

ゾーミッグの剤形は、普通の錠剤とRM錠と呼ばれる崩壊錠があります。

ゾーミッグ錠とゾーミッグRM錠は、吸湿性があるため使用直前に薬を取り出します。

偏頭痛はいつ起こるか予測がつかないため、常に1錠持ち歩く必要があります。

ゾーミッグRM錠は、マクサルトRPM錠と同じで水なしで飲むことができます。

マクサルトRPMと比較するとコンパクトなため、携帯するのに適した剤形といえます。

ゾーミッグRM錠は、甘みのあるオレンジ味です。

ゾーミッグの飲み方

偏頭痛が起こってから、速やかにゾーミッグを1回1錠服用します。
1錠で効果不十分の場合、1回2錠まで増量して服用することができます。

ゾーミッグの1日最大用量は4錠です。

薬は食後が基本ですが、それ以外の飲み方で飲む薬があります。なぜでしょう?骨粗鬆症治療薬の起床時、高脂血症エパデール・ロトリガの食直後を例に挙げて解説します。

ゾーミッグの効果発現は遅い?

ゾーミッグ錠の血中濃度推移

ゾーミッグ錠の効果発現時間
出典:ゾーミッグインタビューフォーム

ゾーミッグの最高血中濃度到達時間は約3時間ですが、服用後30分後程度から偏頭痛の痛みが軽減されるようです。

グラフからも分かるように、1度目のピークが1.5時間後におとずれます。

ゾーミッグの消失半減期は、2.4時間~2.9時間です。
トリプタン製剤の中では標準的な消失半減期です。

ゾーミッグの偏頭痛改善効果

ゾーミッグは知られない優れた偏頭痛薬

ゾーミッグは、マクサルト、レルパックスと同様に優れた頭痛改善効果があります。

ゾーミッグを使った患者さんからの効果の評判もいいです。
(ただ副作用がキツイらしい。頭痛専門医はゾーミッグを使う?)

ゾーミッグ発売以来、レルパックス、マクサルト…と続いて偏頭痛薬が発売され、ゾーミッグの情報が埋もれてしまったのでしょうか?

偏頭痛薬 世代 発売年
イミグラン 第一世代 2001年
ゾーミッグ 第二世代 2001年
レルパックス 2002年
マクサルト 2003年
アマージ 第三世代? 2004年

ゾーミッグの効果

外国で行われたゾーミッグRM錠の二重盲検比較試験(中等度または重度の偏頭痛発作に対し、ゾーミッグRM錠またはプラセボを単回経口投与)の結果では

  • 頭痛改善率:63%(2時間後)
  • 頭痛消失率:27%(2時間後)

頭痛改善率

ゾーミッグの偏頭痛改善率(効果)

頭痛消失率

ゾーミッグの偏頭痛消失率(効果)

(データの出典:ゾーミッグRM錠インタビューフォーム)

マクサルトとゾーミッグの薬価(値段)とジェネリック

ゾーミッグのジェネリックは発売されていますが、マクサルトのジェネリックはまだ未発売です。(2017年2月)

→マクサルトのジェネリック「リザトリプタン」は発売されました。

偏頭痛薬 剤形 先発/ジェネリック 薬価(値段)
ゾーミッグ 錠剤 先発 784.9円
RM
ゾルミトリプタン OD ジェネリック 358円~406.5円
マクサルト 錠剤 先発 945.5円
RPM錠 945.1円
リザトリプタン OD ジェネリック 382.2円

まとめ

  1. マクサルトは、偏頭痛の痛みをとるスピードが速い
  2. マクサルト錠とマクサルトRPM錠の効果は同等であるが、水なしで飲めるマクサルトRPM錠の方が有用。
    ただし、少しの水分で一瞬で崩壊するため、取り扱い注意
  3. マクサルトは、偏頭痛予防薬としても使用されるインデラルとの併用ができない
  4. ゾーミッグは、イミグランの吸収率の低さをカバーした偏頭痛薬
  5. ゾーミッグの効果は優れているが、胸のしめ付け感などの副作用も強く出る場合がある
  6. ゾーミッグ錠とゾーミッグRM錠の効果は同等であるが、水なしで飲めるゾーミッグRM錠の方が有用
  7. ゾーミッグは血中濃度の立ち上がりがやや遅いが、30分程度で効果が表れる
  8. ゾーミッグ・マクサルトにはジェネリックがあり、その薬価は半額以下

偏頭痛薬の効く、効かないは、かなり個人差があります。

また、今まで普通に効いていたのに急に効かなくなる例もあり、選択が難しいです。
副作用も強く現れたり症状が悪化する場合もあるため、自己判断での増量や中止は控えてください。