爪水虫(爪白癬)の塗り薬クレナフィン 効果、副作用、使い方、飲み薬との併用

女性の爪

爪水虫は爪の奥の方に潜んでいるため、飲み薬(イトリゾール、ラミシール)しか効果がありませんでした。

しかし、イトリゾールは、他の薬との飲み合わせに気を使い、ラミシールは肝臓に負担をかけ、爪水虫の治療が思うように進まないことがあります。

そのため、爪水虫に効果がある塗り薬の発売が望まれていました。

クレナフィンは、2014年9月に発売された、爪水虫への効果が認められた日本初の塗り薬です。

クレナフィンは、次のような方を中心に使用され、一般の方にも知られるようになってきました。

  • 爪水虫の飲み薬を続けられない方
  • これ以上飲み薬を増やしたくない方
  • (肝臓への薬の影響を調べる)血液検査を嫌う方

※爪水虫は通称名で、正式名称は、爪白癬(つめはくせん)です。

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爪水虫(爪白癬)

爪水虫を自然に治すのは、相当な根気がいります。

たいていの爪水虫はかゆみが出ませんが、放置しておくと、爪が分厚くなったり、色が変わったり、変形してきたりします。

それが原因で、痛み出るようになり、ようやく皮膚科の受診につかがります。

一般的に、水虫の完治は難しく、10%程度だといわれています。
完治させない限り、夏になったらまた水虫が発生します。

そして、一生水虫と付き合わなくてはならなくなります。

市販、医療用の液剤は爪水虫に効果なし

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医療用の液剤の塗り薬には、ルリコン、アスタット、メンタックスなどがあります。
市販では、ラミシール、ブテナロック、ピロエース、ダマリンあたりが有名でしょうか。

クレナフィンが発売されるまでは、ルリコン、アスタット、メンタックスの液剤の塗り薬や市販を爪に使用することがよくありました。

これらの液剤の塗り薬や市販は、爪の奥に浸透しないため、爪水虫には効果はありません。

爪への浸透力を高め、爪水虫に効果がある塗り薬が、クレナフィンです。

クレナフィンの使い方(塗り方)

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1日1回、入浴後に爪の水気をふき取ってから、クレナフィンを爪に塗ります。

クレナフィンの先端にはハケがついています。

クレナフィンのハケの使い方(塗り方)

出典:科研製薬HP(一部改編)

クレナフィンの側面を押すと、薬液がハケに染み渡ります。

変形、変色している爪全体に光るくらいクレナフィンを塗りこみます。
そのとき爪の中と皮膚の境い目にも塗り込みます。

クレナフィンを爪全体と爪の中、皮膚の境い目に塗布

出典:科研製薬HP

爪水虫以外の爪にクレナフィンは使用してはいけません。

関係のない指にクレナフィンがついた場合は、かぶれの原因になるのでしっかりと拭き取ります。

クレナフィンの使用期限

クレナフィンは開封するまでは、容器に記載の使用期限まで使えます。

ただし、クレナフィン開封後の使用期限は4週間です。

使用期限4週間の理由は承認前の苛酷試験(約60度、暗所、4週間)で、添加物であるエタノール減少に伴う質量減少などが起こったからです。

通常の保存状態では、4週間で上記のようなことが起こらないと思いますが、苛酷試験4週間で状態が変化したため、開封後の使用期限が設けられています。

爪水虫の治療期間:クレナフィンはいつまで使う?

爪水虫の治療には相当な治療期間がかかります。

クレナフィンが1回処方されて来なくなる方もいますが、1本クレナフィンを使って爪水虫の治療は終了ではありません。

クレナフィンには、変形、変色した爪を治す効果はないため、変形、変色した爪が押し出されて、新しい健康な爪に生え変わるまでクレナフィンを使い続けます。

爪が生えかわる期間は、手の爪で半年〜1年、足の爪で1〜1年半といわれています。

  • 手の爪の治療期間:1年程度
  • 足の爪の治療期間:1.5年程度

これが治療期間の目安になりますが、2年の治療期間を要しても完治しないと言う方も多くいます。(後述:クレナフィンの効果)

クレナフィンを塗ってから爪水虫が完治するまでの爪の様子

出典:爪白癬患者さんのための「爪白癬治療の心得」

クレナフィンを使い忘れたら

爪水虫の治療期間は長期間であることがわかっていただけたと思います。

その間には、クレナフィンの使い忘れもあるのでしょうか。

使い忘れの次に、いつもの2倍量のクレナフィンを使用すると、かぶれの副作用の原因になります。次も、いつもの量を使用します。

入浴後にクレナフィンを使用している場合で

  • 寝る前にクレナフィンを使ってないのを思い出したら、そのとき使用して、次の日はいつもおどり入浴後に使用します。
  • 次の日に、昨日クレナフィンを使ってないのを思い出したら、今晩忘れず入浴後に使用します。

クレナフィンを中止後の持続効果

手持ちのクレナフィンを欠かさず使用することは大事ですが、クレナフィンを切らして、何日か使用できないこともあると思います。

「何日クレナフィンを使用しなかったら効果がなくなるか」

という明確な基準は見当たりませんが、連続4週間クレナフィンを使用して2週間塗らなかった場合、爪の中のクレナフィンの濃度は半分程度になります。

クレナフィンのできるだけ早い再開が重要です。

足の親指の爪水虫の爪内濃度(μg/g)

2週 5.31±4.0
4週 5.78±4.4
6週
(中止後2週間後)
3.16±3.4

クレナフィンのインタビューフォームから抜粋

クレナフィンの効果(爪水虫の完治率と有効率)

足親指の爪水虫に、
クレナフィンとプラセボ(偽薬)を、1日1回寝る前に連続48週間塗布して、52週目に効果を比較した試験の結果があります。(国際共同第Ⅲ相臨床試験)

国際共同第Ⅲ相臨床試験

クレナフィン プラセボ
完全完治 17.8% 3.3%
完治 26.4% 7.0%
ほぼ完治 55.2% 16.8%
有効 35.7% 11.7%
完全完治
感染面積が0%で、顕微鏡検査と培養検査で水虫菌が見つからない
完治
感染面積が5%以下で、顕微鏡検査と培養検査で水虫菌が見つからない
ほぼ完治
顕微鏡検査と培養検査で水虫菌が見つからない
有効
感染面積が10%未満

クレナフィンとプラセボの比較試験の結果(グラフ)

爪水虫の完全完治は、いかに難しいかがわかります。

クレナフィンの副作用

ほとんどの副作用は、クレナフィンが関係のない皮膚についたことが原因で起こります。

水虫の塗り薬は、他の塗り薬と比べると、かぶれの副作用が起こる頻度が高いです。

しかし、水虫の塗り薬としてのクレナフィンの副作用頻度は高くなく、基剤のエタノールなどが、かぶれ等の原因だと思います。

1,227例を対象にした第Ⅲ相試験(国際共同及び海外試験)の副作用報告

副作用上位3つ
皮膚炎 2.1%
水ぶくれ 1.5%
赤く腫れる 0.7%
合計 6.4%

クレナフィンの薬代は高い

クレナフィンは、日本初の爪水虫の塗り薬のです。薬代は高いです。
ただ、爪水虫の飲み薬はもっと高い薬もあります。

爪水虫の薬 薬価(1錠
or1本)
1日服用量 28日薬代 3割負担
イトリゾール 354.2 8 ¥19,835 ¥5,950
ラミシール 184.2 1 ¥5,158 ¥1,550
クレナフィン 5900.7 ¥11,801 ¥3,540
  • 爪水虫の場合、イトリゾールは1日8錠を1週間服用して、3週間休む。
    それを3回繰り返す
  • クレナフィンは、1本14日分で換算

爪水虫(爪白癬)の塗り薬ルコナックとクレナフィンの比較 効果、副作用、使い方(塗り方)
2016年4月、爪水虫に効果がある2番目の塗り薬ルコナックが発売されました。クレナフィンとは先端部分の形が異なるため、若干使用方法が違います。

クレナフィンが高くて薬代がつらい方は、ルコナックに変更すれば割負担の方で、1本あたり700円ほど安くなります。

ただし、クレナフィンは1回の処方本数に制限がありませんが、ルコナックは2017年4月末までは、1回1本の処方制限があります。
(健康保険ではクレナフィン1本、ルコナック1本は14日分と換算します)

爪水虫の飲み薬(イトリゾール、ラミシール)と塗り薬(クレナフィン、ルコナック)の併用

腰が痛い時、貼り薬のロキソニンテープを貼る。さらに飲み薬のロキソニンを服用する。
併用は普通に行われます。

しかし、爪水虫の飲み薬(イトリゾール、ラミシール)と塗り薬(クレナフィン、ルコナック)の併用は行われていません。

爪水虫の飲み薬と塗り薬が併用されない理由1

爪水虫の飲み薬(イトリゾール、ラミシール)と塗り薬(クレナフィン、ルコナック)の作用の仕方は同じですが、併用すれば、相乗効果はあるかもしれません。

しかし、爪水虫の塗り薬は、次のような方のために開発された薬でしたね。

  • 爪水虫の飲み薬を続けられない方
  • これ以上飲み薬を増やしたくない方
  • (肝臓への薬の影響を調べる)血液検査を嫌う方

爪水虫の塗り薬と飲み薬と併用していたら、クレナフィン、ルコナックの開発意義がなくなります。

爪水虫の飲み薬と塗り薬が併用されない理由2

爪水虫の飲み薬(イトリゾール、ラミシール)と塗り薬(クレナフィン、ルコナック)は、どれも薬代が高いです。

おかしな話ですが、高い薬の併用は健康保険で切られる(保険が使えない)可能性があります。

健康保険で切られてしまうと、病院や薬局の損害になります。

まとめ

  1. クレナフィンは、爪水虫の効果が認められた日本初の塗り薬
  2. ルリコン、アスタット、メンタックスなどの液剤の塗り薬、ラミシール、ブテナロック、ピロエース、ダマリンなどの市販は、爪水虫に効果なし
  3. 爪水虫の完治には、半年から1年半程度かかる(治療期間は長い)
  4. クレナフィンは、プラセボと効果を比較すると、明らかに有効
  5. クレナフィンは高い
  6. 爪水虫の飲み薬(イトリゾール、ラミシール)と塗り薬(クレナフィン、ルコナック)は、併用されない