風邪で病院に行って咳の症状を訴えると、かなりの確率で処方させる風邪薬があります。
メジコンとムコダインです。
この2つの薬は単独で使われることもありますが、セットで使われることが多い印象があります。
その理由は、風邪の咳はカラッとした咳ではなく、痰が絡んだネバッとした咳が圧倒的に多いからです。
メジコンとは
メジコンは錠剤、粉薬の散剤、シロップ剤の3種類があります。
メジコンの成分
メジコン錠とメジコン散は、デキストロメトルファンを主成分とする咳止めです。
一方、メジコン配合シロップは、デキストロメトルファンにクレゾールスルホン酸カリウムを加えた配合剤です。
『メジコン配合シロップ/散(子供咳止め)はムコダインとの飲み合わせは良好』
3種類のメジコンは、デキストロメトルファン量で換算するとこうなります。
メジコン1錠=メジコン散0.15g
=メジコン配合シロップ6mL
メジコンの効能効果
咳止めを大きく分けると2種類に分類できます。
- 中枢性鎮咳薬(ちゅうすうせいちんがいやく)
脳の咳中枢をブロックする咳止め - 末梢性鎮咳薬(ましょうせいちんがいやく)
気管(気管支)に作用する咳止め
メジコンは中枢性鎮咳薬で、さまざまなタイプの咳に効果がありますが、次の咳にはあまり効果を発揮しません。
- 咳喘息
- 気管支喘息
- アトピー咳嗽(がいそう)
『メジコン(咳止め)の効能と副作用 効かない、眠気が出るは本当?』
メジコンの飲み方
メジコンの用量用法は1回1錠~2錠を1日1~4回ですが、1回1錠では効果不十分になるケースが多いです。
メジコンの副作用
メジコンは脳の咳中枢をブロックして効果を発揮する咳止めです。
そのブロック作用が咳中枢以外の中枢にも作用すると、めまいや眠気の副作用がおこるケースがあります。
しかし、もともとメジコンは副作用頻度の低い咳止めです。どちらかといえば、他に一緒に飲む風邪薬が副作用を起こす確率の方が高いです。
ムコダインとは
ムコダインは錠剤、ドライシロップ(DS)、シロップの3種類があります。
ムコダインの効能効果
ムコダインの主成分はカルボシステインです。
カルボシステインは気道粘膜の構成成分を調整して痰・鼻水の粘りを取ります。
痰や鼻水の粘りがサラッとするため、見た目の量が増えることがありますが、これはムコダインが効いている証拠です。
『ムコダインは咳、鼻水、痰にすぐに効かない!ジワリと効くのを待とう』
ムコダインの飲み方
ムコダインは1回500mgを1日3回毎食後に飲むのが標準的です。
メジコンとムコダインは併用が多い
先に解説した通り、メジコンのターゲットは咳で、ムコダインのターゲットは粘っこい痰です。
しかしながら、風邪で起こる咳はカラッとした咳ではなく、痰が絡んだネバッとした咳が圧倒的に多いためです。
おのずとメジコンとムコダインはセットで使われることが多くなるのです。
また、ズルズルッとした鼻水には、[ムコダイン]+[抗ヒスタミン薬]のセット処方も多いです。
抗ヒスタミン薬とは、ヒスタミンをブロックしてアレルギー性鼻炎やかゆみに効果を表す薬です。花粉症によく使われます。
代表的な抗ヒスタミン薬にアレジオン、アレロック、ザイザル、アレグラがあります。
『花粉症薬で眠くなるのは嫌!眠くならない抗アレルギー薬はこれだ!』
メジコンとムコダイン以外の咳風邪処方の組み合わせ
メジコンとムコダインの他では、次の[咳止めグループ]と[去痰薬グループ]で組み合わせて処方されるケースがあります。
ムコダイン、ムコソルバン、ムコサール、ビソルボン、クリアナール
『ホクナリンテープは風邪の咳止めシールではない!元々は喘息の貼り薬だ』
まとめ
- メジコンはさまざまな咳に効果がある
- ムコダインは粘っこい鼻水や痰をうすめて、外へ出しやすくする効果がある
- 風邪で起こる咳は痰が絡んだネバッとした咳であるため、メジコンとムコダインはセットで使われることが多い
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