ものもらい(麦粒腫)で使う抗菌目薬クラビット、ガチフロ、ベガモックスを花粉症に使う理由

花粉症の目の3大症状は目のかゆみ充血涙が出るです。
このような花粉症の目の症状で、一番最初に使用されるのは抗アレルギー目薬です。

花粉症の目のかゆみなどで手で目をこすったりしていると、細菌が感染して目がべとべとになったり、ものもらいのように腫れたり、眼脂(めやに)が出たりすることもあります。

花粉症に細菌感染が合併した目の症状に頼りになるのが、ものもらい(麦粒腫:ばくりゅうしゅ)でも使用するクラビット、ガチフロ、ベガモックスなどの抗菌目薬です。

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抗菌目薬(ものもらい目薬)を花粉症治療に使う理由

花粉症の症状が目に出たとき、かゆくなり、しょぼしょぼしてきます。

目のかゆみ →こする →粘膜が傷つく
→さらにこする →細菌感染症(ものもらい様)

花粉症の目の症状が悪化すると、
アレルギー性結膜炎にプラスして細菌性結膜炎となり、目がべとべとになったり、ものもらいのように腫れたり、充血したりする場合があります。

細菌性結膜炎に使う目薬が、主に「ニューキノロン系抗菌目薬」と呼ばれる抗菌目薬、クラビットガチフロベガモックスです。

抗菌目薬(ものもらい目薬)
クラビット、ガチフロ、ベガモックスの違い

抗菌目薬クラビット、ガチフロ、ベガモックスの分かりやすい違いは、耐性菌の数でしょう。

クラビット点眼液

「クラビット」何となく聞き覚えはありませんか?
飲み薬のクラビットは、風邪などで飲んだことありませんか?

クラビットは、日本では使用頻度の高いニューキノロン系抗菌薬です。

適正に抗菌薬が使用されない場合、使用の頻度が高いということは耐性菌が発生する確率が高くなります。

そのため、ものもらいにクラビット点眼液を使っていた医師の中には、ガチフロ点眼液やベガモックス点眼液などの他のニューキノロン系抗菌目薬に変更したという話も聞いたことがあります。

抗菌目薬(ものもらい目薬)
クラビット、ガチフロ、ベガモックス

ものもらいや花粉症で使う抗菌目薬(クラビット、ガチフロ、ベガモッックス)

ものもらいや花粉症で使う抗菌目薬

抗菌目薬  有効成分 濃度 2016年
1本薬価
クラビット点眼液 レボフロキサシン 0.5% 544円
1.5% 580円
ガチフロ点眼液 ガチフロキサシン 0.3% 645円
ベガモックス点眼液 モキシフロキサシン 0.5% 652.5円

クラビット点眼液の濃度違いによる1本薬価がほとんど変わりませんが、間違いではありません

クラビット1.5%の方が効果があるため、眼科ではクラビット1.5%にシフトしてきています。
(クラビットの効果は後述)

ベガモックスの有効成分モキシフロキサシンは、「アベロックス」という名前で内服薬として販売されています。

目薬クラビット、ガチフロ、ベガモックスの使い方

抗菌目薬クラビット、ガチフロ、ベガモックスの標準的な使い方は、ものもらいや細菌性結膜炎を起こしている目に1日3回1回1滴点眼です。

抗菌目薬の成分そのものに抗菌作用があるため、防腐剤は無添加です。

花粉症目薬(抗アレルギー点眼液)パタノール、アレジオン、ザジテン、リボスチン
花粉症による目のかゆみや充血の症状には抗アレルギー目薬(パタノール、アレジオン、ザジテン、リボスチン…)が使用されますが、値段が高いのがネックです。

目薬クラビット、ガチフロ、ベガモックスはいつまで使う?

抗菌目薬の添付文書には次のような記載があります。

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること

クラビット、ガチフロ、ベガモックスの安全性試験(反復投与試験など)は、大部分が1回1滴、1日3回、14日間で行われており、14日までの点眼は問題ないことが考えられます。

ただ、非常に難しい問題ですので、医師に直接確認するのがベストです。

目薬クラビット、ガチフロ、ベガモックスの効果

クラビット、ガチフロ、ベガモックスなどの抗菌目薬は次の目の病気などに効果があります。

  • 麦粒腫(ものもらい、関西では「めばちこ」)
  • 眼瞼炎(がんけんえん:まぶたの炎症)
  • 涙嚢炎(るいのうえん:涙が流れる管の炎症)
  • 結膜炎(けつまくえん:白目の炎症、充血)
  • 角膜炎(かくまくえん:まぶたの裏の炎症)

花粉症の症状が悪化したときの細菌性結膜炎にも効果を発揮します。

目薬クラビット、ガチフロ、ベガモックスの副作用

抗菌薬の飲み薬とは異なり、抗菌目薬独特の副作用はありません。

抗菌目薬の点眼による、目への刺激感、腫れ、充血、かゆみなどの副作用が起こることがあります。

目薬が喉に流れた場合、苦みの副作用が起こる場合もあります。

クラビット点眼液1.5%

高濃度抗菌目薬クラビット点眼液1.5%発売へ

先述の通り、クラビットは使用頻度が高いため耐性菌が問題です。

最近の研究では、安全性に問題がない限り、抗菌剤濃度を最大限に高めた目薬が効果が高く、耐性菌の問題もクリアできると考えられています。

そのため、高濃度抗菌目薬が望まれていました。

それを一番に実現した目薬が、クラビット点眼液1.5%(高濃度レボフロキサシン点眼液)です。

クラビット点眼液1.5%発売時、クラビット点眼液0.5%は販売中止になるという噂がありましたが、今のところ継続して販売されています。

クラビット点眼液1.5%の効果

クラビット1.5%は、レボフロキサシンの濃度が0.5%の3倍ですが、点眼回数は1日3回でクラビット0.5%と同じです。

承認前の臨床試験では、ものもらいや花粉症細菌性結膜炎の原因菌(ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌など)へのクラビット1.5%の効果(有効率)は100%です。

クラビット1.5%点眼液インタビューフォームより抜粋

細菌 クラビット点眼液1.5% クラビット点眼液0.5%
ブドウ球菌属 100(98/98) 91.8(157/171)
レンサ球菌属 100(10/10) 95.8( 23/24 )
肺炎球菌 100(25/25) 94.7( 18/19 )
腸球菌属 100( 4/4 ) 87.5( 7/8 )
コリネバクテリウム属 100(79/79) 86.2( 25/29 )
クレブシエラ属 100( 2/2 ) 85.7( 6/7 )
エンテロバクター属 100( 2/2 ) 100( 4/4 )
セラチア属 100( 2/2 ) 100( 3/3 )
プロテウス属 100( 2/2 ) 75.0( 3/4 )
インフルエンザ菌 100(17/17) 100( 10/10 )
アシネトバクター属 100( 1/1 ) 94.1( 16/17 )
アクネ菌 100(13/13) 93.0( 40/43 )

抗アレルギー目薬の効果が不十分なとき

【花粉症目薬】ステロイド目薬フルメトロン、リンデロンの効果、副作用、順番
抗アレルギー目薬で、花粉症による目のかゆみと充血症状が治まらない場合は、ステロイド目薬を使うことがあります。ステロイド目薬は、成分とステロイド濃度によって効果と副作用の強弱があります。

抗菌目薬(ものもらい目薬)の市販は?

残念ながら、抗菌目薬クラビット、ガチフロ、ベガモックスの市販薬はありません。

サルファ剤(スルファメトキサゾールナトリウム)を含むロート抗菌目薬、サンテ抗菌目薬などのものもらい目薬が発売されています。

花粉症目薬の市販おすすめ 充血をとらない血管収縮剤フリー目薬3選
花粉症用に多くの目薬が市販されていますが、ダメな目薬も多くあります。ダメな理由と使うべきおすすめの花粉症目薬を3種類+アルファ紹介します。

まとめ

  1. 花粉症の目の症状が悪化すると、アレルギー性結膜炎から細菌性結膜炎になることがある
  2. ものもらい(麦粒腫)で使う抗菌目薬を花粉症で使用する理由は、細菌の感染予防と治療のため
  3. 抗菌目薬の標準的な使い方は、1日3回、1回1滴を点眼
  4. クラビット、ガチフロ、ベガモックスの点眼期間の目安は14日間まで(医師の確認必要)
  5. クラビット1.5%は、0.5%の効果を高め、耐性菌の発現を抑えた抗菌目薬