麻薬、向精神薬、新薬、湿布には処方日数(投与)制限がある 薬局規制事項

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薬局は、法律、規則によってさまざまな行為が規制されています。

  • レンドルミン、ハルシオンを2カ月分ください。
  • エリミンありますか?
  • デパス(エチゾラム)、アモバン(ゾピクロン)も規制されるんですか?
  • 湿布の量が少ないんですけど。もっとください。

最近よく受ける質問です。

答えは記事の中にあります。

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処方日数(投与)制限のある薬

新薬と麻薬と向精神薬の処方日数(投与)制限

処方日数(投与)制限がある薬は、新薬、麻薬、向精神薬です。

処方日数(投与)制限する理由は、新薬、麻薬、向精神薬は体調が変化しているのに気付かず服用を続けた場合、体調を悪くする可能性が高いからです。

麻薬、向精神薬は薬物乱用を防止する目的でも、処方日数、投与日数は制限されています。

湿布の70枚処方制限

漢方薬、ビタミン剤などは、保険から外すという話は昔からあります。2016年の診療報酬改定では湿布を狙ってきました。

2015年の年末くらいから話題になった湿布の70枚制限案は、ほぼ有効になりました。

入院中の患者以外の患者に対して、1処方につき70枚を超えて湿布薬を投薬した場合は、当該超過分に係る薬剤料を算定しない。
ただし、医師が疾患の特性等により必要性があると判断し、やむを得ず70枚を超えて投薬する場合には、その理由を処方箋及び診療報酬明細書に記載することで算定可能とする。

まわりくどいですね。要約します。

湿布は1回の処方で原則70枚までの処方です。
特に理由があるならば70枚を超えての処方を認める。

湿布の枚数を70枚に規制したいのやら、したくないのやら…。よくわからないです。

2016年9月追記
2016年4月以降で、湿布1回の処方あたり70枚を超えて処方された処方箋を見たことがありません。
ほとんどの医療機関は70枚制限を受けて処方しているようです。

新薬の処方日数(投与)制限

発売して1年を経過していない薬(厳密には薬価基準収載の翌月の初日から1年間)は、14日分までの処方日数(投与)制限があります。

しかし、新薬であっても、14日を超える処方が可能な例外薬もあります。

  • 配合剤
    すでに存在している成分の組合せだからです。
    ただし、配合剤のもとになる成分が、発売して1年以上経過しているという条件付きです。
  • 1回の調剤で14日を超えることに合理性があり、安全性が確認されている新薬
    最近の例ではザガーロ、エピデュオゲル。

配合剤
薬の成分を複数混合した薬のこと。薬品名のどこかに「配合錠」の記載があります
<例>
・ミコンビ配合錠AP
・セレスタミン配合錠
・アイミクス配合錠LD

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ザガーロは、プロペシアの1.5倍以上の価格が付くなどの憶測がありましたが、それ以下の価格で推移しています。ザガーロの費用対効果は優れているのでしょうか?
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麻薬の処方日数(投与)制限

麻薬はがんなどの疼痛(激しい痛み)のコントロールに使われることが多い薬です。
14日分と30日分の処方日数(投与)制限があります。

処方日数(投与)制限を受ける麻薬の例

14日分制限 ドーフル散
メサペイン錠
30日分制限 MSコンチン錠
アンペック坐剤
オキシコンチン錠
オプソ内服液
オキノーム散
デュロテップパッチ
リン酸コデイン10%

よく麻薬と間違えられる薬に、リン酸コデイン1%散、トラマール、トラムセット、レペタンがあります。

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向精神薬の処方日数(投与)制限

睡眠薬ルネスタ(エスゾピクロン)も苦い!効果、副作用、依存性
従来の睡眠薬からルネスタに変更することで、依存・ふらつき等から解放される可能性があります。超短期型睡眠薬の中では持続時間も長いため、途中で起きるタイプの不眠症にも効果が期待できます。

向精神薬は、不安を抑える、眠気を誘う、てんかん発作を抑える目的などで使用することが多いです。

14日分、30日分、90日分の処方日数(投与)制限があります。

処方日数14日分制限の向精神薬

商品名 一般名
サノレックス マジンドール
ダイアップ坐剤 ジアゼパム
ノルスパンテープ ブプレノルフィン
ペルタゾン ペンタゾシン
ペンタジン
メンドン クロラゼプ酸二カリウム
ラボナ ペントバルビタール
ルピアール坐剤 フェノバルビタールナトリウム
レペタン坐剤 ブプレノルフィン

処方日数30日分制限の向精神薬

商品名 一般名
エバミール ロルメタゼパム
エリスパン フルジアゼパム
コンサータ メチルフェニデート
コンスタン アルプラゾラム
コントール クロルジアゼポキシド
サイレース フルニトラゼパム
セパゾン クロキサゾラム
セレナール オキサゾラム
ソメリン ハロキサゾラム
ソラナックス アルプラゾラム
ダルメート フルラゼパム
ドラール クアゼパム
バランス クロルジアゼポキシド
ハルシオン トリアゾラム
ベゲタミンA配合錠 クロルプロマジン
プロメタジン
フェノバルビタール
ベゲタミンB配合錠
ベタナミン ペモリン
マイスリー ゾルピデム
メイラックス ロフラゼプ酸エチル
モディオダール モダフィニル
ユーロジン エスタゾラム
リーゼ クロチアゼパム
リタリン メチルフェニデート
レキソタン ブロマゼパム
レスミット メダゼパム
レンドルミン ブロチゾラム
ロヒプノール フルニトラゼパム
ロラメット ロルメタゼパム
ワイパックス ロラゼパム

※コンサータ、リタリンは、登録薬局の登録登録調剤責任者に限り調剤できます。

処方日数90日分制限の向精神薬

商品名 一般名
セルシン ジアゼパム
ネルボン ニトラゼパム
ベンザリン ニトラゼパム
ホリゾン ジアゼパム
マイスタン クロバザム
ランドセン クロナゼパム
リボトリール クロナゼパム

向精神薬と間違われやすい薬(処方日数制限なし)

向精神薬、習慣性薬に指定されていない、唯一の睡眠薬

睡眠薬ロゼレム(ラメルテオン)の標的はメラトニン受容体!効果、副作用、禁忌
ロゼレムは従来の睡眠薬と違う作用を持つ、向精神薬・習慣性医薬品に分類されていない唯一の睡眠薬です。メーカーが公表しているデータからも最も安全な睡眠薬に分類されると考えられます。

向精神薬は、睡眠剤や抗不安薬が該当する場合が多いですが、向精神薬に分類されていない睡眠薬や抗不安薬もあります。

商品名 一般名 規制区分
セディール タンドスピロンクエン酸 劇薬
ベルソムラ スボレキサント 習慣性医薬品
メレックス メキサゾラム なし
リスミー リルマザホン 習慣性医薬品
ルネスタ エスゾピクロン 習慣性医薬品
レスタス フルトプラゼパム なし
ロゼレム ラメルテオン なし

ベルソムラは、新薬のため14日処方日数制限でしたが、2015年12月に処方日数(投与)制限は解除されました。

【睡眠薬ベルソムラの効果、副作用、禁忌、悪夢】効かないってホント?
ベルソムラは新しい作用を持つ睡眠薬です。発売後のデータの蓄積がまだまだ不十分で、わからないことが多いですが、、メーカーが公表しているデータに基づいて効果、副作用、依存性を中心に解説します。

アモバン(ゾピクロン)とデパス(エチゾラム)は2016年10月14日から向精神薬に指定【30日分処方日数制限】

アモバン、デパスは2016年10月14日から規制区分が変わり、向精神薬になります。

商品名 一般名 変更前 変更後
アモバン ゾピクロン 習慣性医薬品 向精神薬
デパス エチゾラム なし

14日分、30日分、90日分の処方日数制限(おそらく30日分)を受けます。

アモバン、デパスはどの日数の規制区分に入るかは不明です。
発表がありしだい加筆します。

2016年9月29日加筆
→2016年10月14日から、アモバン、デパスは30日分の処方日数制限を受けます。

2016年10月13日加筆
→明日からアモバン、デパスは30日分の処方日数制限を受ける予定でしたが、11月1日から処方日数制限を受けることになりました。

エリミンは2015年11月で販売中止

エリミンは睡眠作用が強いため、不眠症の方に非常に有効な薬でした。
しかし、エリミンは赤玉(あかだま)とも呼ばれ、誤った使い方も多い問題のある薬でした。

いまだにエリミンの在庫状況などについての問い合わせがあります。

  1. エリミンは在庫しているか?
    →エリミンは製造中止のため、薬局には在庫はないと思います。
  2. エリミンが手に入る薬局を教えてほしい
    →わかりません。
  3. なぜエリミンがないのか
    →メーカーの製造が中止されたからです

処方日数(投与)制限の例外規定
(年末年始、ゴールデンウィークなど)

新薬・麻薬・向精神薬の処方日数制限例外規定

処方(投与)日数が1回14日分を限度とされている薬は、特殊な事情があるとき、必要最小日数の範囲で30日分まで限度が緩和されます。

つまり、新薬、麻薬、向精神薬でも、特殊な事情に該当すれば、30日までは薬がもらえるということです。
(1回30日分処方が限度の薬の延長はありません)

特殊な事情

  1. 海外旅行
  2. 年末、年始
  3. ゴールデンウィーク(GW)
  4. (シルバーウィーク:SW)

「盆休み」は国民の休日ではないため、特殊な事情に該当しません。

秋にときどき発生するシルバーウィークは、特殊な事情に該当する場合があります。

「国民の祝日に関する法律」が一部改正されると、連休となるケースが増えることになります。シルバーウィークなどの「特殊な事情」の解釈については、柔軟かつ適切に取り扱われているようです。
(ただし、都道府県により解釈が異なります)

使用期間(有効期限)切れ処方箋の調剤はできない

使用期間(有効期限)の切れた処方箋は、処方箋としての効力を失っています。薬局では受け付けることができません

病院、クリニックで再発行をしてもらうことは可能ですが、再発行は健康保険が適用されないため、費用は自費です。

近畿厚生局(主に関西エリアを統括)は、「使用期限の切れた処方箋に対して、医師に疑義照会し、使用期限を修正(延長)することは認めない」という姿勢です。

麻薬の調剤

【調剤報酬(薬代)】一包化加算、内服薬、外用薬の調剤料の計算
薬代(調剤報酬)はどこの薬局でもらっても同じ値段ではありません。薬局の薬代には、調剤するときや、患者さまに薬の説明するときに技術料や指導料がかかるためです。【一包化動画有】

麻薬を調剤するためには、麻薬小売業という免許が必要です。

2014年の診療報酬改定により、麻薬小売業の免許は基準調剤加算の算定条件のひとつとなりました。ほとんどの薬局が麻薬小売業の免許を取得しています。

実際は、麻薬小売業の免許を取得しているが、麻薬処方箋を受けたことがない薬局もあり、麻薬を取り扱ったことのない薬剤師もいます。
麻薬処方箋は、麻薬の取り扱い実績のある薬局に持っていくのがベストです。

まとめ

健康保険には国民の税金が一部投入されているため、それを取り扱う医療機関は規制事項が多くなっています。

そのため、患者さまのご要望にお応えできないこともあります。

  1. 処方箋薬の値引きはできない
  2. 処方日数を制限されている主な薬は、新薬、麻薬、向精神薬、(湿布)
  3. 有効期限の切れた処方箋は一切使用できない
  4. 処方箋薬には消費税がかからない
  5. 処方箋を紛失した場合の再発行料は自費