中古マンションを購入するためには、中古マンションの価格以外に購入諸費用と税金がかかります。
中古マンションの購入経験のない方は、購入諸費用や税金は中古マンションそのものの値段に比べたら大したことがないと思っていると思います。
中古マンションを購入するときにかかる購入諸費用と税金は大したことがあるんです。
中古マンションとはいえ、価格は1000万円を超えることがほとんどですので、ニコニコ現金払いという訳にもいきません。
ほとんどの場合は、銀行の住宅ローンを使って中古マンションを購入します。
住宅ローンを使って中古マンションを購入時、主に次のような諸費用がかかります。
- 銀行の住宅ローンの事務手数料(購入諸費用)
- 不動産仲介会社の提携住宅ローンの事務手数料(購入諸費用)
- 住宅ローンの保証料(購入諸費用)
- 住宅ローンの契約書に貼る印紙代(税金)
- 火災保険料と地震保険料(購入諸費用)
- 抵当権の設定に関わる登録免許税(税金)
- 所有権の移転に関わる登録免許税(税金)
- 司法書士への報酬(購入諸費用)
7.所有権の移転に関わる登録免許税(税金)は、住宅ローンを組む時にかかる税金ではありませんが、便宜上一緒に解説します。
今回は3000万円クラスの中古マンションを、三井住友銀行で2500万円、35年、元利均等返済の住宅ローンを組んで購入したと想定して、購入諸費用と税金をシミュレーションしてみましょう。
中古マンションの価格 | 3000万円 |
住宅ローン | 2500万円 |
35年、元利均等返済 | |
土地の固定資産税課税標準額 | 3億円 |
そのうち自分の持ち分 | 300万円 |
建物の固定資産税課税標準額 | 800万円 |
中古マンション購入でかかる仲介手数料
現金で中古マンションを購入したとしても、仲介手数料や売買契約書に使う印紙代などの諸費用と税金が別途かかります。
銀行の住宅ローン事務手数料 (購入諸費用)
(三井住友銀行のHPには保証会社手数料と記載)
32,400円は、三井住友銀行に支払います。
不動産仲介会社の提携住宅ローン事務手数料 (購入諸費用)
=約10万円(概算)
最近は、不動産仲介会社にも住宅ローンの提携事務手数料を支払わなくてはならないケースが増えてきています。
不動産仲介会社と提携している銀行の住宅ローンを、不動産仲介会社経由で審査に回して中古マンションの購入に至ったときなどです。
不動産仲介会社経由で住宅ローンを審査に回すと、有利な金利が付いたり、審査が有利になったりすると言われることもありますが、実際はわかりません。
住宅ローン保証料 (購入諸費用)
=20,620円~82,437円×25
=515,500円~2,060,925円
出典:三井住友銀行(100万円あたりの保証料の目安)
中古マンションの購入時に住宅ローンを組むときは、保証人を必要としない代わりに、保証会社の保証を受ける必要があります。
そのときに支払う手数料が保証料です。
保証料は4倍くらい差があります。
その理由についての説明はありませんが、保証会社がその住宅ローンの保証を引き受けるリスク、属性により違うのでしょう。
火災保険料と地震保険料 (購入諸費用)
地震保険料=約5万円(5年間)
中古マンションの購入時に住宅ローンを組むときは、地震保険料は任意ですが火災保険料の加入が必要です。
火災保険料は、建物の構造、地域、プラン、損保会社で違います。
2015年9月までは、35年一括払いができましたが、2015年10月以降は火災保険の保険期間は10年までになりました。
印紙税(税金)
記載金額 | 不動産売買契約書※ | 住宅ローン契約書 |
---|---|---|
1万円未満 | 非課税 | 非課税 |
10万円以下のもの | 200円 | 200円 |
50万円以下 | 200円 | 400円 |
100万円以下 | 500円 | 1,000円 |
500万円以下 | 1,000円 | 2,000円 |
1,000万円以下 | 5,000円 | 10,000円 |
5,000万円以下 | 10,000円 | 20,000円 |
1億円以下 | 30,000円 | 60,000円 |
※2018年3月31日までに作成されるの不動産売買契約書
住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)に2万円の印紙を貼り、消印して印紙税を納めます。
抵当権設定登記費用 (登録免許税:税金)
=住宅ローンの金額×0.1%
=2500万円×0.1%
=2.5万円
中古マンションとはいえ、何千万とします。
通常は、住宅ローンを受けて購入します。
その際には、抵当権というものを銀行が設定します。
抵当権の設定は購入者のためではなく銀行のためのものなのですが、抵当権の設定費用は購入者が支払う慣習です。
抵当権についての説明
=住宅ローンの金額×0.4%
これが通常の抵当権設定登記をするときの登録免許税ですが、2017年3月31日までの間は、特例処置を受けられることが多いため、0.4%のところが0.1%です。
→2017年3月31日の期限は3年間延長されて、2020年3月31日になっています。
土地の所有権移転登記費用 (登録免許税:税金)
=土地の固定資産税課税標準額の自分の持ち分×1.5%
=300万円×1.5%
=4.5万円
中古マンションは土地を共有しています。
中古マンションの土地全体の固定資産税課税標準額の自分の持分を、按分した固定資産税課税標準額の登録免許税を支払います。
通常、土地の所有権移転登記をするときの登録免許税は、固定資産税課税標準額の按分の2%です。
2017年3月31日までは、1.5%に軽減されています(別途適応要件あり)。
→2年間延長されて2019年3月31日になっています。
固定資産税課税標準額の按分について
土地の固定資産税課税標準額は、マンション全体の土地の金額です。
そこから自分の土地の持分が1/100であれば次のように計算できます。
=土地の固定資産税課税標準額×1/100
建物の所有権移転登記費用 (登録免許税:税金)
=建物の固定資産税課税標準額×0.3%
=800万円×0.3%
=2.4万円
中古マンションを購入した時は、所有権を売主名義から購入者名義に変更します。その手続きのことを所有権移転登記といいます。
通常、建物の所有権移転登記をするときの登録免許税は、建物の固定資産税課税標準額の2%です。
2017年3月31日までは、0.3%に軽減されています(別途適応要件あり)。
→2年間延長されて2019年3月31日になっています。
司法書士への報酬 (購入諸費用)
中古マンションの所有権移転登記と、抵当権設定登記の手数料は地域によりばらつきがあり、購入諸費用に影響を与えます。
次の表は、2013年日本司法書士会連合会「司法書士の報酬に関するアンケート結果(報酬の平均)」をグラフ化したものです。
所有権移転登記は、土地1筆と建物1筆(固定資産評価額合計1000万円)の手続き【639回答】
抵当権設定登記は、土地1筆と建物1筆(固定資産評価額合計1000万円)の手続き【629回答】
全国的に近畿エリアの司法書士の報酬が高いようです。
この報酬以外に、実費として通信費、交通費、日当、立会料などが加算され、司法書士の報酬の合計は10万~20万円程度です。
中古マンションの購入諸費用と税金のまとめ
項目 | 内訳 | 金額 |
---|---|---|
仲介手数料 | 購入諸費用 | 104万円 |
手付金(後に清算される) | 購入諸費用 | 100万円 |
銀行の住宅ローンの事務手数料 | 購入諸費用 | ¥32,400 |
不動産仲介会社の提携住宅ローンの事務手数料(概算) | 購入諸費用 | ¥100,000 |
住宅ローンの保証料(概算) | 購入諸費用 | ¥700,000 |
住宅ローンの契約書に貼る印紙代 | 税金 | ¥20,000 |
火災保険料と地震保険料(概算) | 購入諸費用 | ¥150,000 |
抵当権の設定に関わる登録免許税 | 税金 | ¥25,000 |
所有権の移転に関わる登録免許税 | 税金 | \69,000 |
司法書士報酬(概算) | 購入諸費用 | ¥150,000 |
合計 | – | 330万円 |
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