吐き気止め薬ナウゼリン錠・OD錠(ドンペリドン)の効能効果と副作用

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吐き気、食欲不振、腹部膨満感、腹部不快感、腹痛、胸焼け・・・。

このような胃の症状は、日常生活で絶えず起こります。

こんなときに頼りのなるのが胃薬です。

胃薬もいろいろありますが、ナウゼリンは吐き気や食欲不振に特化した効能効果があります。

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2種類の吐き気

吐き気には中枢性嘔吐末梢性嘔吐(まっしょうせいおうと)の2種類があります。

中枢性嘔吐は脳にある嘔吐中枢の刺激が原因で起こり、末梢性嘔吐は胃などの消化器官が直接刺激されることが原因で起こります。

中枢性嘔吐(脳の吐き気)

脳には吐き気を起こさせる嘔吐中枢があります。

嘔吐中枢が刺激を受けると、刺激は神経を通って胃に伝わります。
そして、吐き気が起こり、吐き気がひどいと嘔吐します。

中枢性嘔吐の疑われる吐き気の種類は次のとおりです。

  • 偏頭痛
  • めまい
  • つわり
  • うつ・不安・不眠
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末梢性嘔吐(日常の吐き気)

末梢性嘔吐は、胃などの消化器官が直接刺激が原因で起こります。

日常生活の吐き気のほとんどは末梢性嘔吐で、吐き気と一緒に食欲不振、腹部膨満感、腹部不快感、腹痛、胸焼け・・・などの症状が併発する場合多いです。

末梢性嘔吐が起こる原因

  • ストレス
  • 食べ過ぎ飲み過ぎ
  • 乗り物酔い

乗り物酔いにナウゼリンが効かなくはありませんが、乗り物に乗る30分前に服用すれば、乗り物酔いを予防できるトラベルミンがおすすめです。

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アセチルコリンとドパミン受容体

ナウゼリンの効果を引き出す作用機序の前に、アセチルコリン(ACh)とドパミン受容体の解説をします。

アセチルコリンは、副交感神経が支配している神経伝達物質です。

アセチルコリンが胃のムスカリンM受容体に結合すると、胃の運動が促進されます。

胃の運動の仕組み

胃にはドパミンD2と呼ばれる受容体があります。

ドパミンD2受容体にドーパミン(ドパミン)が結合すると、アセチルコリンの放出が抑えられ、胃の運動が制限され吐き気を感じるようになります。

吐き気が起こる作用機序

ただし、アセチルコリンが増えすぎると、胃の運動が活発になりすぎて胃酸の過分泌などが起こり、吐き気が出ます。(バランスが大事!)

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ドパミンD2受容体を介してアセチルコリンの量を調整する吐き気止め薬がナウゼリンです。

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ナウゼリン(ドンペリドン)の作用機序

ナウゼリンはどちらかというと、中枢への影響が少ない日常生活の吐き気を抑える吐き気止め薬です。

血液-脳関門は脳の入り口です。
血液-脳関門を通過しやすい薬は、脳に入りやすい薬です。
ナウゼリンは血液-脳関門を通過しにくい、脳に入りにくい薬です。

ナウゼリンの有効成分はドンペリドンです。

ナウゼリン(ドンペリドン)は胃腸のドパミンD2受容体をブロックして吐き気を抑えます。【抗ドパミン作用】

ナウゼリン(ドンペリドン)の作用機序

これがナウゼリン(ドンペリドン)の主な作用機序です。

ただし、ナウゼリン(ドンペリドン)はもともと脳には入りにくいです。

中枢性嘔吐を抑える効果はやや頼りないですが、脳への副作用が出にくいというメリットがあります。
(後述:ナウゼリンの副作用)

ナウゼリン(ドンペリドン)は末梢性嘔吐に効果あり

偏頭痛、めまい、うつによる中枢性嘔吐を抑える効果がより強い吐き気止め薬にプリンペランがあります。

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吐き気止め薬ナウゼリンの剤形

ナウゼリンは錠剤、OD錠、ドライシロップ、細粒、座薬(坐剤)の5種類の剤形があります。

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子供が嘔吐しているときは、何かを口にいれることが胃を刺激して嘔吐する原因になります。こんなときに重宝するのがナウゼリン座薬です。

錠剤、OD錠は主に大人に、ドライシロップ、細粒、座薬(坐剤)は小児に使用されています。
(ただしナウゼリン座薬60mgは大人用)

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ナウゼリン錠 VS ナウゼリンOD錠

ナウゼリン錠10mgとナウゼリンOD10mg

左:ナウゼリン錠10mg
右:ナウゼリンOD錠10mg

ナウゼリンには口の中で溶けるOD錠が2011年に発売されましたが、まだナウゼリン錠が使われているかな?という印象です。

吐き気があるときにナウゼリン錠を水で飲むよりは、ナウゼリンOD錠を水なしで飲んだほうが薬の嚥下による刺激が少ないです。

さらに、ナウゼリンOD錠はパイナップルミント風味で、のど越しもさわやかです。

ナウゼリンOD錠は(水なしで飲むと)効果の立ち上がりがやや遅いですが、効果はナウゼリン錠と同等です。

ナウゼリンはジェネリックも多く発売されています。

薬剤名 薬価
(値段)
ナウゼリン錠5、ナウゼリンOD錠5 9.8
ナウゼリン錠10、ナウゼリンOD錠10 15.1
ドンペリドン錠5、ドンペリドン錠OD5 5.8
ドンペリドン錠10、ドンペリドンOD錠10

ナウゼリンOD錠(ドンペリドン)の効能効果

ナウゼリンOD錠(ドンペリドン)は、吐き気、食欲不振、腹部膨満感、腹部不快感、胸焼け・・・など、多くの胃の症状に効果があります。

症状 効果(改善率%)
悪心(吐き気) 70.4
嘔吐 74.2
食欲不振 61.6
腹部膨満感 62.1
食後上腹部充満感 64.9
胃部重圧感 55.9
腹痛 59.2
胸焼け 61.3
逆流感 61.4
おくび(げっぷ) 61.4

ナウゼリンOD(ドンペリドン)の効果

ナウゼリン(ドンペリドン)は食前(食後×)
【ナウゼリンの効果時間】

通常、ドンペリドンとして1回10mgを1日3回食前に経口投与する。

ナウゼリン錠・OD錠添付文書より

食前、食直前の用法で飲む薬は、それなりに理由があります。

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薬は食後が基本ですが、それ以外の飲み方で飲む薬があります。なぜでしょう?骨粗鬆症治療薬の起床時、高脂血症エパデール・ロトリガの食直後を例に挙げて解説します。

ナウゼリンOD錠(ドンペリドン)は服用30分くらいから効果が現れ、1時間前後で効果のピークを迎えます。
(ナウゼリンはドバっと効いて、サッと体から抜けていきます)

ナウゼリン錠・OD錠(ドンペリドン)の効果時間

出典:ナウゼリン錠インタビューフォーム

ただ、ナウゼリンOD錠を水なしで飲むと、効果の立ち上がりがやや遅くなります。

ナウゼリン錠・OD錠(ドンペリドン)水ありなしの効果時間

ナウゼリンOD錠(ドンペリドン)は食前(食事30分前)に飲むことで、食事中に効果のピークが現れるようにデザインされた吐き気止め薬です。

ナウゼリンOD錠(ドンペリドン)を食後に飲むと、効果が現れるおいしい時間帯を逃し、食事によって起こる吐き気に対して十分な効果を得られません。

ナウゼリンOD錠(ドンペリドン)を飲む理由は、吐き気、食欲不振、腹部膨満感、腹部不快感、胸焼け・・・。でしたね。

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ナウゼリンOD錠(ドンペリドン)の副作用

ナウゼリンOD錠(ドンペリドン)は脳に入りにくい吐き気止め薬であるため、中枢神経系の副作用(錐体外路症状:パーキンソン病のような症状)は起こりにくいです。

  • 副作用発現率は0.9%
  • 錐体外路症状0.3%
副作用 副作用頻度
消化器系副作用
(下痢、便秘、胸焼け、嘔吐など)
0.4%
内分泌系副作用
(乳汁分泌、女性化乳房など)
0.2%

(再審査終了時)

ただ、ナウゼリン(ドンペリドン)は吐き気止め薬ですが、下痢、便秘、胸焼け、嘔吐などの消化器系の副作用が起こる可能性があります。
(薬であるがゆえに仕方ありません)

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まとめ

  1. 吐き気には中枢性嘔吐と末梢性嘔吐の2種類がある
  2. ナウゼリン(ドンペリドン)は抹消性嘔吐に特に効果があり、吐き気、食欲不振、腹部膨満感、腹部不快感、胸焼けの症状に効果がある
  3. ナウゼリン(ドンペリドン)は、ドパミンD2受容体を介してアセチルコリンの量を調整する吐き気止め薬
  4. 吐き気時はナウゼリン錠を水で飲むよりは、ナウゼリンOD錠を水なしで飲んだほうが薬の嚥下による刺激が少ない
  5. ナウゼリン(ドンペリドン)を食前に飲むと、食事中に効果のピークが現れる
  6. ナウゼリン(ドンペリドン)の副作用は少ない