ドラッグストアの花粉症コーナーに行けば、多くの市販点鼻薬が陳列されており、どれにしょうか迷った経験があると思います。
この記事にたどり着いたあなたも、きっとそうでしょう。
市販点鼻薬は大きく分けるとステロイドの入った「ステロイド点鼻薬」、血管収縮剤の入った「鼻づまり点鼻薬」、抗アレルギー剤の貼った「抗アレルギー点鼻薬」に分けられます。
(花粉症には)医師はステロイド点鼻薬を中心に使うため、市販を選ぶときもステロイド点鼻薬をおすすめします。
ナゾネックスとアラミストの市販はない
医療用点鼻薬は大きく分けて3種類に分類されていますが、花粉症にはアラミスト、ナゾネックス、フルナーゼ、エリザスなどのステロイド点鼻薬が中心に使われています。
- ステロイド点鼻薬
アラミスト、ナゾネックス、フルナーゼ、エリザス - 鼻づまり点鼻薬(血管収縮剤点鼻薬)
トラマゾリン、プリビナ、コールタイジン - 抗アレルギー点鼻薬
リボスチン、ザジテン、インタール
そのステロイド点鼻薬の中でも、ナゾネックスとアラミストがほとんどを占めます。
『ナゾネックスの使い方 ステロイド点鼻薬は花粉症にこう使おう!』
しかしながら、ナゾネックスとアラミストと同じ成分を含むステロイド点鼻薬は、市販されていません。
市販されているステロイド点鼻薬はベクロメタゾンプロピオン酸エステルやプレドニゾロンを主成分とする点鼻薬です。
ステロイド点鼻薬の市販は単剤と配合剤がある
ステロイド点鼻薬の市販は大きく分けて2タイプに分けられます。
- 単剤:「ステロイドのみ」が成分として使われてる
- 配合剤:「ステロイド+アルファ」の成分が使われている
ステロイド単剤の例
- パブロン鼻炎アタックJL
- ナザールAR
- エージーアレルカットEX
ステロイド配合剤の例
- コールタイジン
ステロイド点鼻薬の市販1 パブロン鼻炎アタックJL
ステロイド点鼻薬は成分の違いによる効果の優越は確認されていません。(同等の効果と考えられています)
『ステロイド点鼻薬の特徴(アラミスト、ナゾネックス、フルナーゼ、エリザス)』
花粉シーズン中にステロイド点鼻薬を使い続けるなら、病院の受診をおすすめしますが、受診の時間がないときは、市販でしのぐこともできます。
ステロイド点鼻薬の市販は、濃度、1本の容量、使用感などが違います。
花粉症に使えるステロイド点鼻薬(単剤市販)はパブロン鼻炎アタックJLを例にして解説します。
パブロン鼻炎アタックJLは医療用ステロイド点鼻薬と同濃度0.1%
ステロイド点鼻薬の市販はパブロン鼻炎アタックJL以外にもありますが、半分の濃度(0.05%)の点鼻薬しかありませんでした。(2016年現在)
- ナザールAR(※)
- エージーアレルカットEXなど
パブロン鼻炎アタックJLは、医療用ステロイド点鼻薬(アルロイヤー、ナナドラ、ナイスピーなど)と同濃度0.1%のステロイドを配合した市販です。
(※)2018年現在、ナザールARはステロイド成分を2倍にして発売されています。
商品名「ナザールαAR」
パブロン鼻炎アタックJLの使い方
パブロン鼻炎アタックJLは子供は使えません。18歳以上の成人のみが使えるステロイド点鼻薬です。
パブロン鼻炎アタックJLは、1日2回(朝夕)両方の鼻に1回1噴霧づつ点鼻します。花粉症の症状が強いときは、点鼻間隔を3時間以上あけて1日4回まで使えます。
ただし、パブロン鼻炎アタックJLは「1年間に3カ月間を超えて点鼻してはいけない」という注意書きがあります。
ステロイド点鼻薬(単剤)のまとめ 【医療用と市販】
– | NP医療用 | パブロン市販 | AG市販 | ナザール市販 |
---|---|---|---|---|
主成分 | ベタメタゾンプロピオン酸エステル | |||
主成分の濃度 | 0.1% | 0.05% | 0.1% | |
対象年齢 | 6歳以上 | 18歳以上 | ||
主な用法用量 | 1日2回~4回 (子供) 1日4回~8回 (15歳以上) |
1日2回~4回 | ||
効能効果 | アレルギー性鼻炎 血管運動性鼻炎 |
季節性アレルギーによる鼻づまり、鼻水、くしゃみ等の症状 | ||
1本あたりの量 | 8.5g | 10mL | ||
年間使用可能月数 | – | 3カ月 |
NP医療用:ナイスピー点鼻液
パブロン市販:パブロン鼻炎アタックJL
AG市販:エージーアレルカットEX
ナザール市販:ナザールαAR
ステロイド点鼻薬の市販2 コールタイジン
どうしようもない花粉症の鼻づまりには、ステロイドと血管収縮剤の両方を配合した市販があります。
しかし、血管収縮剤を使った点鼻薬の市販はダラダラと使い続ける薬ではなく、1日1~2回程度を限度に使うべきです。
くわしくはコチラの記事で解説しています。
『本当に危ない!花粉症点鼻薬の市販をおすすめしない3つの理由』
コールタイジンの市販は医療用と同じ成分
医療用のコールタイジンと市販のコールタイジンは、同成分を同濃度含む薬です。
- ステロイド
プレドニゾロン:0.2% - 血管収縮剤
塩酸テトラヒドロゾリン:1%
コールタイジンの市販の使い方
コールタイジンの市販は7歳の子供から使えます。
(医療用コールタイジンは原則6歳から)
添付文書には「3時間以上の間隔をおいて、6回まで使えます」とありますが、6回は使い過ぎです。
血管収縮剤を含むコールタイジンは1日1~2回を限度に点鼻してください。それ以上の点鼻はおすすめできません。
『トラマゾリン、プリビナ、コールタイジン点鼻薬の使いすぎはダメ!』
鼻づまりはロイコトリエンと呼ばれるケミカルメディエーターが関係しています。
キプレス・シングレアには抗ロイコトリエン作用があるため、花粉症の鼻づまりにはよく使われます。
『キプレス、シングレア(モンテルカスト)は花粉症鼻づまりに効果良好!』
鼻づまりにはディレグラもおすすめです。
『ディレグラは長期服用は厳禁!でも花粉症鼻づまりにケタ外れの効果あり』
猛烈な鼻づまりにはセレスタミン(ステロイド配合剤)もおすすめです。
『セレスタミンの強さの秘密はステロイド!だから花粉症に効果抜群』
まとめ
- ナゾネックスとアラミストの市販はない
- ステロイド点鼻薬の市販はベクロメタゾンプロピオン酸エステルやプレドニゾロンを主成分とする
- ステロイド点鼻薬は成分の違いによる効果の優越は確認されてない(同等の効果と考えられている)
- 花粉シーズン中に、病院を受診する時間がないときは、市販でしのぐこともできる
- ステロイド点鼻薬の市販は医療用と同濃度のステロイドを含む、「パブロン鼻炎アタックJL」「ナザールαAR」がおすすめ
- どうしようもない花粉症の鼻づまりには「コールタイジン」がおすすめ
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