ものもらい目薬 クラビット・ガチフロ・ベガモックスの違い

花粉症目薬
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「ものもらい」とは、まぶたに細菌(黄色ブドウ球菌が多い)が感染して化膿を起こすことです。

「ものもらい」は地域によっていろいろな呼び方をされていますが、正確に麦粒腫(ばくりゅうしゅ)といいます。

  • 全国的に「ものもらい」
  • 関西では「めばちこ」
  • 西日本では「めいぼ」
  • 中部では「めんぼ、めんぼう」

黄色ブドウ球菌は常在菌(じょうざいきん:健康な人でも持っている細菌)で、普段は感染することがありませんが、まぶたに傷があったり体の抵抗力が落ちたときに感染して「ものもらい」になることがあります。

ものもらいになると、まぶたが赤く腫れ、目のかゆみや異物感を感じるようになります。

そんなときに頼りになる目薬がクラビット、ガチフロ、ベガモックスなどの抗菌点眼薬(本記事では「ものもらい目薬」と記載)です。

クラビット、ガチフロ、ベガモックスの違い

ものもらいや花粉症で使う抗菌目薬(クラビット、ガチフロ、ベガモッックス)

クラビット、ガチフロ、ベガモックスの「効果」「副作用」「処方頻度」「薬価」の違いを解説します。

薬価とは、国が定めた薬の価格のことで、西暦の偶数年の4月に改正されます。

効果の違い

ものもらい目薬はたくさんの種類がありますが、効果の優越を証明するエビデンス(証拠)はありません。

ものもらい目薬は同等の効果があると考えられています。
(ただし、クラビット1.5%>クラビット0.5%)

クラビット、ガチフロ、ベガモックスは、次の目の病気に効果があります。

  • 麦粒腫
  • 眼瞼炎
    がんけんえん:まぶたの炎症
  • 涙嚢炎
    るいのうえん:涙が流れる管の炎症
  • 結膜炎
    けつまくえん:白目の炎症、充血
  • 角膜炎
    かくまくえん:まぶたの裏の炎症

副作用の違い

ものもらい目薬は目立った「副作用の違い」はありません。

ものもらい目薬を点眼すると、目への刺激感、腫れ、充血、かゆみなどの副作用が起こることがあります。

目薬が喉に流れた場合、苦みの副作用が起こる場合もあります。

処方頻度の違い

「クラビット」

  • 聞き覚えはありませんか?
  • 飲み薬のクラビット錠を、風邪で飲んだことありませんか?
    (ただし、クラビット錠はウイルス性の風邪には効果がありません)

(日本では)クラビットは処方頻度の高いニューキノロン系抗菌薬です。

処方頻度が高いということは、クラビット点眼薬は他のものもらい目薬より耐性菌(特定の抗生物質に耐性を持った細菌)の発生率が高いと考えられます。

そのため、ものもらいにクラビット点眼薬を使っていた医師の中には、ガチフロ点眼薬やベガモックス点眼薬などの他のニューキノロン系に変更したという話も聞いたことがあります。

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薬価の違い

クラビット点眼薬の濃度違いの2種類ですが、薬価の違いはありません。安いがゆえによく処方されるのかもしれませんね。

ものもらい目薬 主成分 濃度 薬価
(2018年)
クラビット レボフロキサシン 0.5% 100.8円
1.5%
ガチフロ ガチフロキサシン 0.3% 122.5円
ベガモックス モキシフロキサシン 0.5% 124.8円

クラビット点眼薬1.5%

クラビット点眼薬1.5%発売

処方頻度の違い」で解説した通り、クラビット点眼薬は処方頻度が高いため耐性菌が問題です。

しかしながら、最近の研究では(安全性に問題がない限り)抗菌剤濃度を最大限に高めた目薬が効果が高く、耐性菌の問題もクリアできると考えられています。

そのため、高濃度抗菌成分を含む目薬が望まれていました。

それを一番に実現した目薬が、クラビット点眼薬1.5%(高濃度レボフロキサシン点眼薬)です。

クラビット点眼薬1.5%発売時、クラビット点眼薬0.5%は販売中止になるという噂がありましたが、今のところ継続して販売されています。

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クラビット点眼薬1.5%の効果

クラビット1.5%はレボフロキサシンの濃度が0.5%の3倍ですが、点眼回数は1日3回でクラビット0.5%と同じです。

承認前の臨床試験では、ものもらいの原因菌(ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌など)へ効果(有効率)はなんと100%です。

細菌 クラビット1.5% クラビット0.5%
ブドウ球菌属 100(98/98) 91.8(157/171)
レンサ球菌属 100(10/10) 95.8( 23/24 )
肺炎球菌 100(25/25) 94.7( 18/19 )
腸球菌属 100( 4/4 ) 87.5( 7/8 )
コリネバクテリウム属 100(79/79) 86.2( 25/29 )
クレブシエラ属 100( 2/2 ) 85.7( 6/7 )
エンテロバクター属 100( 2/2 ) 100( 4/4 )
セラチア属 100( 2/2 ) 100( 3/3 )
プロテウス属 100( 2/2 ) 75.0( 3/4 )
インフルエンザ菌 100(17/17) 100( 10/10 )
アシネトバクター属 100( 1/1 ) 94.1( 16/17 )
アクネ菌 100(13/13) 93.0( 40/43 )

クラビット点眼薬インタビューフォームより抜粋

 

ものもらい目薬は花粉症が悪化して起こる細菌性結膜炎でも活躍しています。

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ものもらい目薬の市販は?

残念ながら、クラビット、ガチフロ、ベガモックスの市販はありません。

サルファ剤(スルファメトキサゾールナトリウム)を含むロート抗菌目薬サンテ抗菌目薬などの抗菌点眼薬が発売されています。

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まとめ

  • 「ものもらい」は地域によっていろいろな呼び方があるが、正確に麦粒腫(ばくりゅうしゅ)。
  • 「ものもらい」とは、主に黄色ブドウ球菌がまぶたに感染して化膿を起こす目の病気。
  • ものもらいには、クラビット・ガチフロ・ベガモックスなどの抗菌点眼薬が有効。
  • ものもらい目薬は効果の違いはない。
  • クラビット1.5%は、0.5%の効果を高めて耐性菌の発現を抑えた。

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