病院で診察を受ける時間がないに限って急な肩こり首の痛み、関節痛、筋肉痛などが起こることがあります。
病院用の薬と市販薬では、似た薬の名前でも、成分量、使用法が違う場合は多々あります。
しかし、
病院で使用しているボルタレンテープ、ゲル、ローションと全く同じ薬が、ドラッグストアなどで市販されています。
ボルタレンテープ15mg(病院用)とボルタレンEXテープ(市販)
病院用と市販のボルタレン湿布(テープ)の違いを見ていきましょう。
主成分 | 1枚中にジクロフェナクナトリウム15mg |
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用途 | 肩の痛み、関節痛、筋肉痛、手、手首の痛み(腱鞘炎)、打撲、捻挫、 肘の痛み(テニス肘) |
用法、用量 | 1日1回患部に貼付する (ボルタレンEXテープのみ:1回2枚まで) |
1枚の大きさ | 7cm×10cm |
添加物 | 脂環族飽和炭化水素樹脂、スチレン、イソプレン、流動パラフィン、 スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、N‐メチル‐2‐ピロリドン、 ジブチルヒドロキシトルエン、l‐メントール その他2成分 |
製造販売 | 同仁医薬化工株式会社 |
販売 | ノバルティスファーマ株式会社 |
ボルタレンテープ15mgとボルタレンEXテープの違いは、デザインと1回あたりの使用枚数の上限の有無です。
病院用と市販のボルタレンゲル、ボルタレンローションも、おもな違いはデザインです。
ボルタレンシリーズ 病院用と市販の比較表
ボルタレンテープ15mg
ボルタレンローション1%
ボルタレンゲル1%
病院用 | 市販 | 大きさ 用量 |
用法 | 特記事項 |
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ボルタレンテープ15mg | ボルタレンEXテープ | 7cm×10cm | 1日1回貼付 | 市販のみ 1回2枚まで |
ボルタレンテープ30mg | ボルタレンEXテープL | 10cm×14cm | 1日1回貼付 | 市販のみ 1回1枚まで |
ボルタレンローション1% | ボルタレンACローション | 50g | 1日3~4回塗布 (2.3回重ね塗り) |
市販のみ メントール配合のEX販売 |
ボルタレンゲル1% | ボルタレンACゲル | 50g | 1日3~4回塗布 (肩肘膝:2~3cm)(腰:3~5cm) |
市販のみ メントール配合のEX販売 |
なし | ボルタレンEXスプレー | 90g | 1日3~4回 噴射塗布 |
市販のみ販売 |
ボルタレンテープ、ボルタレンローション、ボルタレンゲルの効果は同等
ボルタレンテープ、ボルタレンローション、ボルタレンゲルは、生物学的同等性試験で、生物学的同等性が証明されています。そのため、一定条件で効果は同じです。
使用感(好み)と塗る場所で、好きなボルタレンを選択できます。
主にジェネリックと先発品の効果の同等性の証明に行われる試験です。
主成分が同じ場合、「血中に入る薬の速度(吸収速度)と量(薬物濃度)が同等である」ことを示せば、効果は同等であるとうたえます。
ボルタレンテープがおすすめの方
ボルタレンテープは、パップ(分厚い従来の湿布)と比べると、関節部分に貼ってもはがれにくくできています。
かぶれないならば、1日1回貼り替えるだけで効果が持続する湿布タイプ(テープ)をおすすめします。
ボルタレンテープは肩にもしっかり貼れます。
肩こりには湿布タイプ(テープ)が使いやすいです。
ボルタレンローションがおすすめの方
ボルタレンローションは、手を汚さずに使えるのが特徴です。
首など、湿布タイプを貼ると目だって恥ずかしいですね。ボルタレンローションは首の痛みなどにおすすめです。
ボルタレンローションとボルタレンゲルは、湿布タイプと効果は同等でした。
しかし、湿布タイプ(テープ)は肌へ密着しているため、絶えず主成分ジクロフェナクを肌へ吸収させることができますが、
ローションタイプやゲルタイプは、1回塗っただけでは成分がはがれおちてきます。
1日4回程度ボルタレンローション、ボルタレンゲルを塗って、初めてボルタレンテープと効果です。
夏は薄着のため、肩こり首の痛みで湿布を貼ると目立ちます。夏の肩こり首の痛みは、ローション、ゲルがいいかもしれません。
ただし、肩こり首の痛みにボルタレンテープではなく、ボルタレンローションを塗るのであれば、朝、昼、夕、寝る前と塗らなくてはいけませんね。少し面倒です。
ボルタレンゲルがおすすめの方
ボルタレンゲルは伸びがよく、べたつきが少ないのが特徴です。
湿布タイプを膝、肘の関節部分に貼るとはがれる方は、ボルタレンゲルを膝、肘にサッと塗ります。
あまり擦りすぎると白いアカの様なものが出てきますが指、手などにも目立たず塗ることができます。
ロキソニン湿布もついに発売!
出典:第一三共HP
ロキソプロフェンナトリウムを主成分とした市販外用薬が、2015年5月に要指導医薬品として販売承認が得られました。
ロキソニンSブランドとして3種類の製剤が発売予定です。→気付かぬ間に発売(2016年9月16日第一三共のHPで確認)。
「ボルタレンで決まり!肩こり首の痛みの湿布、ゲル、ローションの市販」というタイトルをつけたものの強力なライバルが発売されてしまいました。
ロキソニンS市販外用薬は、主成分のロキソプロフェンはもちろん、添加物まで病院用と同じです。
ボルタレンシリーズと同じように、ロキソニンパップ、ロキソニンテープ、ロキソニンゲルも、一定条件で効果は同等です。
- ロキソニンSパップ
- ロキソニンSテープ
- ロキソニンSゲル
まとめ
- 病院用と市販のボルタレンシリーズの違いはデザイン
- 市販のボルタレンテープのみ、1回2枚までの使用枚数上限がある
- ボルタレンシリーズは、テープ、ゲル、ローションのどれを選択しても効果は同等
- ただし、ゲルとローションは、テープと同じ効果を期待するならば、1日4回程度塗る必要がある
- 肩こりにはテープが使いやすい
- 首の痛みや、膝、肘の関節部分は、ローションかゲルが使いやすい
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