爪水虫(爪白癬)の症状と治らない3つの理由 正しい治療法とは?

足水虫は、かかとがガサガサしてきたり、指と指の間がじゅくじゅく・カサカサしてきたりして、かゆみや痛みの症状が有名です。

しかし、爪水虫はほとんどのかゆみなどの自覚症状がありません。

  1. 知らない間に誰かから感染して、
  2. 気づかない間に爪全体に感染が広がり、
  3. 爪が分厚くなったり、色が変わったり、変形したりするという症状が出てきて、
  4. 初めて爪水虫だと気が付きます。

通常の水虫もなかなか治らないですが、

特に爪水虫は飲み薬や塗り薬をしっかりつかっていたとしても、相当根気よく治療しないと治らない厄介な皮膚病です。

※爪水虫は通称名で、正式名称は爪白癬(つめはくせん)です

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爪水虫の症状

爪水虫を放置しておくと3つの症状が出てきます。

  1. 爪が厚くなる(爪肥厚)
  2. 爪が黄色白色に変わる(爪変色)
  3. 爪が変形する(爪変形)

これらの症状が原因で、靴を履くと痛みの症状が出るようになり、歩くのが億劫になってきます。

爪水虫はかゆみの症状はなく、爪水虫から足水虫に移行したときに、水虫特有のかゆみ症状が発生します。
(ただし、足水虫もかゆみ症状が出ないことが多い)

爪水虫は間違えられやすい

爪水虫と間違えられやすい病気

出典:科研製薬HP

どちらが爪水虫だと思いますか?

爪が厚くなる、黄色に変わるなどの症状出ているため見た目は爪水虫のように見えます。

しかし、どちらも爪水虫ではありません。

爪水虫を疑って皮膚科を受診しても「爪水虫ではない」と言われることも少なくありません。

爪水虫が治らない理由1
誤診

爪水虫の主な症状は、次の3つでしたね。

  1. 爪が厚くなる(爪肥厚)
  2. 爪が黄色白色に変わる(爪変色)
  3. 爪が変形する(爪変形)

今は少なくなったと思いますが、爪の症状を見ただけで「爪白癬」と診断されることがありました。

先述のとおり、爪水虫に似た症状を起こす病気はあり、皮膚科専門医でも見ただけでは診断をくだせません。

診断が間違っていれば、爪水虫の治療が始まらないので治らないのは当然です。

爪白癬と診断するときは、必ず顕微鏡で水虫菌を検査するか、培養するかしなくてはならないルールです。

かかと水虫を疑って受診しても、ただのひびわれの場合も多々あります。

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多くの女性を悩ませている冬の足トラブルのひとつが、かかとひび割れです。かかとの角質ケアの塗り薬はケラチナミンが有名ですが、皮膚科ではサリチル酸ワセリンを使用することも多いです。

爪水虫が治らない理由2
治療法が間違っている
(爪水虫に効果がない塗り薬の使用)

水虫の塗り薬は、ルリコン、ラミシール、ニゾラールなどがあり、
クリーム、軟膏、などの剤形があります。

ルリコンクリーム、ルリコン軟膏、ルリコン液

液剤はカサカサの指間型足水虫で使用されることが多い薬です。

クレナフィンルコナックという爪水虫専用の塗り薬が発売されるまでは、ルリコン、ラミシール、ニゾラールの液剤を爪に使用する医師がいました。

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ルリコンの効果、副作用、塗り方使い方を中心に解説します。2016年に発売された爪水虫専用塗り薬ルコナックとルリコンの関係にも触れます。

ルリコン、ラミシール、ニゾラールの液剤は、爪の周りの皮膚に付着した水虫には効果があります。

しかし、爪水虫は皮膚や爪の表面ではなく、爪の奥に潜んでいます。

ルリコン、ラミシール、ニゾラールの液剤は爪には浸透しないため、爪水虫には効果がなく治りません。

これらの液剤の爪水虫への使用は間違った治療法です。

爪への浸透力を高めた爪水虫専用の塗り薬が、クレナフィンルコナックです。

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2016年4月、2番目の爪水虫塗り薬ルコナックが発売されました。クレナフィンとは先端部分の形が違うため、若干使用方法の相違があります。

爪水虫が治らない理由3
完治前に薬を自己判断で中止する

爪水虫薬は完治前に中止すると治らない

爪水虫の飲み薬や塗り薬は、爪水虫を殺菌する作用はありますが、厚い爪や変色した爪を直接治す作用はありません。

爪水虫(爪白癬)飲み薬 ラミシール VS イトリゾール 効果と副作用
ラミシールは肝臓に負担をかけ、イトリゾールは併用薬に気を使い、爪水虫の治療が思うように進まないこともあります。優劣を付けにくいのが爪水虫の飲み薬です。

爪が生え変わる期間は、手の爪で半年〜1年足の爪で1年〜1年半といわれています。

厚くなったり色が変わった爪がなくなり、新しい爪に生え変わるまで、
根気よく治療を続けることが、正しい爪水虫の治療法です。

爪水虫が完治するまでの爪が生え変わる様子

出典:爪白癬患者さんのための「爪白癬治療の心得」

水虫症状の季節変動

水虫菌(白癬菌)は高温多湿が好むため、夏になると水虫菌の活動が活発になり、水虫特有の症状が出てきます。

爪水虫が飛び火して足水虫となるときもあります。
(足水虫→爪水虫もあります)

足水虫の中でも趾間型水虫は、皮がむけたりじゅくじゅくして猛烈なかゆみ症状におそわれます。

そこへ黄色ブドウ球菌などが感染すると、膿が発生してひどい症状になることがあります。

このようなひどい水虫は、水虫治療に入る前に抗生物質やステロイド軟膏で細菌感染や炎症を抑える必要があります。
(水虫塗り薬を使うと、余計に腫れがひどくなることが多い)

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とびひにステロイドを含む軟膏(テラコートリル、リンデロンVGなど)を使う医師もいます。絶対に使わない医師もいます。とびひにステロイドを軟膏を使ったら悪化しました。なぜでしょう?

逆に、冬は爪水虫の活動は抑制されます。

それを完治と自己判断して、爪水虫の薬を止めてしまうと永遠に治らないです。

そして、夏になるとまた水虫菌は活動を活発になり、症状が悪化していきます。

爪水虫も足水虫も、医師がOKを出すまで根気よく薬を使い続けるのがコツです。

爪水虫は完治率が低い

次のグラフは、爪水虫の塗り薬クレナフィンを足の親指に連続塗布したときの完全完治率の推移です。

クレナフィンの効果(完全完治率のグラフ)

出典:科研化学HP

完全完治
感染面積が0%で、顕微鏡検査と培養検査で水虫菌が見つからない

爪水虫の塗り薬で約1年間治療を続けてとしても、完全完治率は20%以下です。

80%の方は爪水虫は完全には治らないのです。

爪水虫(爪白癬)の塗り薬クレナフィン 効果、副作用、使い方、飲み薬との併用
爪水虫は飲み薬(イトリゾール、ラミシール)で治療するしかありませんでした。2014年クレナフィンが発売され、「塗って治す」という選択が増えました。

まとめ

  1. 通常の水虫もなかなか治らないが、特に爪水虫は飲み薬や塗り薬で治療してもなかなか治らない
  2. 爪水虫と似た症状の皮膚病がある
  3. 見た目だけでは爪水虫と診断はできず、必ず顕微鏡で水虫菌を検査するか、培養して判断しなくてはならない
  4. ルリコン、ラミシール、ニゾラールの液剤を爪に使用されることがあるが、爪水虫には効かない(治らない)
  5. 水虫菌夏になると活発になり、冬になるとしずまる
  6. 冬に症状がなくなり薬を中止すると、永遠に水虫は治らない

爪水虫の治療のコツ

  1. 医師に爪水虫と言われれば、かゆい症状がなくても爪の奥に水虫菌が潜んでいる
  2. 爪水虫の治療中は、完治前に薬を自己判断で中止してはならない
  3. 爪水虫の治療は長期戦
  4. 爪水虫の完治率は低い
    (なかなか治らない)