マグミットの作用機序はプルゼニド/アローゼン/ラキソベロンとは違う!だから腹痛も弱い

マグミット
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便秘薬は作用機序の違いで5種類に分けられています。

  1. 便の水分量を増やす便秘薬(大腸作用型)
    マグミット
  2. 大腸刺激性便秘薬
    センノシド、プルゼニド、アローゼン、ヨーデルS、ラキソベロンなど
  3. 便の水分量を増やす便秘薬(小腸作用型)
    アミティーザ
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  4. 便の水分量を増やす便秘薬(胆汁酸分泌型)
    グーフィス
  5. その他の便秘薬(便秘型過敏性腸症候群型)
    リンゼス
    リンゼスとアミティーザ 5つの違い なるほど!新型便秘薬はこう違うのか

 

作用機序とは、薬が効果を発揮するための作用の仕方のことです。

アミティーザとリンゼスは、薬価(薬の価格)の高さと新作用機序のため、便秘への処方は少なめです。

さらに、グーフィスは2018年4月発売の新薬であるため、不明な点が多いです。

現在、便秘によく処方されているのは次の2種類の便秘薬です。

  • マグミット(酸化マグネシウム)
  • 大腸刺激性便秘薬(プルゼニド、他)

 

どちらかといえば、ドバーッと出して便秘がスッキリ解消できる純粋な便秘薬(大腸刺激性便秘薬)が使われる傾向がありますが、使い続けるには向きません。

便秘のコントロールにはマグミットがおすすめです。

その理由は、記事内で明らかになるでしょう。

マグミットとは

マグミットは酸化マグネシウムを主成分にする便秘薬です。

マグミットは細かく用量を調整して使うため、とにかく種類が多いです。
(その理由は記事の後半で解説)

マグミット錠200mg、250mg、330mg、500mg

マグミット錠は200mg~500mgまで4種類

 

マグミット細粒0.4g、0.6g、0.8g、1.2g

マグミット細粒も0.4g~1.2gまで4種類

便秘薬の作用機序の違い

マグミットの作用機序

マグミットは、腸内の水分を集めて便をやわらかくします。

水分の集まった便はちょうどいい具合にふくらみ、腸を刺激してスムーズな排便をうながします。

マグミットは腸を直接刺激するのではなく、ふくらんだ便が腸を刺激するため、自然な排便ができる便秘薬です。

また、癖になりにくい便秘薬でもあります。
(くわしくは記事の後半で解説中)

マグミットは牛乳と飲み合わせNG!どれくらい時間をあければ大丈夫?

大腸刺激性便秘薬の作用機序

大腸刺激性便秘薬は、主に3種類の剤形があります。

  1. 錠剤:プルゼニド、ラキソベロン錠
  2. 顆粒剤:アローゼン
  3. 液剤:ラキソベロン内用液

 

プルゼニドラキソベロン錠とラキソベロン内用液

アローゼン顆粒0.5gと1g

 

大腸刺激性便秘薬の作用機序で共通しているところは、大腸を直接刺激して排便をうながすことです。

大腸刺激性便秘薬の作用機序1

プルゼニド、ヨーデルS、アローゼンは、腸内細菌を利用して大腸を直接刺激し、排便をうながします。

さらに、大腸内の水分吸収を抑えて便が固くしない作用もあわせもちます。

アローゼン顆粒の効果、副作用、市販 プルゼニドとの違いは?

大腸刺激性便秘薬の作用機序2

ラキソベロンは腸内細菌由来の酵素と反応して、活性型ジフェノール体に変化します。

活性型ジフェノール体は大腸を直接刺激して排便をうながし、さらに大腸内の水分吸収を抑えて便が固くならないようにして便秘を改善します。

ラキソベロンは「作用機序1の便秘薬」と比較すると、効果がマイルドです。

ラキソベロンの効果時間と副作用(下痢・腹痛)

便秘薬の飲み方の違い

マグミットの飲み方

マグミットの飲み方は二通りあります。

  1. 自然に排便したいとき
    →1日2~3回に分けて飲む
  2. ドバッとたまった宿便を出したいとき
    →寝る前1回に1日分をまとめて飲む

 

マグミットの1日量は750mg~1500mgが標準的ですが、効果は飲んでみないことにはわかりません。

マグミットが効きすぎたとき、下痢や腹痛を起こす場合があります。

下痢したときは、マグミットを減量して下痢も便秘もしないちょうどいい量を探らなくてはなりません。

マグミットは自分で量の調整が必要な便秘薬です。

くわしくはこちらで解説しています。

マグミットの飲み方はこうしよう!これで下痢便秘とグッドバイ

大腸刺激性便秘薬の飲み方

大腸刺激性便秘薬の飲み方はひとつです。

寝る前に適量を飲みます。すると、起きたタイミングで便意を起こします。

大腸刺激性便秘薬は必要最低限の用量から開始して効果が出るまで増量しますが、効き過ぎるとキュルキュルッと腹痛を起こすので、安易に増やすのはよくありません。

便秘薬の副作用の違い

マグミットの副作用

マグミットの酸化マグネシウムは、はるか昔から便秘薬として使われてきました。

歴史のある古い成分のため、副作用頻度が明らかになる試験が行われていません。

実際に目にする副作用は下痢腹痛です。

腹痛といってもキュルキュルッと痛むわけではなく、腹に何らかの違和感を感じる程度のものが多いです。

マグミットの副作用は下痢だけじゃない!高マグネシウム血症が恐ろしい!

大腸刺激性便秘薬の副作用

大腸刺激性便秘薬は大腸を直接刺激するため、量が多いと腹痛や下痢の副作用があらわれます。

こちらの腹痛は、おなかがキュルキュルッとして結構つらいです。

主な副作用頻度は次のとおりです。

副作用 副作用頻度(%)
腹痛 11.9
下痢 1.1
腹鳴 0.8
悪心・嘔吐 0.8

(プルゼニド再評価結果より)

センノシド(プルゼニド)の作用・効果・時間と副作用 市販は?

大腸刺激性便秘薬の習慣性

大腸刺激性便秘薬には習慣性があります。

プルゼニド・アローゼン・ラキソベロンで大腸を刺激し続けると、大腸が刺激に慣れてしまい、効果のキレが悪くなってくるからです。

便秘薬の効果が弱くなってくると、さらに便秘薬を増やなくてはいけません。

量を増やせば、腹痛の副作用リスクは増えます。

そして、腹痛リスクを抱えたまま便秘薬の量は増え続け、便秘薬スパイラルにはまります。

そうならないためには、便秘薬との付き合い方が大切です。

  • 通常の便秘には整腸剤やマグミットを主に使う
  • 頑固な便秘に限定してプルゼニド・アローゼン・ラキソベロンを使う

マグミットは便秘に効かない?では どれくらいで効くの?効果時間は?

便秘には整腸剤もおすすめ

整腸剤は腸内環境を改善する薬であるため、下痢便秘の両方に効果があります。

効果の面では便秘薬に劣りますが、長い目でみると整腸剤で得られる効果は捨てがたいです。

また、便秘薬と併用もできるので、普段は整腸剤で様子を見ながら、便秘がひどいときだけ便秘薬をオンするという使い方が王道です。

ビオスリーは下痢便秘にジワーッと効く!すぐに効かないけど飲み続けよう

まとめ

リンクをクリックすると対応する記事内に戻ります。

  1. マグミットは大腸刺激型便秘薬(プルゼニド・アローゼン・ラキソベロン)とは作用機序が違う
  2. マグミットは大腸内に水分を集めて、間接的に腸を刺激する作用機序であるため、自然に近い排便効果が得られる(腹痛が少ない)
  3. プルゼニド・アローゼン・ラキソベロンは大腸を直接刺激して排便をうながすため、腹痛が起こりやすい
  4. プルゼニド・アローゼン・ラキソベロンは癖になりやすいので、通常の便秘にはマグミットで対応するのがおすすめ

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