便秘薬7種類(飲み薬&座薬)の効果と副作用 ピッタリの下剤はどれ?

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便秘薬は多くの種類がありますが、よく使われる薬を分類していくと7種類に分類できます。

  1. 整腸剤(プロバイオティクス)
    ビオフェルミン、ラックビー、ミヤBM、ビオスリーなど
  2. 赤ちゃん幼児の便秘薬(麦芽糖)
    マルツエキス
  3. 大腸刺激性便秘薬(飲み薬)
    センノシド、プルゼニド、アローゼン、ヨーデルS、ラキソベロンなど
  4. 大腸刺激性便秘薬(座薬)
    新レシカルボン坐剤、テレミンソフト座薬
  5. 便の水分量を増やす便秘薬(大腸作用型)
    酸化マグネシウム、マグミットなど
  6. 便の水分量を増やす便秘薬(小腸作用型)
    アミティーザ
  7. その他の便秘薬(便秘型過敏性腸症候群)
    リンゼス

ひとつずつ解説していきます。

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便秘の3大原因

便秘が起こる原因はさまざまですが、3つの原因を解説します。

1.腸内環境の悪化

大腸内は、ビフィズス菌を代表とする善玉菌が多くを占めています。

腸内細菌はバランスを取っていて、最適なバランスは善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7といわれています。

腸内細菌のバランスが乱れたとき(善玉菌↓、悪玉菌↑)、便秘や下痢などのさまざまな症状を引き起こします。

2.便の水分の低下

便に水分量が足りないときは、うさぎの便のようなコロコロ便になります。

小さなコロコロ便は少しずつ排便できますが、癒着(ゆちゃく)して大きなコロコロ便になると、排便できず便秘になります。

ムリにがんばるとおしりから出血することもあります。

硬便は痔の大敵です。

ネリプロクト軟膏(坐剤)は痔の痛みや炎症を抑える効果に優れています。効果的な使い方(注入・挿入)を解説します。

3.大腸の運動機能の低下
(宿便の増加)

胃に食物が入ってくると、胃腸の運動が活発化します。

便が肛門付近にたまってくると、便意を催すように神経を通して大腸(肛門)に指令を出します。

しかし、ストレスなどで神経伝達がうまく伝わらないと、便がたまっているにもかかわらず、便が外へ排泄されなくなり便秘が起こります。

便秘で長くとどまった便を宿便といい、宿便は腹痛・残便感・吐き気などの原因です。

便秘薬(下剤)の種類1:
整腸剤(プロバイオティクス)

体にいい影響を与える善玉菌(細菌)をプロバイオティクスといいます。

プロバイオティクスの代表的な薬が整腸剤です。

ビオフェルミン、ラックビー、ミヤBM、ビオスリーなど多く種類の整腸剤がありますが、使われている細菌は3種類です。

  1. 乳酸菌(ラクトミン)
  2. 酪酸菌
  3. 糖化菌

ビオフェルミン錠とビオフェルミン配合散

ラックビー錠とラックビーN微粒

ビオスリー配合錠、ビオスリーOD配合錠、ビオスリー配合散

1.乳酸菌 (ラクトミン)

乳酸菌は酸素があってもなくても生きていける通性嫌気性菌です。

小腸・大腸の両方で活躍できます。

乳酸菌は糖を分解して乳酸を作ります。

乳酸菌 + 糖 → 乳酸

乳酸菌が作る乳酸には殺菌作用があり、悪玉菌の増殖を抑える効果があります。

さらに乳酸菌は酪酸菌の増殖を助けます。

乳酸菌を含む整腸剤

  • ビオスリー
  • ビオフェルミン配合散
  • ビオフェルミンR錠
  • ビオフェルミンR散
  • ラックビーR散
  • レベニンS/レベニン
  • エンテロノンR
整腸剤ラックビーは腸内フローラの環境を整える作用のため、下痢便秘に即効性はありません。すぐに効かないからといって止めてはいけません。

2.酪酸菌

酪酸菌は酸素があると生きていけない偏性嫌気性菌です。

酪酸菌はほとんど酸素が届かない大腸で活躍します。

酪酸菌は乳酸菌と一緒にいることで、お互いの増殖を促進します。

酪酸菌 + 乳酸菌 →酪酸菌・乳酸菌 ↑

そして、乳酸菌は糖を分解して乳酸を作ります。

乳酸菌 + 糖 → 乳酸

酪酸菌は芽胞(がほう:防御膜のようなもの)された状態で配合されており、

胃酸、胆汁酸、腸液、消化酵素、抗生物質などの影響を受けずに腸に到達できるという利点があります。

酪酸菌を含む整腸剤
ビオスリー、ミヤBM
ビオフェルミンやラックビーは抗生物質と一緒に飲むと、抗生物質に負けて効果がなくなりますが、ミヤBMは抗生物質に耐久性があるため、併用も可能です。

3.糖化菌の働き

糖化菌は酸素がないと生きていけない好気性菌です。

酸素の存在する小腸で活躍します。

糖化菌は乳酸菌、ビフィズス菌の増殖を助け、間接的に下痢・便秘を改善します。

糖化菌 + 乳酸菌・ビフィズス菌
→乳酸菌・ビフィズス菌↑

糖化菌を含む整腸剤
ビオスリー、ビオフェルミン配合散
ビオフェルミンは、腸内フローラのバランスを整え、自然治癒に近い形で下痢・便秘に効果を発揮します。赤ちゃんから大人まで幅広く使用されています。

整腸剤の効果、副作用

整腸剤は下痢、便秘、おなら、お腹のはりなどに効果があります。

整腸剤は腸内細菌のバランスを整えて、下痢・便秘・おならに効果を発揮するため、目立った副作用もありません

ただし、整腸剤は即効性がありません。

腸内細菌は数百兆個存在するため、整腸剤を毎日服用したとしても補える善玉菌はわずかだからです。

整腸剤をどれくらいの期間服用すれば効果がでるかも不明です。

整腸剤と他6種類の便秘薬との併用もよく行われます。

便秘薬(下剤)の種類2:
赤ちゃん幼児の便秘薬マルツエキス

マルツエキスは通常品(マルツエキス)と分包品(マルツエキス分包)2種類があります。私が見たことがあるのは分包品のみです。

マルツエキス分包

1包中 マルツエキス100%(9g)

マルツエキスの効果と副作用

マルツエキスの主成分は麦芽糖です。

マルツエキスの麦芽糖にはゆるやかな発酵作用があります。

発酵作用で発生したガスは腸の運動を助け、排便を促す効果が期待できます。

副作用らしき副作用もありません。

ほとんど見る機会がなくなりましたが、マルツエキスは赤ちゃんから幼児を対象にした便秘薬です。作用がやわらかく自然な排便をうながします。

便秘薬(下剤)の種類3:
大腸刺激性便秘薬(飲み薬)

大腸刺激性便秘薬(飲み薬)でよく使われる薬は4種類です。

プルゼニド、アローゼン、ヨーデルSの3種類とラキソベロンの間に効果副作用の壁があります。

便秘薬(下剤) 主成分 効果
副作用
プルゼニド センノシドA・B 強い
アローゼン センナ
ヨーデルS センナエキス
ラキソベロン ピコスルファート 弱い

プルゼニドヨーデルS糖衣錠アローゼン顆粒0.5gと1g

妊婦や幼児によく使われるのはラキソベロンです。

ラキソベロン錠とラキソベロン内用液

妊婦の便秘に使われる便秘薬は、ビオフェルミンなどの整腸剤や酸化マグネシウムなどの便軟化作用を持つ便秘薬が第一優先です。それでも効果がない場合は、大腸刺激性便秘薬ラキソベロンなどです。

大腸刺激性便秘薬(飲み薬)の効果と副作用

大腸刺激性便秘薬は、その名のとおり大腸を直接刺激して排便を促します。

大腸内の水分吸収を抑えて便が固くならないようにして便秘を改善する作用も併せ持ちます。

大腸刺激性便秘薬(飲み薬)の効果は強く即効性がありますが、量が多いと腹痛下痢の副作用があらわれます。

副作用 副作用頻度(%)
プルゼニド ラキソベロン
腹痛 11.9 0.8
下痢 1.1
腹鳴 0.8 0.2
悪心・嘔吐 0.8 0.2

プルゼニドは再評価終了時の結果
ラキソベロン使用成績調査終了時の結果

そのため、必要最少量から初めて、効果がないようであれば増量していきます。

効果発現時間は8時間から10時間後ですので、寝る前に飲んで朝にトイレに行きたくなります。

アローゼン顆粒は大腸への刺激性が強く即効性があります。そのため、1回量が多いと大腸を刺激しすぎて腹痛・下痢などの副作用を起こすときがあり、自己調整が必要です。

大腸刺激性便秘薬(飲み薬)の習慣性

大腸を刺激し続けると、大腸が刺激に慣れ便秘薬の切れ味が悪くなる場合があります。

薬がが効かなくなると、さらにセンノシド薬を増量せざるをえなくなり、腹痛の副作用リスクが増えます。

そして、副作用リスクを抱えたまま薬の量は増え続け、便秘薬スパイラルに陥ります。

そうならないためには、

通常の便秘には整腸剤(ビオフェルミン、ラックビーなど)や便軟化作用のある酸化マグネシウム(後述)を主に使い、

頑固な便秘に限定して大腸刺激性便秘薬を使うのが賢い便秘薬との付き合い方です。

大腸刺激下剤タイプの便秘薬の中ではセンノシド(プルゼニド)は強い便秘薬です。ただし、使い続けると効果が減弱して、増量を重ねる便秘薬スパイラルにおちいる場合があります。

便秘薬(下剤)の種類4:
大腸刺激性便秘薬(座薬)

ひどい便秘になると吐き気をともなうことがあります。

吐き気をともなう便秘には、座薬や浣腸がおすすめです。

便秘座薬はテレミンソフト坐薬と新レシカルボン坐剤の2種類ありますが、新レシカルボン坐剤を例に解説します。

新レシカルボン坐剤の主成分は炭酸水素ナトリウムです。

新レシカルボン坐剤

新レシカルボン坐剤を肛門へ入れると体温で溶け、直腸内で炭酸ガスを発生させます。

炭酸ガスは直腸を刺激して腸の運動を高め、自然に近い排便作用を促します。

大腸刺激性便秘薬(座薬)の効果と副作用

大腸刺激性便秘薬の中では新レシカルボン坐剤の効果はマイルドです。

大腸刺激性便秘薬(飲み薬)より効果発現時間が速い(15分~30分)という特徴があります。

新レシカルボン坐剤は、副作用らしき副作用は見当たりませんが、座薬という製剤の都合上、肛門刺激感不快感などを感じる場合があります。

飲み薬 座薬
種類 多い 少ない
使いやすさ 良い 悪い
効果発現時間 8~10時間 15~30分
吐き気時 不可
レシカルボンは炭酸ガス(二酸化炭素)によって排便を促すため、自然な形で便を排出できます。イメージすると酸化マグネシウム(マグミット)の座薬版でしょうか。

便秘薬(下剤)の種類5:
便の水分量を増やす便秘薬(大腸作用型)

プルゼニド、アローゼン、ヨーデルS、ラキソベロンは便秘に即効性がありますが、クセになりやすいというデメリットがありました。

腸にやさしく自然な排便を促す薬が酸化マグネシウムです。

酸化マグネシウムは腸を直接刺激しないため、キュルキュルっとした腹痛に襲われる可能性が少なく、クセにもなりにくいです。

通常の便秘には便軟化作用のある酸化マグネシウムを主に使い、頑固な便秘に限定して下剤タイプ便秘薬を使うが賢い便秘との付き合い方です。

酸化マグネシウムを主成分とする便秘薬は、酸化マグネシウム「ヨシダ」(旧名マグラックス)、酸化マグネシウム「ケンエー」、マグミットなど多くの種類ががあります。

酸化マグネシウム錠330mg「ヨシダ」、マグミット錠330mg」
左:酸化マグネシウム錠330mg「ヨシダ」
右:マグミット錠330mg

マグミットは便をやわらかくして自然な形で排便するタイプの便秘薬です。そのため、飲んですぐに効くわけではありません。飲んでから数時間から数日でジワーッと効果が表れます。

便の水分量を増やす便秘薬(大腸作用型)の効果と副作用

酸化マグネシウムは、腸内の水分を集めて便をやわらかくします。

水分の集まった便は適度に膨らみ、腸を刺激してスムーズな排便を促します。

通常の便秘であれば、750mg~2000mgが標準量です。

酸化マグネシウムは、便をやわらかくして自然に排便したいときは1日2~3回に分けて飲み、ドバっとたまった宿便を排便したいときは寝る前1回まとめて飲みます。

酸化マグネシウムが効きすぎた場合、下痢(副作用)になります。

下痢したときは、酸化マグネシウムを減量して下痢も便秘もしないちょうどいい量を探らなくてはなりません。

酸化マグネシウムは安全な便秘薬の代表格ですが、高マグネシウム血症に注意が必要です。

高マグネシウム血症とは、血中のマグネシウム濃度が上昇する電解質代謝異常で、不整脈、ショック、呼吸停止を起こす場合がある危険な状態です。

高齢者など腎機能が弱っている方は、マグネシウムの排泄不足により高マグネシウム血症を起こすリスクがあります。

酸化マグネシウムは大腸を刺激するタイプの便秘薬ではないため、お腹が痛くなりにくくクセになりにくい自然な排便を促す薬です。

便秘薬(下剤)の種類6:
便の水分量を増やす便秘薬(小腸作用型)

2012年にアミティーザと呼ばれる新しい種類の便秘薬が発売されました。

アミティーザカプセル24μg

アミティーザはどちらかというと酸化マグネシウム寄りの便秘薬ですが、薬の作用点が違います。

酸化マグネシウムは大腸で作用し、アミティーザは小腸で作用する点です。

便の水分量を増やす便秘薬(小腸作用型)の効果と副作用

アミティーザは服用して1週間後から効果が実感できます。

習慣性が少なく、長期服用しても効果は持続すると考えられています。

発売当初アミティーザは酸化マグネシウムにとって代わるのではないかと言われていましたが、なかなかそうはいきませんでした。

その理由は、アミティーザの副作用頻度と、薬価(薬の値段)にあります。

副作用 副作用頻度(%)
下痢 30
吐き気(悪心) 23
便秘薬 薬価(円)
アミティーザ 161.1
酸化マグネシウム330mg 5.6

服用初期に起こる吐き気が原因で続けられなくなる方も多いです。

アミティーザは便秘に速効!でも副作用(吐き気、下痢)と薬価が残念

便秘薬(下剤)の種類7:
その他の便秘薬

リンゼスの主成分はリナクロチドです。

リンゼス錠0.25mg

発売当時は便秘型過敏性腸症候群専用の便秘薬でしたが、2018年8月からは通常の慢性便秘にも使えるようになりました。

過敏性腸症候群(IBS)は、字のごとく腸が過敏に反応してさまざまな症状を引き起こす病気です。

便秘型IBSの主な原因はストレスです。

その他の便秘薬の効果と副作用

リンゼスは3種類の効果が期待できます。

  1. 腸から便に水分を与える効果
    (便が柔らかくなり便秘を改善)
  2. 便が降りてくるのを助ける効果
    (便が硬くなる前に排泄して便秘を改善)
  3. ストレスなどで起こる大腸痛覚過敏(大腸が食物などの刺激を過敏に受けること)を抑制する効果

リンゼスの副作用頻度は比較的低いですが、効きすぎると下痢する場合があります。

下痢の副作用頻度:13.0%

下痢したとしても、1回2錠から1錠に減量で改善する場合が多いです。

リンゼスとアミティーザ 5つの違い なるほど!新型便秘薬はこう違うのか