爪水虫(爪白癬)の塗り薬ルコナックとクレナフィンの比較 効果、副作用、使い方(塗り方)

男性の爪

爪水虫は爪の奥の方に潜んでいます。
そのため、爪水虫には飲み薬(イトリゾール、ラミシールなど)しか効果がありませんでした。

イトリゾールは、他の薬との飲み合わせに気を使い、ラミシールは肝臓に負担がかかりやすく、思うように爪水虫の治療を続けられなくなることがあります。

2014年9月、爪水虫の塗り薬クレナフィンが発売され、飲み薬を追加したくない方や、爪水虫の飲み薬を継続できない方を中心に使用されています。

そして、2016年4月にルコナックという、2番目の爪水虫の塗り薬が発売されました。

新薬ルコナックとクレナフィンの使い方、効果、副作用を比較を中心に解説します。

※爪水虫は通称名で、正式名称は爪白癬(つめはくせん)です。

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ルコナックはルリコンと同じ成分

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ルリコン(液、クリーム、軟膏)というルリコナゾールを有効成分とする塗り薬が、水虫全般に使用されています。

ルコナックは、ルリコンと同じ成分のルリコナゾールが有効成分です。

ルリコンは爪への浸透がほとんどなく、爪の表面と近くの皮膚にしか効果がありません。もちろん爪水虫の保険適応もありません。

ルコナックは爪水虫専用塗り薬

ルリコンとルコナック

左:ルリコン液
右:ルコナック爪外用液

ルリコン液は1%のルリコナゾールを含む水虫の塗り薬です。

ルコナックは、ルリコン1%のルリコナゾールを5%まで高濃度化し、爪の奥深くまで浸透してとどまるように改良された、爪水虫専用の塗り薬です。

ルコナックの使い方(塗り方)

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1日1回、入浴後に爪の水気をふき取ってから、ルコナックを爪水虫の爪全体に塗ります。

関係のない皮膚にルコナックが付着した場合は、刺激感などの副作用が出る原因になります。拭き取ります。

ここまでは、クレナフィンの使い方と同じです。

ルコナックとクレナフィンの使い方の比較

ルコナックの先端にはハケはない

クレナフィンの先端はハケがあるため、爪全体に塗り広げられます。

クレナフィンのハケの使い方

出典:科研製薬HP

ハケはクレナフィンの特許です。ルコナックにはハケはありません。

ルコナックは下向きにして、先端の突起を爪水虫に押し付けるように使用します。

ルコナックの突起の使い方

出典:佐藤製薬HP(改変)

ルコナックは毎回使用前に空気抜きが必要

クレナフィンは、容器のふたを開けても外観上の変化はありません。

ルコナックは容器のふたを開けると、先端の突起部分からブクブクと泡状の液(空気)が漏れることがあります。

そのときは、ティッシュで先端を拭きます。

ルコナックは、毎回使用前に先端部分を指などで数回押して空気を抜く必要があります。

ルコナックの空気抜きの方法

出典:佐藤製薬HP

いつまでルコナックを使い続けるのか

爪水虫の治療には時間がかかり、完治させるのも難しいです。

ルコナックもクレナフィンと同様に、変形、変色した爪を直接治す効果はありません。
変形、変色した爪が押し出されて、新しい健康な爪に生え変わるまで使い続けます。

爪が生えかわる期間は、年齢や指によって個人差がありますが、一般的には手の爪で半年〜1年、足の爪で1年〜1年半といわれています。

爪水虫が完治するまでの爪の様子

出典:爪白癬患者さんのための「爪白癬治療の心得」

ルコナックとクレナフィン
爪水虫への効果の比較

ルコナックVSクレナフィン

爪水虫(爪白癬)の塗り薬クレナフィン 効果、副作用、使い方、飲み薬との併用
爪水虫は爪の奥の方に潜んでいるため、飲み薬(イトリゾール、ラミシール)しか効果がありませんでした。2014年、爪水虫に効果が認められたクレナフィンが発売され、「塗って治す」という選択が増えました

2番目に発売される薬(ルコナック)は、1番目に発売された薬(クレナフィン)より、効果が期待されます。
そのため比較試験を行い、効果の優越を確認して販売されることが多いです。

効果の比較試験についてはこちらの記事

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どちらも塗り薬ですので、効果の比較は可能です。

しかし、ルコナックの臨床試験期間にクレナフィンは未発売だったため、直接比較試験ができませんでした。
ルコナックとクレナフィンの効果の差は明らかにされていません。

ルコナックはプラセボと比較して、プラセボより効果があることのみ確認されています。

仕方がないので、ルコナックとプラセボ、クレナフィンとプラセボの日本人を対象とした臨床試験の結果を見てみましょう

ルコナックとプラセボの日本人を対象にした効果比較

足親指の爪水虫に、
ルコナックとプラセボを1日1回連続48週間塗布して、効果を比較した試験した結果
(国内第Ⅲ相臨床試験)

ルコナック プラセボ
完全完治 14.9% 5.1%
完全完治
感染面積が0%で、顕微鏡検査と培養検査で水虫菌が見つからない

ルコナックの使用を開始してから、爪を顕微鏡で観察して、爪水虫の存在が確認できなかった割合。
(直接鏡検陰性化率)

ルコナック プラセボ
12週間後 34.9% 22.4%
24週間後 37.4% 33.0%
36週間後 39.9% 34.4%
48週間後 45.4% 31.2%

ルコナックとプラセボの効果の比較グラフ

クレナフィンとプラセボの日本人を対象にした効果比較

足親指の爪水虫に、
クレナフィンとプラセボを1日1回寝る前に連続48週間塗布して、52週目に効果を比較した試験の結果。
(国際共同第Ⅲ相臨床試験のうち日本人患者243例)

クレナフィン プラセボ
完全完治 28.8% 11.9%
完治 35.9% 18.6%
ほぼ完治 57.1% 30.5%
有効 46.7% 23.7%
完全完治
感染面積が0%で、顕微鏡検査と培養検査で水虫菌が見つからない
完治
感染面積が5%以下で、顕微鏡検査と培養検査で水虫菌が見つからない
ほぼ完治
顕微鏡検査と培養検査で水虫菌が見つからない
有効
感染面積が10%未満

クレナフィンとプラセボの効果の比較グラフ-日本人

ルコナックとクレナフィンの臨床試験の結果比較(日本人)

ルコナック プラセボ クレナフィン プラセボ
完全完治 14.9% 5.1% 28.8% 11.9%
効果差 9.8% 16.9%
効果倍率 2.9倍 2.4倍

ただし、ルコナックは塗布48週後、クレナフィンは塗布48週後+4週放置後の判定

効果差:爪水虫の薬とプラセボの効果の差
効果倍率:爪水虫の薬がプラセボに対して何倍完全完治にいたったか

効果差では、ルコナック<クレナフィン
効果倍率では、ルコナック>クレナフィン

効果の優越は不明です。

ルコナックとクレナフィンの副作用の比較

242例を対象にした国内臨床試験の副作用報告

ルコナック クレナフィン
皮膚乾燥 5.4% 皮膚炎 2.1%
皮膚炎 4.1% 水ぶくれ 1.5%
湿疹 2.5% 赤く腫れる 0.7%
合計 18.2% 合計 6.4%

承認前の臨床試験の副作用の報告では、ルコナックはクレナフィンに比べると副作用の頻度が高いです。

水虫の塗り薬の副作用は「かぶれ」が多いですが、ルコナックは乾燥感の副作用が目立ちます。

ルコナックとクレナフィンの値段(価格、薬価)の違い

ルコナックは新薬ですが、クレナフィンと比べると安いです。

爪水虫の薬 1本価格 3割負担
クレナフィン 5900.7 ¥1,770
ルコナック 3492.3 ¥1,050

クレナフィンは値段(価格、薬価)の高い爪水虫の塗り薬です。

しかし、ルコナックはクレナフィンほど高い値段(価格、薬価)が付いていません。
3割負担の方で、1本あたり700円ほど値段が変わってきます。

ルコナックの投与制限(処方制限)

麻薬、向精神薬、新薬、湿布には処方日数(投与)制限がある 薬局規制事項
新薬・麻薬・向精神薬は、体調の変化に気付かず服用を続けた場合、病状を悪化させることがあります。14日・30日・90日の処方制限があります。

ルコナックはルリコンと同じ有効成分(ルリコナゾール)の塗り薬ですが、新薬の投与制限があり、1回につき14日分までしか処方できません。

爪水虫の爪の数によって使用量は異なるのですが、ルコナックは1本が14日分と数えます。

ルコナックは、2017年4月末まで1回1本のみの投与制限です。

ルコナックの評判

クレナフィンを毎回1本のみ処方されていた方の、ルコナックの評判はいいです。

  • 薬代が安くなってうれしい
  • ルコナックの説明を受けた時は使いにくいかと思ったが、特に問題はない

クレナフィンを毎回2本以上の処方を受けていた方の、ルコナックの評判はあまり良くないです。

  • 毎回1本だと、診察回数が増えるからあまり値段は変わらない
  • 何回もくるのが嫌だから、クレナフィンに戻してほしい

まとめ

  1. ルリコン、アトラント、メンタックスなどの液剤の塗り薬の爪水虫への使用は、間違い
  2. ルコナックは、ルリコンと同じ成分のルリコナゾールを5倍に濃度を高め、爪への浸透力を加えた、爪水虫専用の塗り薬
  3. クレナフィンは投与制限(処方制限)がないが、ルコナックは2017年4月末までは1回1本の処方に制限される
  4. クレナフィンはハケを、ルコナックは突起を爪に押しつけて使用する
  5. ルコナックもクレナフィンと同様に、変形、変色した爪を直接治す効果はない。
    新しい爪に生え変わるまで使わなくてはならない
  6. ルコナックは、臨床試験でクレナフィンとの直接比較試験を行っていない。
    効果の優越は不明
  7. ルコナックは、クレナフィンと比べると、副作用の頻度がやや高い可能性がある
  8. ルコナックの値段は、クレナフィンと比べると安価で魅力的