爪水虫は完全に治さない限りどんどん広がり、一生水虫と付き合わなくてはならなくなります。
しかし、爪水虫の完治は難しく10%~20%程度だといわれています。
ただ、爪水虫の完治が難しいのは病気の問題だけではありません。
爪水虫に対する知識不足が完治を難しくしています。
「薬の使い方」や「爪水虫との付き合い方」をまちがえなければ、根気よく「クレナフィンを必要期間使い続ける」ことができれば、爪水虫は治るはずです。
爪水虫の知識をフォローアップしながら、クレナフィンの使い方と使用期間を解説します。
※爪水虫は通称名です。正式名称は爪白癬(つめはくせん)です。
クレナフィンとは
クレナフィン(正式名称:クレナフィン爪外用液10%)は爪水虫への効果が認められた日本初の塗り薬です。
2014年9月発売
クレナフィンは爪水虫に効果を発揮する2つの工夫があります。
- ケラチンとの親和性を低くする
- 主成分エフィナコナゾールを高濃度化
クレナフィンは次の方を中心に使われています。
- 爪水虫の飲み薬を飲めない方
- 飲み薬を増やしたくない方
- 血液検査を嫌う方
クレナフィンの使い方(塗り方)
クレナフィンの使い方は簡単です。
1日1回入浴後に爪の水気をふき取ってから、クレナフィンを爪全体に塗るだけです。
<ルコナックの使い方>
- 爪水虫を石鹸で洗って、よく乾燥させる
- クレナフィンを下に向けて、薬をハケに浸透させる(特に開封初回)
- 爪水虫の爪全体にクレナフィンを使う
- 爪と皮膚の境界、爪先の中もしっかり塗る
- 皮膚に付いたクレナフィンをティッシュでふき取る
(皮膚につくと副作用の原因になる)
使い方のポイントを見ていきましょう。
使い方のポイント1: ハケを使って爪全体に使う
クレナフィンの先端にはハケがあります。
出典:科研製薬HP(一部改編)
クレナフィンの側面を押すと、液がハケに染み渡ります。
ハケを使って爪水虫になっている全ての爪全体に塗ります。
使い方のポイント2: 爪と皮膚の境界、爪先にも使う
爪と皮膚の境界、爪先の中にも水虫菌はひそんでいます。
もれなくクレナフィンを塗ります。
出典:科研製薬HP(一部改編)
使い方のポイント3: 使用量
変形、変色している爪全体が光るくらいクレナフィンを塗りこみます。
出典:科研製薬HP(一部改編)
爪水虫以外の爪にクレナフィンを使ってはいけません。
関係のない指にクレナフィンがついた場合は、かぶれの副作用を起こすからです。
『ルコナックが爪水虫に効かない3つの理由 その使い方では効果なし』
また、「クレナフィン1本で何日分?」という質問も良く受けますが、塗る爪の本数で使う量が違います。
何とも答えられません。
クレナフィンの使用期間
クレナフィンを1本使って、それで満足して病院を受診しなくなる方もいます。
しかし、1本使っても爪水虫は全く治りません。
なぜなら、クレナフィンには、変形、変色した爪を直接治す効果はないからです。
水虫爪が押し出されて新しい健康爪に生え変わるまでの期間、クレナフィンを塗り続けなくてはなりません。
出典:爪白癬治療の心得
水虫爪が生え変わる期間は、手の爪で半年〜1年、足の爪で1年〜1年半といわれています。
そのため、クレナフィンの使用期間の目安はこうです。
- 手爪水虫の使用期間:1年程度
- 足爪水虫の使用期間:1.5年程度
爪水虫の治療には長い治療期間が必要です。
爪水虫は1年から1年半が治療期間の目安ですが、2年の治療期間をついやしても完治しない方も多いです。
その理由はこちらの記事で解説しています。
『爪水虫の症状と治らない3つの理由 正しい治療法とは?』
クレナフィンの効果発現期間
爪水虫は長い治療期間が必要であることがわかりましたね。
さらに、クレナフィンは36週をさかいに急激に効いてくる特徴があります。
縦軸:完全治癒率
横軸:使用期間
出典:科研製薬HP(一部改編)
クレナフィンの効果はこちらをチェック!
『クレナフィンの効果はイマイチ?効かないとのうわさの真相は?』
クレナフィンを使い忘れたときは?
クレナフィンを使い忘れることもあるのでしょう。
使い忘れたときに、いつもの2倍量のクレナフィンを塗ると、かぶれの副作用の原因になります。使い忘れてもいつもの量を塗りましょう。
入浴後にクレナフィンを使っている場合
- 寝る前にクレナフィンの使い忘れをを思い出したら、そのとき塗って次の日はいつもどおり入浴後に塗ります。
- 次の日に昨日クレナフィンを使ってないのを思い出したら、今晩忘れず入浴後に塗ります。
クレナフィンの使用期限
クレナフィンは開封するまでは、容器に記載の使用期限まで使えます。
ただし、クレナフィン開封後の使用期限は4週間です。
→使用期限は12週間に延長されました。(2018年9月追記)
クレナフィンは薬価(値段)が高いのがネック
クレナフィンは日本初の爪水虫専用塗り薬です。そのため薬価(薬の値段)は高いです。
爪水虫の薬 | 薬価 (1錠or1本) |
1日量 | 28日薬代 | 3割負担 |
---|---|---|---|---|
イトリゾール (飲み薬) |
354.2 | 8 | ¥19,835 | ¥5,950 |
ラミシール (飲み薬) |
184.2 | 1 | ¥5,158 | ¥1,550 |
クレナフィン | 5900.7 | – | ¥11,801 | ¥3,540 |
- イトリゾールは1日8錠を1週間服用して3週間休む。それを3回繰り返す
- ラミシールは毎日1回1錠服用
- クレナフィンは1本14日分で換算
イトリゾールとラミシールはこちらをチェック!
『爪水虫薬 ラミシール VS イトリゾール 効果と副作用』
クレナフィンの値段が高くて薬代がキツイ方は、ルコナックに変更すれば1本あたり700円ほど安くなります。(3割負担)
『ルコナックとクレナフィンを徹底比較!効果、副作用、使い方、薬価』
ただし、クレナフィンは1回の処方本数に制限がありませんが、ルコナックは2017年4月末までは、1回1本の処方制限があります。
(健康保険ではクレナフィン・ルコナック1本14日分と換算します)
薬の処方制限はこちらを参照しよう。
『麻薬、向精神薬、新薬、湿布には処方日数制限がある』
まとめ
- クレナフィンは、爪水虫の効果が認められた日本初の塗り薬
- クレナフィンの使い方(塗り方)は簡単。1日1回入浴後に使うだけ
- ハケを使って爪水虫全体(さかい目、爪中も)に塗る
- ただし、皮膚に付いたらティッシュでふき取ること
(副作用に原因になる) - クレナフィンの使用期間の目安は、半年から1年半
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