ヒアレイン点眼液はミニならコンタクトしたままOK!理由は防腐剤フリーだから

点眼薬
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冬や花粉シーズン中は目が乾燥しやすい季節です。

この時期になると、コンタクトレンズ(以下コンタクト)をしている方を中心にドライアイ目薬が活躍します。

<ドライアイ目薬>

  • マイティア
  • ソフトサンティア(市販目薬)
  • ムコスタ
  • ジクアス

 

この中で、最もドライアイに使われている目薬はヒアレイン点眼液です。

その理由は、抜群の知名度と使用経験、安定した効果、副作用の少なさにあります。

ヒアレイン点眼液の種類

ヒアレイン点眼液はヒアルロン酸ナトリムを主成分とする目薬で、濃度の違い、防腐剤の有無で4種類あります。

ヒアレイン点眼液0.1、0.3、ミニ0.1、ミニ0.3

ヒアレイン0.1%と0.3%の違い

3倍濃度の濃いヒアレイン点眼液0.3%の方が効果がありそうですが、ほとんど違いはありません。

ヒアレイン点眼液0.3%はやや副作用が多いことから、ドライアイに主に使われるのはヒアレイン点眼液0.1%です。

ヒアレイン点眼液0.3%は、0.1%を使っても効果が不十分な場合や重症時など、限られたケースで使われています。

ヒアレイン点眼液とミニの違い

ヒアレイン点眼液は通常のドライアイに使いますが、

ヒアレインミニ点眼液は「シェーグレン症候群」「スティーブンス・ジョンソン症候群」で起こる角結膜上皮障害(目の表面の傷や損傷など)に限定されています。

 

また、ヒアレイン点眼液は通常のボトル入りですが、ヒアレインミニ点眼液は1回使い切りのディスポーザブル目薬です。

ヒアレインミニ点眼液が1回使い切りである理由は、防腐剤が入っていないからです。

防腐剤は、コンタクトしたまま使えるかどうかに大きく関係しています。

ヒアレイン点眼液とコンタクトと防腐剤

目薬は開封するまでは滅菌状態ですが、開封後は非滅菌状態になり汚染が始まります。

汚染を抑えるために、ほとんどの目薬には防腐剤(塩化ベンザルコニウムなど)が添加されています。

 

防腐剤を含む目薬はコンタクトを痛める原因になるため、コンタクトをしたまま使えません。
(ただし、ハードコンタクトはOK)

先述の通り、ヒアレインミニ点眼液には防腐剤が入っていません。

ですので、コンタクトをしたまま使ってもコンタクトを痛めることがないのです。

 

ただし、ヒアレインミニ点眼液は特殊な病気で起こる角結膜上皮障害に使う目薬であるため、通常のドライアイでヒアレインミニ点眼液を使えるかは別の問題になります。

 

さらに防腐剤について付け加えると、花粉症の症状が出る方は、普通の方と比べて防腐剤にアレルギー反応(副作用)を起こす可能性が高いと言われています。

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<コンタクトしたまたでOKな目薬の例>

  • ヒアレインミニ点
  • ジクアス
  • ムコスタ
  • アレジオン
  • ザジテンUD
  • インタールUD

ヒアレイン点眼液の薬価

ヒアレイン点眼液は安い目薬ではありません。

種類 1本あたりの薬価
ヒアレイン0.1% 366.6
ヒアレイン0.3% 525.2
ヒアレインミニ0.1% 13.3
ヒアレインミニ0.3% 19.0

 

ヒアレインミニ点眼液は薬価(薬の価格)が安いですが、1回使いきりであるため薬価が2回分(片目に1回ずつ)の値段になります。

ヒアレイン点眼液1滴を0.05mLと仮定すると、1本で100回使えます。

ヒアレイン点眼液0.1%の2回分の薬価を計算すると、約7.3円(366.6/100×2)であるため、ミニは割高です。

そこで、代替したいのがジェネリックです。

ヒアレイン点眼液ジェネリックの薬価

ヒアレインミニ点眼液0.1%のジェネリックはありませんが、それ以外のヒアレインのジェネリックは約半額です。

ヒアレイン点眼液のジェネリック 1本あたりの薬価
ヒアルロン酸Na0.1% 168
ヒアルロン酸Na0.3% 226.6
ヒアルロン酸Naミニ0.1% なし
ヒアルロン酸Naミニ0.3% 9.7

Na:ナトリウム

 

ヒアレイン点眼液とジェネリックの効果は同等です。

ただし、添加物が違うため、副作用に微妙な違いが発生する場合があります。

ヒアレイン点眼液の使い方

抗菌目薬は1日3回、アレルギー目薬は1日4回が多いですが、ドライアイ目薬は使う回数が多いです。

  • マイティア:1日5~6回
  • ジクアス:1日6回
  • ムコスタ:1日4回
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ヒアレイン点眼液は1回1滴1日5~6回使います。

使用のタイミングは起床時、朝、昼、15:00、夕、就寝5分以上前くらいでよいでしょう。

 

ヒアレインミニ点眼液は、開けるときにプラスチック破片が混入する場合があります。

それを避けるために、開封時の最初1~2滴は捨ててから使います。

1本で両目に使用可能です。

ヒアレイン点眼液の作用

ヒアレイン点眼液は3つの作用でドライアイに効果を示します。

  1. 保水作用
  2. 角膜上皮創傷治癒促進作用
    (かくまくじょうひ そうしょう ちゆそくしんさよう)
  3. 涙液層安定化作用

1.保水作用

ヒアルロン酸は保湿効果の高い成分です。

実際、保湿剤の添加物としてもヒアルロン酸は使用されています。

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目も同じようにヒアルロン酸を使うと、水分を保持して目が乾燥しにくくなります

2.角膜上皮創傷治癒促進作用

ドライアイになると、角膜(目の表面)が乾燥するため傷つきやすくなります。

ヒアレイン点眼液は角膜の乾燥を抑えるとともに、傷を修復したり予防したりする作用があります。

3.涙液層安定化作用

ドライアイは「目が乾く病気」ととらえられていましたが、

現在では、ドライアイは「さまざまな要因により涙液層(目の表面をおおう涙の膜)の安定性が低下する病気」ととらえられています。

 

まばたきをすると涙液層ができ、目の乾燥や傷が付くのを防ぎます。

涙の層ができあがってから破壊するまでの時間を涙液層破壊時間(BUT)と言います。

ヒアレイン点眼液は涙液層破壊時間を延長して、涙液層の安定性を高める作用があります。

 

涙液層を安定させる目薬はヒアレイン点眼液が頻用されていますが、2010年にジクアスという涙液層をより安定させる目薬が開発され、それが主流になりつつあります。

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ヒアレイン点眼液の効果

各ヒアレイン点眼液のドライアイ、シェーグレン症候群、コンタクトによる角結膜上皮障害に対する効果は次のとおりです。

  • ヒアレイン0.1%:67.5%
  • ヒアレイン0.3%:64.6%
  • ヒアレインミニ0.1%:52.1%
  • ヒアレインミニ0.3%:76.0%

 

濃度、防腐剤の有無で、若干の効果のばらつきがありますが、ヒアレイン点眼液の効果は安定的といえます。

 

コンタクトをしている方に対するヒアレインミニ点眼液0.1%の効果(全般改善度:コンタクトが痛い、異物感、乾燥感など)は次の通りです。

ヒアレインのコンタクト装着者への効果
データの出典:ヒアレイン点眼液の比較試験

 

ヒアレインミニ点眼液0.1%を使っている方の方が改善により向かっている(○が左にシフトしている)ため、ヒアレインミニ点眼液0.1%はコンタクトによる違和感などに効果があることがわかります。

ヒアレイン点眼液の副作用

ヒアレイン点眼液は副作用頻度の少ない目薬です。

主な副作用は次の通りです。

副作用 副作用頻度
かゆみ 0.45%
刺激感 0.36%
充血 0.24%

(再審査終了時)

 

ただし、これらの副作用はヒアレイン点眼液の成分によるものではなく、防腐剤や添加物による可能性が高いです。

ヒアレイン点眼液とヒアレインミニ点眼液の副作用頻度の違いは明らかではありませんが、防腐剤の入っていないヒアレインミニ点眼液の方が副作用頻度は低いと考えられます。

また、ヒアレイン点眼液0.3%はヒアレイン点眼液0.1%の3倍濃度が濃いためか、使用後のネバつきを感じます。

まとめ

  1. ヒアレインは、ヒアルロン酸ナトリムを主成分とするドライアイ目薬
  2. ヒアレイン0.1%と0.3%は、効果の違いがほとんどない
  3. ヒアレインミニは限られた病気で起こるドライアイ症状に使う
  4. ヒアレインミニは防腐剤フリーであるため、コンタクトしたまま使える
  5. ヒアレインは薬価が意外と高い。ジェネリックの利用がおすすめ
  6. ヒアレインの使い方は、1回1滴1日5~6回使う
  7. ヒアレインは3つの作用でドライアイに効果がある
    (コンタクトの異物感なども効果あり)
  8. 涙液層を安定させる目薬はヒアレインが主流であったが、ジクアス(もしくはムコスタ)が主流になりつつある
  9. ヒアレインの副作用頻度は少ない

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