- ヒルドイドは副作用がないから手軽に使える
- ヒルドイドに副作用?合わなかっただけじゃない?
ネット上にさまざまなことが書き込まれています。
「ヒルドイドには副作用がない」もそのひとつです。
しかしながら、副作用のない薬はこの世に存在しません。これだけは断言できます。
ヒルドイドの禁忌 (使えない場所)
ヒルドイドは、どの場所にでも、誰でも、手軽に使えるイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、化粧水や美容クリームではなく保湿剤という薬です。
『ヒルドイドローションの効能効果はコレ!だから顔もぷるっぷるに』
ヒルドイドの主成分はヘパリン類似物質で、それは血液が固まるのを抑える作用があるヘパリンという物質と似た作用(構造)を持っています。
そのため、出血しやすい方や出血しやすい場所は使えません。
- 出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病等)のある患者
〔血液凝固抑制作用を有し、出血を助長するおそれがある- 僅少な出血でも重大な結果を来すことが予想される患者
〔血液凝固抑制作用を有し、出血を助長するおそれがある〕
ヒルドイドソフト軟膏添付文書より
ヒルドイドの副作用
ヒルドイドは副作用に神経質になる必要はありませんが、わずかながらあります。
ヒルドイドの種類 | クリーム | ソフト軟膏 ローション |
---|---|---|
副作用 | 皮膚炎:0.36% | なし |
そう痒:0.32% | ||
発赤:0.20% | ||
発疹:0.16% | ||
潮紅:0.12% |
ヒルドイドソフト軟膏/ローションの「副作用なし※」には驚かされますが、剤形(クリーム、軟膏など)によって副作用が違うのはなぜでしょうか?
※臨床試験では副作用なしですが、実際はかゆみなどの副作用が起こることがあります。
添加物が合わないと副作用がでる
4種類のヒルドイド(ソフト軟膏/ローション/クリーム/フォーム)の主成分はヘパリン類似物質で共通していますが、添加物が違います。
※ヒルドイドフォームは2018年9月に発売された新しい剤形です。
『ヒルドイドフォーム発売決定!薬価と泡スプレーの使用感はこう』
添加物とは、主成分以外に使用される、油性成分、水性成分、安定剤、保存剤、乳化剤(界面活性剤)のことです。
主成分を溶かしこむ受け皿のような役割をする添加物を基剤といいます。
少し驚くかもしれませんが、主成分のヘパリン類似物質はたったの0.3%で、残りの99.7%は添加物です。
そのため、ヒルドイドの副作用は主成分ではなく、添加物が合わないことが原因であるといってもいいすぎではありません。
これがヒルドイドの全成分です。
ヒルドイド | ソフト軟膏 | ローション | クリーム | フォーム |
---|---|---|---|---|
主成分 | ヘパリン類似物質 | |||
添加物 | グリセリン | |||
パラオキシ安息香酸メチル | ||||
パラオキシ安息香酸プロピル | ||||
白色ワセリン | マクロゴール | |||
軽質流動パラフィン | スクワラン | 水酸化カリウム | ポリソルベート65 | |
セレシン | セタノール | ラノリンアルコール | POE:※2 | |
サラシミツロウ | 還元ラノリン | セトステアリルアルコール | – | |
グリセリン脂肪酸エステル | セトマクロゴール1000 | SSna:※ | – | |
ジブチルヒドロキシトルエン | モノステアリン酸グリセリン | ミリスチルアルコール | – | |
エデト酸ナトリウム水和物 | カルボキシビニルポリマー | ステアリン酸 | – | |
スクワラン | ジイソプロパノールアミン | イソプロパノール | – |
※1セトステアリルアルコール・セトステアリル硫酸ナトリウム混合物
※2ポリオキシエチレンベヘニルエーテル
ヒルドイドクリームは5種類のアルコール類を使っています。
敏感肌の方はアルコールが合わない場合があり、それが刺激感・かゆみの副作用を起こします。
ヒルドイドクリームで副作用が出る方は、ソフト軟膏/ローションに変更すれば副作用がなくなるかもしれません。
『ヒルドイドを顔に!ソフト軟膏、クリーム、ローション、フォーム ベストはどれ?』
また、ジェネリックに変更すれば副作用は出なくなるかもしれません。
ヒルドイドとジェネリックの添加物の違い
ヒルドイドのジェネリックは、ヒルドイドと同じ濃度のヘパリン類似物質を使っていますが、添加物は違うモノを使っています。
このようにです。
ヒルドイドクリーム (先発) |
ビーソフテンクリーム (ジェネリック) |
|
---|---|---|
主成分 | ヘパリン類似物質 | |
添加物 | パラオキシ安息香酸メチル | |
白色ワセリン | ワセリン | |
パラオキシ安息香酸プロピル | パラオキシ安息香酸ブチル | |
グリセリン | プロピレングリコール | |
水酸化カリウム | ミリスチン酸イソプロピル | |
ラノリンアルコール | セタノール | |
セトステアリルアルコール | ステアリン酸マクロゴール | |
※SSna | 流動パラフィン | |
ミリスチルアルコール | D-ソルビトール | |
ステアリン酸 | – | |
イソプロパノール | – |
※セトステアリルアルコール・セトステアリル硫酸ナトリウム混合物
つまり、ヒルドイドとそのジェネリックの添加物の違いは、「ヒルドイドでは副作用が出るが、ジェネリックでは出ない(またはその逆)」を引き起こすのです。
ヒルドイドとジェネリックの違いはコチラの記事でまとめています。
『保湿剤の超定番!ヒルドイド・ビーソフテン・ヘパリン類似物質』
まとめ
<リンクをクリックするとその内容にあった記事内に戻れます>
- ヒルドイドは出血しやすい場所に使ってはいけない(禁忌)
- ヒルドイドの99.7%は添加物
- そのため、副作用は添加物が合わないのが原因で起こる
- 例えば、ヒルドイドクリームは多くのアルコールを使っているため、ソフト軟膏/ローション/フォームより副作用が起こりやすい
- ヒルドイドとジェネリックは主成分が同じであるが、添加物は違う
- そのため、ヒルドイドが合わない場合、ジェネリックにしてみたら副作用が出なくなる可能性はある
ヒルドイドまとめ
『ヒルドイドの使い方を知るための7つの真実』
コメント