リンゼスとアミティーザ 5つの違い なるほど!新型便秘薬はこう違うのか

腹痛で苦しむ女性 便秘薬
この記事は約4分で読めます。

当ブログはアフィリエイト広告を利用しています

通常の便秘には、便の水分量を増やして排便を促すマグミット(酸化マグネシウム)がよく使われています。

そして、頑固な便秘には大腸刺激性便秘薬(プルゼニド、センノシド、ラキソベロン、他)です。

しかしながら、大腸刺激性便秘薬は習慣性(体が薬になれて効かなくなったり、量が増えたりすること)があり、長期間使い続けるには向いていません。

そこで今、注目されている第三の便秘薬がアミティーザリンゼスです。

どちらの便秘薬も薬価(薬の価格)が高いというデメリットがありますが、効果は折り紙つきです。

リンゼスとアミティーザの5つの違いについて解説します。

  • 保険適用
  • 作用機序
  • 飲み方(食前食後)
  • 副作用
  • 薬価

保険適用の違い

保険適用がないと、その病気に健康保険が使えません。

アミティーザは発売当時から慢性便秘症(日常的に便秘がある状態。一般的なの便秘)にターゲットを絞った、純正の便秘薬です。

アミティーザカプセル24μg

 

一方、リンゼスは発売当時は「便秘型過敏性腸症候群」と呼ばれる特殊な便秘にのみ保険適応がありました。

リンゼス錠0.25mg

(図では伝わらないのですが、リンゼスのシートと錠剤はかなり巨大です。錠剤の大きさ:直径9.6mm厚さ4.5mm)

しかし、海外では慢性便秘でも使われており、効果があることが証明されているため、日本でも2018年8月から慢性便秘にも使えるようになりました。

作用機序の違い

リンゼスとアミティーザは、同じように便に水分を与えて便を軟らかくして排泄を促す作用があります。

しかし、作用機序(薬が効くメカニズム)は全く違います。

リンゼスの作用機序

リンゼスの主成分はリナクロチドです。

リナクロチドは2つの作用で便秘を改善します。

  1. グアニル酸シクラーゼC受容体刺激作用
    グアニル酸シクラーゼC受容体が刺激されると、腸から便に水分を与え、便が降りてくるのを助ける作用が働きます。
  2. 大腸痛覚過敏改善作用
    脳がストレスを感じると腸も影響を与えます。
    リンゼスは大腸痛覚過敏(大腸が食物などの刺激を過敏に受けること)を抑制します。

アミティーザの作用機序

アミティーザの主成分はルビプロストンです。

アミティーザ(ルビプロストン)は、小腸にあるクロライドイオンチャネルに働きかけて腸内への水分分泌を増加させ、便が降りてくるのを助ける作用があります。

クロライドイオンチャネル活性化は、腸粘膜のバリア機能を改善することも確認されています。

酸化マグネシウムで宿便を撃退!何錠までなら飲んでもOK?

飲み方(食前食後)の違い

便秘薬は寝る前に飲むことが多いですが、リンゼスとアミティーザは例外です。

リンゼスは1回2錠を1日1回朝食前に飲むのが標準的ですが、アミティーザは1回1カプセルを1日2回(朝夕食後)飲むのが標準です。

リンゼスが食後ではなく食前に飲む理由は、食後服用では効果が不安定であり、下痢の副作用の頻度が高かったからです。
(第一相反復投与試験探索試験より)

また、昼や夕食前ではなく朝食前に飲む理由は、日中の便秘型過敏性腸症候群症状を抑えるためです。(必ず朝食前に飲まなくてはならないわけではない)

マグミットは便秘に効かない?では どれくらいで効くの?効果時間は?

副作用の違い

リンゼスとアミティーザは、効きすぎると下痢の副作用が起こります。

しかし、副作用頻度にかなりの違いがあり、アミティーザは飲み始めに起こる吐き気が原因で続けられなくなる方が多いです。

副作用 副作用頻度
(リンゼス)
副作用頻度
(アミティーザ)
下痢 9.2% 30%
悪心
(吐き気)
1.2% 23%
嘔吐 0.4%

データの出典:添付文書

薬価の違い

アミティーザは、従来の便秘薬(マグミット、センノシド、アローゼンなど)と比較すると薬価(薬の値段)がかなり高いです。

マグミットの飲み方はこうしよう!これで下痢便秘とグッドバイ

 

リンゼスもアミティーザほどではありませんが、高額便秘薬です。

便秘薬 2018年薬価(円)
リンゼス 89.9
アミティーザ 123
プルゼニド 5.6
センノシド 5
ラキソベロン内用液 22.6
アローゼン 7.2
ヨーデル 6.5
酸化マグネシウム330mg錠
マグミット330mg錠
5.6

※リンクをクリックするとその便秘薬の解説記事にジャンプします。

アミティーザは便秘に速効!でも副作用(吐き気、下痢)と薬価が残念

まとめ

  • アミティーザは発売当時から慢性便秘症の薬であったが、リンゼスが慢性便秘に使えるようになったのは2018年8月から。
  • リンゼスとアミティーザは、便に水分を与え便を軟らかする便秘薬であるが、作用機序は違う。
  • リンゼスは食前。アミティーザは食後。
  • リンゼスとアミティーザは胃腸系の副作用が多い。特にアミティーザは飲み始めに起こる吐き気がツライ。
  • リンゼスとアミティーザは従来の便秘薬と比較すると、薬価が高額。

コメント

タイトルとURLをコピーしました