GS1コード(医療用医薬品バーコード) 薬のシートにあるアレは何?

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薬局や病院で薬をもらっている方は、薬のシートにバーコードが表示されているのにお気づきでしょうか?

このバーコードの名前は、GS1データバー(通称:GS1コード)です。

GS1データバー(GS1コード)は、医療用医薬品の流通で普及する新バーコードです。

今までは、医療用医薬品の箱にはJANコードが記載されていましたが、GS1データバー(GS1コード)に順次変更されます。

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GS1データバー(GS1コード)表示の経緯

医療用医薬品の医療事故の防止

シートなどに製品を特定する医療用医薬品バーコード「GS1データバー(GS1コード)」を付け、それを端末でスキャンすることで医療事故が減る可能性があります。

特定生物由来製品については、平成15年7月に記録義務が法制化されているため、GS1データバー(GS1コード)は表示済です。

特定生物由来製品とは

特定生物由来製品の例

生物由来製品の例2

出典:厚生労働省HP

特定生物由来製品とは、生物由来製品で特に感染などのリスクが高い薬を指します。

生物由来製品とは、主に動物に由来する原料(細胞や組織など)を使って製造された薬のことで、ワクチン、血液製剤などが生物由来製品です。

特定生物由来製品、生物由来製品、医療用医薬品

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医療用医薬品のトレーサビリティの確保

トレーサビリティとは、製造から消費されるまでの状況を記録・追跡できる機能のことです。

GS1データバー(GS1コード)が表示されれば「医療用医薬品がどこで作られて、いつだれに使われたか」を理論上は記録、追跡できるようになります。

医療用医薬品の製造後、何らかのトラブルがあったときなど、流通段階であれば回収も可能です。

GS1データバー(GS1コード)の記録内容

  調剤包装単位
(シートなど)
販売包装単位
(薬の箱など)
調剤包装単位
(段ボールなど)
A B C A B C A B C
特定生物由来製品
生物由来製品
注射薬
内服薬
外用薬
  • A:商品コード
  • B:有効期限
  • C:製造番号(製造記号)
  • ◎:必須表示
  • ○:任意表示

販売包装単位(箱):アレジオン錠の箱

販売包装単位(箱単位)

調剤包装単位(シート):アレジオン錠のヒートシート

調剤包装単位(シート)

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医療用医薬品のGS1データバー(GS1コード)は主に3種類あり、それぞれ表示しなくてはならない項目が異なります。

一般の方が目にするのは調剤販売単位です。

  1. 調剤販売単位(シート、バイアルなど)
    患者単位
  2. 販売包装単位(薬の箱など)
    薬局単位
  3. 元包装単位(卸の段ボールなど)
    メーカー・卸単位

画像の医療用医薬品(アレジオン錠)は内服薬ですので、商品コードのみの情報が記録されています。

販売包装単位、元包装単位の有効期限、製造番号(製造記号)は、医療用医薬品のトレーサビリティの確保の理由から、任意表示ですが順次表示される予定です。

薬局では「内服薬」「外用薬」「注射薬」の取り扱いが多いです。

これらの調剤販売単位の有効期限、製造番号(製造記号)の表示予定をメーカーに問い合わせたところ、2015年7月時点では「予定はない」との回答でした。

GS1データバー(GS1コード)の利用例

病院(入院時)

  1. 注射薬を調剤(セット)する
  2. 調剤された医療用医薬品を目視で監査する
  3. 投薬前に、GS1データバー(GS1コード)、患者ID、投薬者IDをスキャンする

この流れで三点照合が可能です。

三点照合とは

医療の三点照合とは、主に次の3点を指します。

  1. 医療用医薬品(JS1データバー)
  2. 患者(手首などに患者IDを記録したバーコード)
  3. 投薬者(主に薬剤師、看護師)
    (名札などに職員IDを記録したバーコード)

端末で確認された医療用医薬品のデータはサーバーに送られ、即時に処方データ照合されます。
間違いがあれば、その場で間違いを知らせます。

薬局

調剤監査時にJS1データバーをスキャンし、目視と端末でのダブルチェックにより、調剤ミスを軽減させます。

GS1データバー(GS1コード)の表示実施時期

JS1データバー(JS1コード)の表示は、2015年7月メーカー出荷分から義務化されます(例外規定あり)。

医薬品卸、薬局の在庫がなくなり次第、順次JS1データバーが入った医療用医薬品が患者さまの手元へ渡ります。

販売包装単位に表示されていたJANコードは削除されます。

GS1データバー(GS1コード)の表示コスト

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流通バーコードに関する合同検討プロジェクト<日本医薬品卸業連合会・日本製薬工業協会>の平成24年5月の資料によると、一社当たりのメーカーが負担するGS1データバー(GS1コード)の表示コストの平均は次の通りです。

 – 設備投資費 ランニングコスト
調剤販売単位 1.5億円 0.6億円
販売包装単位
元包装単位
7.1億円 0.5億円

まとめ

  1. 薬のシートについているバーコードの名前は、GS1データバー(通称GS1コード)
  2. GS1データバー(GS1コード)は、医薬品の医療事故の防止とトレーサビリティの確保が目的
  3. GS1データバー(GS1コード)の表示は、2015年7月メーカー出荷分から義務化
  4. GS1データバー(GS1コード)は、特定生物由来製品以外の薬への調剤包装単位の有効期限、製造番号・製造記号のJS1データバー表示が任意のため、トレーサビリティの追及が不十分

制度は始まったばかりですので、今後のメーカーの努力に期待したいと思います。