睡眠薬マイスリーの効果発現時間と持続時間(作用時間)はどれくらい?

睡眠薬
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睡眠薬マイスリーに限らず、薬の効果にかかわる時間については、添付文書と呼ばれる医療従事者向けの薬の説明書に記載されています。

添付文書は薬の情報を得たり、薬の副作用や薬の効き目を推測するための重要なツールです。

 

  1. 最高血中濃度到達時間(Tmax)
  2. 消失半減期(t1/2)
  3. マイスリー

この3つ題材にして、睡眠薬の効果発現時間と効果持続時間(作用時間)を比較する方法を解説します。

睡眠薬の眠たくなる時間

ほとんどの睡眠薬は、飲んだその日から1週間以内に効果が実感できる即効型の薬です。

睡眠薬を1回服⽤してから眠たくなるまでの時間(効果が実感できる時間)は、それほど差はなく30分~60分程度と考えられています。

ただし、睡眠薬の効き目には個人差があり、睡眠薬の種類によっては15分で眠れる方もいれば、60分経っても眠れない方もいます。

入眠剤とも言われる、マイスリーの効果発現時間を推測してみましょう。

マイスリーの最高血中濃度到達時間(Tmax)と効果発現時間

最高血中濃度到達時間(T-max)、最高血中濃度(C-max)、AUC

たいていの睡眠薬は放物線上に血中濃度(薬が血液中にある濃度)が推移します。

最高血中濃度到達時間(Tmax)とは、薬を服用して主成分が血中で最大になる時間のことです。
この時間こそが、薬の効果が最も強く表れる時間です。

 

マイスリーの最高血中濃度到達時間

添付文書からマイスリー5mgとマイスリー10mgの最高血中濃度到達時間(Tmax)は約0.8時間とわかります。

つまり、マイスリーが最も効く時間は、服用してから0.8時間後、効果発現時間は0.8時間以内と推測できます。

超短時間型睡眠薬の最高血中濃度到達時間(Tmax)

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睡眠薬は持続時間(作用時間)によって4種類に分けられています。

  1. 超短時間型
  2. 短時間型
  3. 中時間型
  4. 長時間型

 

マイスリーは超短時間型睡眠薬です。

マイスリーと他の超短時間型睡眠薬と最高血中濃度到達時間(Tmax)を比較してみましょう。

 

睡眠薬 主成分 最高血中濃度到達時間
(Tmax)
ロゼレム ラメルテオン 0.75時間
アモバン ゾピクロン 0.75時間
マイスリー ゾルピデム 0.8時間
ルネスタ エルゾピクロン 1.0時間
ハルシオン トリアゾラム 1.2時間

アモバン、ルネスタ、ハルシオン、ロゼレム、マイスリーの最高血中濃度到達時間を示した棒グラフ

 

ハルシオンは即効性があることで有名な睡眠薬ですね。

マイスリーは超短時間型睡眠薬の中では、ちょうど中間に位置し、標準的なスピードで効果が出ると推測できます。

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消失半減期(t1/2)とは、主成分の血中濃度が半分になる時間のことです。

 

消失半減期(t1/2)が短い睡眠薬は、速く主成分が体から排泄され、
消失半減期(t1/2)が長い睡眠薬は、主成分が体内に蓄積しやすいです。

つまり、消失半減期(t1/2)の短い睡眠薬の効果持続時間(作用時間)は短く、
消失半減期(t1/2)の長い睡眠薬は効果持続時間(作用時間)が長いということです。

 

消失半減期と効果持続時間(作用時間)の関係

【消失半減期(t1/2)の5倍の時間】で、ほとんどの主成分が体から消失します。

睡眠薬を飲んでから消失半減期(t1/2)の5倍の時間が経過すると、薬の効果はほとんど期待できません。

マイスリーの消失半減期(t1/2)と効果持続時間(作用時間)

マイスリーの消失半減期(t1/2)

添付文書からマイスリー10mgの消失半減期(t1/2)は約2.3時間とわかります。

ただし、誤差が±1.48時間ありますので、効く効かないの時間は個人差があると推測できます。

 

マイスリーも消失半減期(t1/2)の5倍の時間(約11.5時間)が経過すると、薬の効果はほとんどありません。

効果持続時間(作用時間)を消失半減期(t1/2)の1倍~2倍と仮定すると、マイスリーの効果持続時間(作用時間)は、2時間~6時間程度と推測できます。

超短時間型睡眠薬の消失半減期(t1/2)と効果持続時間(作用時間)

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マイスリーと他の超短時間型睡眠薬の消失半減期(t1/2)と効果持続時間(作用時間)を比較してみましょう。

 

睡眠薬 主成分 消失半減期
(t1/2)
効果持続時間
(作用時間)
ロゼレム ラメルテオン ※0.94時間
マイスリー ゾルピデム 2.3時間 2~5時間
ハルシオン トリアゾラム 2.9時間 3~6時間
アモバン ゾピクロン 3.94時間 4~8時間
ルネスタ エルゾピクロン 5.08時間 5~10時間

※ロゼレムの代謝物(体内に入って変化したもの)にも睡眠効果があります。その代謝物にも消失半減期(t1/2)があります。

 

超短時間型睡眠薬の消失半減期と効果持続時間(作用時間)

 

ハルシオンは即効性があるが、すぐに効果がなくなると聞きますが、超短時間型睡眠薬の中では、ちょうど中間に位置します。

マイスリーはさらに睡眠効果が速くおとずれ、速く体内から主成分が消失すると考えられます。

 

超短時間型睡眠薬の中では、ルネスタが入眠と中途覚醒(寝ている途中で起きること)の両方に効果があると予測できます。

しかし、体内に若干主成分が残るため、早朝の薬の持ち越し効果(すっきり起床できないなど)に注意を払う必要がありそうです。

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マイスリーは、超短時間型睡眠薬の中では2番目に作用時間が短いと推測できます。

まとめ

  1. 睡眠薬の効果は最高血中濃度到達時間(Tmax)より前に現れるが、睡眠薬同士の効果発現のスピードを比較したいとき、最高血中濃度到達時間(Tmax)はひとつの指標として使える
  2. 同様に、睡眠薬の効果持続時間(作用時間)を比較したいときは、消失半減期(t1/2)がひとつの指標として使える
  3. マイスリーは超短時間型睡眠薬
  4. 超短時間型睡眠薬の中では、マイスリーは3番目に睡眠効果の発現が速いと推測できる
  5. 超短時間型睡眠薬の中では、マイスリーは2番目に睡眠効果の持続時間(作用時間)が短いと推測できる

※添付文書にあるデータは、あくまで健康な成人の平均値です。
睡眠薬を含め、薬の効果は、腎臓・肝臓の機能、併用薬、食事、年齢などの影響を受けるため、個人差があります。

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