睡眠薬ルネスタ(エスゾピクロン)も苦い!効果、副作用、依存性

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睡眠薬は大きく5種類に分類され、発売順は次のとおりです。

  1. バルビツール酸系睡眠薬
    (ラボナ、他)
  2. ベンゾジアゼピン系睡眠薬
    (ハルシオン、レンドルミン、他)
  3. 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
    (アモバン、マイスリー、ルネスタ)
  4. メラトニン受容体作動系睡眠薬
    (ロゼレム)
  5. オレキシン受容体拮抗系睡眠薬
    (ベルソムラ)

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、効果の持続時間が短いタイプから長いタイプまであり、種類も豊富なため、使用される頻度が高いです。

しかし、ベンゾジアゼピン系睡眠薬には特有の副作用があり、新しいタイプの睡眠薬非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に移行しつつあります。

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従来の睡眠薬(ベンゾジアゼピン系睡眠薬)の副作用

副作用など 説明
筋弛緩作用 ふらつき(骨折、転倒の原因)
健忘 薬を飲んだ直前のことを忘れる
(特に超短時間型睡眠薬)
反跳性不眠
(はんちょうせいふみん)
睡眠薬の長期服用後、睡眠薬の中止で一時的に眠れなくなる(依存性)
持ち越し効果 消失半減期の長い睡眠薬は、翌朝眠気が残りやすい
ふらつきが起こりやすい
耐性 睡眠薬の効果が弱まる(効かなくなってくる)

これらの副作用の発現頻度を低くするために、新しく開発された睡眠薬が次の3種類です。

  • (1989年~)
    非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
    アモバン、マイスリー、ルネスタ
  • (2010年~)
    メラトニン受容体作動系睡眠薬
    ロゼレム
  • (2014年~)
    オレキシン受容体拮抗系睡眠薬
    ベルソムラ
【睡眠薬の種類】睡眠薬は効果(強さ)と副作用のバランスが大事
よく受ける質問のひとつが「一番強い睡眠薬は何ですか?効果が長い睡眠薬は強いですか?」です。難しい質問ですが、私なりに答えてみます。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の睡眠作用

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、現在3種類発売されています。

発売年 睡眠薬名 有効成分名
1989年 アモバン ゾピクロン
2000年 マイスリー ゾルピデム
2012年 ルネスタ エスゾピクロン

ベンゾジアゼピン系睡眠薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、GABA受容体の働きを強めて効果(睡眠作用)を発揮します。

GABA受容体は、脳の活動を抑制させる神経に関係しています。
GABA受容体の働きが強まることで、脳の働きが抑えられ眠くなります。

GABA受容体のω受容体(オメガ受容体)には、ω1受容体とω2受容体があります。

ω1受容体:睡眠に関係する
ω2受容体:筋弛緩、けいれん、不安、記憶などに関係する

ベンゾジアゼピン系睡眠薬と非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の作用の違い

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、ω1受容体とω2受容体の両方に作用するため、副作用(ふらつき、転倒など)が出ることがありますが、
ルネスタなどの非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、選択的にω1受容体へ作用するため、ふらつき、転倒などの副作用が起こりにくいです。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬で一番使用されている睡眠薬はマイスリーですが、本記事は最新の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬ルネスタを解説します。

睡眠薬マイスリーの効果発現時間と持続時間(作用時間)はどれくらい?
睡眠薬が効いた、効かなくなったと感じる時間は個人差があります。しかし、メーカーが発表しているデータから「効果持続時間」や「効果発現時間」をある程度推測することが可能です。

ルネスタは向精神薬ではない
(処方日数制限なし)

左からルネスタ1mg、ルネスタ2mg、ルネスタ3mg

ルネスタは、1mg、2mg、3mgの3種類が発売されています。

ルネスタは向精神薬ではなく、習慣性医薬品というグループに属する睡眠薬です。

習慣性医薬品とは、薬事法で厚生労働大臣の指定した習慣性がある医薬品のことで、睡眠薬では次の3種類が主に該当します。

  1. ベンゾジアゼピン系睡眠薬
  2. 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
  3. オレキシン受容体拮抗系睡眠薬

ルネスタは、向精神薬のように処方日数の制限がなく、通常の血圧の薬や糖尿病の薬のように、医師が長期服用して問題ないと認めた場合は、30日を超える処方が可能です。

ルネスタの兄弟であるアモバン(ゾピクロン)は、2016年10月に向精神薬に指定され、2016年11月から30日の処方日数制限を受けるようになりました。

ルネスタも向精神薬に指定され、処方日数制限を受ける可能性がないとも言えません。

麻薬、向精神薬、新薬、湿布には処方日数(投与)制限がある 薬局規制事項
新薬・麻薬・向精神薬は、体調の変化に気付かず服用を続けた場合、病状を悪化させることがあります。14日・30日・90日の処方制限があります。

ルネスタとアモバンの関係

ルネスタと同じ非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に、アモバンがありましたね。

  • アモバンの有効成分は、ゾピクロンです。
  • ルネスタの成分は、エスゾピクロン(S-ゾピクロン)です。

エスゾピクロンは「ゾピクロンからより睡眠効果のある成分を抽出した成分」と考えると分かりやすいと思います。

アモバンとルネスタの関係

エスゾピクロンこそが、効果を示す大部分と考えられています。

ルネスタ(エスゾピクロン)は、少量でもアモバン(ゾピクロン)より強い睡眠効果が期待できると考えられて開発されました。

ルネスタの有効成分エスゾピクロンの消失半減期

ルネスタ(エスゾピクロン)の最高血中濃度に達するまでの時間は、約1時間です。
消失半減期は約5時間です。

ルネスタ(エスゾピクロン)は超短時間型睡眠薬に分類されています。

睡眠薬 有効成分名 最高血中濃度到達時間 消失半減期
ロゼレム ラメルテオン 0.75時間 ※0.94時間
アモバン ゾピクロン 0.75時間 3.94時間
マイスリー ゾルピデム 0.8時間 2.3時間
ルネスタ エルゾピクロン 1.0時間 5.08時間
ハルシオン トリアゾラム 1.2時間 2.9時間

※ロゼレムの代謝物(体内で変化したもの)にも睡眠効果があります。
ロゼレムの消失半減期と他の睡眠薬の消失半減期を単純に比較することはできません。

ルネスタの用法用量

  • 高齢者:ルネスタ1回1mgから開始
    (効果不十分なときは2mgまで増量可能)
  • 成人 :ルネスタ1回2mgから開始
    (効果不十分なときは3mgまで増量可能)

ルネスタにはジェネリックはありません。

ルネスタは反跳性不眠を起こしにくい
(依存性が低い)

【不眠症改善】睡眠薬をやめたい!離脱症状、反跳性不眠に注意
睡眠薬は理由なく長期服⽤する薬ではありません。不眠症が改善したら、減量もしくは中止するべきです。睡眠薬をやめたい方向けの内容です。

睡眠薬の止め方が不適切な場合、睡眠薬を中止で不眠症状が悪化して、寝付きが悪くなったり(入眠困難)、何度も起きたり(中途覚醒)することがあります。

このことを反跳性不眠と言います。

ルネスタ(エスゾピクロン)中止後すぐは、一時的に睡眠潜時(寝るまでにかかった時間)が延長しますが、14日までは良好で反跳性不眠は認められません。

ルネスタ3mgを6カ月服用した後に、プラセボに変更
<睡眠潜時の変化>

ルネスタ中止後の睡眠潜時の推移(線グラフ)

(外国190-050試験)

このことから、ルネスタ(エスゾピクロン)は依存性は低いと考えられます。

ルネスタの中途覚醒時間の短縮効果

【睡眠薬ベルソムラの効果、副作用、禁忌、悪夢】効かないってホント?
ベルソムラは新しい作用を持つ睡眠薬です。発売後のデータの蓄積がまだまだ不十分で、わからないことが多いですが、、メーカーが公表しているデータに基づいて効果、副作用、依存性を中心に解説します。

ルネスタ(エスゾピクロン)は超短時間型睡眠薬の中では、消失半減期が約5時間と長いです。

ルネスタ(エスゾピクロン)は、寝ている途中で起きてしまう不眠タイプ(中途覚醒型不眠)にも効果が期待できます。

ルネスタ3mgを6カ月服用した時の中途覚醒時間の変化

ルネスタの中途覚醒時間の推移

(外国190-049試験)

プラセボを6カ月服用した後、
7カ月目にルネスタ3mgに変更したときの中途覚醒時間の変化

ルネスタの中途覚醒時間の推移(7か月から1年)

(外国190-049試験)

ルネスタは、服用1カ月後から1年間を通して中途覚醒時間が短縮した状態で安定しています。

プラセボを服用していたグループは、7カ月後からルネスタを服用することで、中途覚醒時間は短縮し、ルネスタを1年間を通して服用したグループと同じ効果が得られています。

ルネスタは耐性が起こりにくい

ルネスタ3mgを1年間服用したときの睡眠潜時の変化

ルネスタを1年間に服用したときの睡眠潜時の推移グラフ

ルネスタを1年間通して服用しても、睡眠潜時にほとんど変化がなく、効果の減弱はありませんでした。

ルネスタは、ほとんど耐性はないといえます。

ルネスタの副作用

眠れない?夜中に目が覚める?睡眠薬の種類を見直そう【入眠障害と中途覚醒】
睡眠薬の効果には「強い、弱い」がありますが、効果の持続時間が「長い、短い」もあります。睡眠薬は持続時間の長さで4種類に分類され、おもに3種類の不眠症タイプに使い分けられています。

ルネスタ(エルゾピクロン)は、不安や筋弛緩作用に関係しているω2受容体への作用が少ないため、従来の睡眠薬(ベンゾジアゼピン系睡眠薬)と比較して、ふらつき、転倒の副作用のリスクが低いです。

不眠を訴える約7割は、65歳以上の高齢者です。

転倒・ふらつきで骨折のリスクが高い高齢者には、ルネスタを含む非ベンゾジアゼピン系睡眠薬が推奨されています。

ルネスタの副作用

副作用 副作用の頻度
味覚異常 21.0%
頭痛 10.7%
傾眠 7.8%
浮動性めまい 5.1%

(外国並行群間比較試験より)

ルネスタの苦みの副作用

アモバン(ゾピクロン)は苦い睡眠薬として有名ですが、ルネスタ(エスゾピクロン)もアモバンに負けず苦みが強いです。

ルネスタ(エスゾピクロン)を服用した20%~30%の方が、苦みの副作用を訴えます。

苦みの副作用がでる理由

ルネスタの苦みの副作用は、ルネスタの成分エスゾピクロンと、その代謝物が原因だと言われています。

睡眠薬を飲む時だけ苦いのであれば我慢できますが、ルネスタは飲んだ後も苦みが続きます。

ルネスタは2度苦い

ルネスタの成分自体に苦みがありますので、飲むとき当然苦みを感じます。

  1. ルネスタの成分が吸収されて
  2. 代謝を受けて全身の血管をめぐり
  3. ルネスタの代謝物が唾液からも分泌され

2度目の苦みがやってきます。

ルネスタは、飲んで苦く、翌朝も苦いという副作用が起こるのです。

苦みの副作用は慣れるか?

薬を飲んでいると、副作用に耐性ができて慣れるということがあります。

しかし、ルネスタの苦みには副作用の耐性はなく、自然に苦みが軽減されません。

ルネスタの苦みが気になって、さらに眠れなくなる方もいるくらいです。

苦みの副作用対策は、噛まない、割らない、すぐに飲み込むしかありません。

睡眠薬マイスリー(ゾルピデム)VSルネスタVSアモバン(ゾピクロン) 効果(強さ)と副作用
マイスリー(ゾルピデム)、アモバン(ゾピクロン)、ルネスタ(エスゾピクロン)は、ふらつきなどの副作用が起こりにくく、効き目もそこそこ良いため、睡眠薬の標準薬となりつつあります。

まとめ

ルネスタは、従来の睡眠薬であるベンゾジアゼピン系睡眠薬の超短期型睡眠薬と比較して効果が持続し、ふらつき、転倒などの副作用リスクが軽減された睡眠薬です。

  1. 反跳性不眠を起こしにくい
  2. 中途覚醒が少ない
  3. 依存性が少ない
  4. 耐性も少ない