先発医薬品(以下、先発)の特許が切れて、次々に発売される医薬品をジェネリックといいます。ジェネリックは先発と同じ成分を同濃度使っているため、効果は同等です。
ですので、ヒルドイドローション(先発)とビーソフテンローション(ジェネリック)は効果は同等です。
しかし、薬剤の見た目でもわかるとおり、ヒルドイドローションは白色の乳液状で、ビーソフテンローションは透明の液状です。
使用感(しっとり・さっぱり・べったり)などが全く違います。
量の違い
「ビーソフテンローションは1本あたり50g」の1種類です。
一方、「ヒルドイドローションは1本25gと50g」の2種類です。
ただし、50でわりきれない(75g、125gなど)処方がされた場合、50gのみでは対応できないため、25gのヒルドイドローションが多く使われています。
薬価の違い
先発医薬品とジェネリックでは、先発の方が高価です。
なぜなら、先発医薬品はゼロから開発しなくてはならないため、ジェネリックと比較にならないくらいの開発費がかかるからです。
薬価 | 1本の値段 | |
---|---|---|
ヒルドイドローション (先発医薬品) |
22.2 | 550円(25g) 1100円(50g) |
ビーソフテンローション (ジェネリック) |
8 | 400円 |
薬価:1gあたりの薬の価格
保湿剤は健康保険が使えます。薬局の窓口で支払う薬代は(3割負担で)ヒルドイドローション約160~330円、ビーソフテンローション120円です。
『ヒルドイドの美容使用はダメ!処方上限超・保険適用外になったら?』
使用感の違い
ヒルドイドローションはワセリンを添加物に使っている白い乳液状です。
一方、ビーソフテンローションはワセリンやアルコール(エタノール)を添加物に使っていない透明の化粧水状です。
ですので、使用感が全く違います。
ヒルドイドローションは肌への定着性が良い半面、少しヌルッとした使用感です。
『ヒルドイドローションを化粧水代わりにしないでね 美容成分はなし!』
一方、ビーソフテンローションは肌への定着性は少ないですが、すぐに肌になじみサラッとした使用感です。
『まだ知らないの?ビーソフテンローションは化粧水代わりにならないよ』
添加物の違い
ヒルドイドローションとビーソフテンローションの使用感の違いは、添加物に由来しています。
添加物とは主成分以外に使う薬効を持たない成分のことで、薬の安定性や使用感を決めます。
ヒルドイドローション | ビーソフテンローション |
---|---|
グリセリン 白色ワセリン スクワラン セタノール 還元ラノリン セトマクロゴール1000 モノステアリン酸グリセリン パラオキシ安息香酸エチル パラオキシ安息香酸プロピル カルボキシビニルポリマー ジイソプロパノールアミン |
カルボキシビニルポリマー ヒプロメロース PPG 1,3-ブチレングリコール グリセリン トリエタノールアミン パラオキシ安息香酸メチル パラオキシ安息香酸プロピル |
PPG:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール
ビーソフテンローションは油分を添加物に使っていないため、さっぱりとした使用感なのです。
『保湿剤の超定番!ヒルドイド・ビーソフテン・ヘパリン類似物質』
副作用の違い
先発とジェネリックは同じ成分を同用量使っているため、効能効果は同じです。
『ヒルドイドローションの効能効果はコレ!だから顔もぷるっぷるに』
しかし、先に解説した通り添加物が違い、それが副作用に微妙な影響を与えることがあります。
そんなときは、先発をジェネリック(またはその逆)にしてみると、解決する場合があります。
『ヒルドイドに副作用はない?合わないときはジェネリックに変えてみよう』
まとめ
ヒルドイドローションとビーソフテンローションの効果は同等であるが、5つの違いがある。
- 量の違い
ヒルドイド1本25g~50g、ビーソフテン50g - 薬価の違い
ヒルドイド > ビーソフテン - 使用感の違い
ヒルドイド:ヌルッとした乳液状
ビーソフテン:サラッとした液状 - 添加物の違い
- 副作用の違い
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