AGA薬ザガーロ(デュタステリド)に精子減少の副作用?妊娠、献血への影響

脱毛症(AGA)
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ザガーロはプロペシアの1.5倍以上の効果が期待できるAGA新薬で、AGA薬の中では最強の効果を示すデータがあります。

しかし、ザガーロもプロペシアと同様に、男性機能を低下させる副作用があります。

男性が無視できないような重大な副作用や、妊娠を希望する女性が目をそむけたくなるような副作用もあります。

AGAに悩む男性にとってザガーロは夢のような薬ですが、今回はあえてザガーロを含むAGA薬のダークサイド(副作用)を解説します。

ザガーロは女性接触禁止

カプセルより錠剤の方が飲みやすいため、多くの薬は錠剤です。

しかし、ザガーロがカプセルであるのには理由があります。

1.効果(吸収効率)を高めるため

ザガーロのカプセルの中にはデュタステリドを溶かし込んだ液状のものが入っています。

ディタステリドは原末の状態では吸収が悪く、何かに溶かした状態にしておく必要がありました。

それでも、ザガーロの生物学的利用率(バイオアベイラビリティ)は59%で、吸収効率がよくないです。(プロペシアは80%)

生物学的利用率(バイオアベイラビリティ)とは
全身をめぐる血液循環に入る薬の割合。高い方が主成分が効率よく利用できている

2.女性はザガーロの内容物に接触禁止であるため

ザガーロの主成分は経皮吸収されるため、女性と子供内容物に直接触れてはいけません。

なぜなら、ザガーロの主成分デュタステリドは、動物実験で胎児の男性性器の女性化(催奇形性)が確認されているからです。

(プロペシアも同様で、割られた内容物にふれてはいけません)

催奇形性はコチラの記事で解説しています。

妊婦必見!妊娠中の薬服用不安と心配を解くヒント その薬大丈夫?

ザガーロの副作用はプロペシア以上

ザガーロはプロペシアより効果が期待できる分、副作用も発生しやすいです。

AGA最強新薬ザガーロ(デュタステリド)の効果をプロペシアと比較

男性機能に対する副作用

ザガーロには男性機能の副作用があります。

ザガーロは男性ホルモンの分泌過程を2カ所ブロックします。そのため、男性機能に対する副作用がプロペシアより起こりやすいと考えられます。

ザガーロとプロペシアの作用部位を説明した図

 

ザガーロとプロペシアの副作用頻度の比較

 副作用 ザガーロ0.1mg ザガーロ0.5mg プロペシア1mg
リビドー減退 4.79% 2.17% 1.09%
勃起不全 3.19% 5.43% 0.72%
射精障害 1.60% 1.09% 0.36%

※リビドー減退:性欲の低下
※副作用の頻度は、臨床試験の結果(安全性に関する項目)より計算

 

ただし、これら結果は被験者の自己申告です。

男性機能の減退などの副作用は、あまり認めたくないと思います。実際はもう少し副作用頻度は高いのではないでしょうか?

ザガーロの副作用は服用を中止すれば消失しますが、消失半減期は3~5週間と長く、AGAに対する効果が持続する半面、副作用の消失には相当の期間が必要です。
(プロペシアの消失半減期3~4時間)

消失半減期とは、成分の血中濃度が半分になるのに必要な時間のことです。

精子に対する副作用

海外臨床試験において、18~52歳の健康成人(デュタステリド群:27例、プラセボ群:23例)を対象に、52週間の投与期間及び24週間の投与後追跡期間を通して、デュタステリド0.5mg/日の精液特性に対する影響を評価した。

投与52週目における総精子数、精液量及び精子運動率の投与前値からの平均減少率(プラセボ群の投与前値からの変化で調整)は、それぞれ23、26及び18%であり、精子濃度及び精子形態への影響は認められなかった。

デュタステリド群における総精子数の投与前値からの平均減少率は、24週間の追跡期間後においても23%のままであった。
しかしながら、いずれの評価時期においても、全ての精液パラメータの平均値は正常範囲内であり、事前に規定した臨床的に重要な変動(30%)には至らなかった。

また、デュタステリド群の2例において、投与52週目に投与前値から90%を超える精子数の減少が認められたが、追跡24週目には軽快した。
デュタステリドの精液特性に及ぼす影響が、個々の患者の受胎能に対しどのような臨床的意義をもつかは不明である。

ザガーロ添付文書「その他の注意」より抜粋

プラセボ:偽薬
受胎能:妊娠する能力、またはさせる能力

 

要約すると、ザガーロ0.5mg52週服用後の平均的な減少率は次のとおり。

  • 総精子数:23%
  • 精液量:26%
  • 精子運動率:18%
  • 精子濃度:変化なし
  • 精子形態:変化なし

ザガーロ0.5mgの服用を中止してから約6カ月経過すると、90%を超える精子減少者の精子数は戻った。

しかし、平均的な精子減少率は、約6カ月経過後も23%のままで戻らなかった。

 

ザガーロの消失半減期から考えると、デュタステリドは6カ月後に血中からほとんど消失しています。精子数に関する結果は2つのどちらかです。

  1. 精子数は元に戻るが、まだ時間が足りなかった
  2. 精子数は戻らない(致命的)

ザガーロによる精子の減少が、妊娠にどのように影響するかは不明ですが、子供を授かる前までは、他のAGA薬を使う方が無難かもしれません。

AGA治療「塗る」という選択

発毛剤はリアップX5で決まり!効果、副作用、初期脱毛、多毛症検証

女性化の副作用

その他の気を付けるべき副作用は、乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)です。女性のように胸が出来上がってくることがあります。

ただし、副作用頻度は1%以下です。

アボルブで重大な副作用(死亡例)

2015年10月20日

アボルブ(デュタステリド)に重大な副作用として「肝機能障害・黄疸」が、使用上の注意として追記されました。(国内で3年間で6例発生・1人死亡)

同成分のザガーロも「肝機能障害・黄疸」の副作用を起こす可能性があります。

 

※アボルブとザガーロは名前とデザインが違うだけで、同じ主成分を含む薬です。

左:ザガーロ0.5mg、右:アボルブ0.5mg

ザガーロと献血

日本赤十字社によると、アボダート(ザガーロの海外名)服用中の方は、服用を中止して6カ月が経過していない場合は、献血を遠慮いただいているとのことです。

ザガーロ・プロペシアは、動物実験で胎児の男性性器の女性化が確認されています。

長期間献血ができないのは、ザガーロの消失半減期が長いためです。

男性に輸血される分には問題ないですが、血液の輸血先は献血時にはわかりません。デュタステリドを含んだ血液が妊婦に輸血された場合、胎児に影響を与える危険性があります。

ザガーロの初期脱毛は副作用か?

初期脱毛については、こちらの記事で詳しく説明しています。

AGA薬プロペシアの効果と副作用(精子・性欲) 初期脱毛とは

 

ザガーロで起こりえる初期脱毛は副作用ではなく、ヘアサイクルが正常化する過程で起こっている現象と考えられています。

メーカーの方に初期脱毛について問い合わせてみると

「初期脱毛についての問い合わせはあるが、初期脱毛とザガーロの因果関係は不明で、初期脱毛の発生頻度のデータはありません」とのことでした。

初期脱毛について、多くを語りたくない様子でした。

プロペシア、ザガーロは効かない?AGA遺伝子検査キットで事前にチェック!

まとめ

  • ザガーロはプロペシアと比べて効果が期待できるが、副作用発生率も高い
  • ザガーロの男性機能に対する主な副作用は、リビドー減少、勃起不全、射精障害、女性化
  • ザガーロは、精子数、精子量、精子運動量に影響を与える場合がある
  • ザガーロの服用中と服用を中止して6カ月が経過していない場合は、献血ができない
  • ザガーロと初期脱毛の因果関係は不明。副作用ではないと考えられている

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