プロトピック軟膏(アトピー薬 )の副作用(かゆい、ヒリヒリ、ニキビ)と対策

塗り薬
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アトピー性皮膚炎の治療で使われる塗り薬は主に3種類です。

  1. 保湿剤
    (ヒルドイド、プロペト、白色ワセリン)
  2. ステロイド軟膏
  3. プロトピック軟膏

 

保湿剤とステロイド軟膏は塗っても何も感じませんが、プロトピック軟膏は多くの方が次のような独特の違和感(副作用)を感じます。

  • 痛い
  • かゆい
  • ほてり(熱い)
  • ヒリヒリする
  • 日焼け後みたい

 

これらの副作用は、プロトピック軟膏を使ってアトピーの皮膚を改善していくためにはどうしても起こる症状です。

副作用が起こる理由と対策を解説します。

プロトピック軟膏の副作用1 かゆい、ほてり、ヒリヒリ

個人差はありますが、

プロトピック軟膏を使ったほとんどの方が、塗ったところが熱く痛い(灼熱感)、ヒリヒリしたほてり感がする(刺激感)、余計にかゆい(そう痒感)という副作用を体験します。

副作用 副作用の頻度
痛い 13.9%
ヒリヒリする 11.8%
かゆい 3.4%

(プロトピック軟膏市販後調査より)

 

これらの副作用が、プロトピック軟膏を塗った初日から起こり、塗って10分後から1時間程度続くことが多いです。

副作用は、たいてい1週間くらいで治まりますが、副作用がひどい場合はプロトピック軟膏が合っていない可能性があるため、中止して医師と相談が必要です。

プロトピック軟膏の副作用2 ニキビ、化膿、ヘルペス

タクロリムスの免疫抑制作用

プロトピック軟膏は、免疫抑制作用のあるタクロリムスを主成分とするかゆみや炎症を抑えるアトピーの塗り薬です。

タクロリムスは、臓器移植時などの拒絶反応を抑える飲み薬(プログラフ、グラセプター)や、春季カタルのかゆい・目やにを抑える目薬(タリムス)に活用されています。

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プロトピック軟膏の免疫抑制作用

タクロリムスを免疫反応を抑える塗り薬に応用したのがプロトピック軟膏で、アトピーのかゆみや炎症を抑えます。

プロトピック軟膏は0.1%と0.03%の2種類です。

プロトピック軟膏0.1% プロトピック0.03%小児用

 

プロトピック軟膏0.03%は「小児用」と記載がありますが、濃度が薄いだけで小児に限定した塗り薬ではありません。

大人も普通に使用します。

(詳細は後述「プロトピック軟膏の使い方」)

 

プロトピック軟膏が必要以上に免疫反応を抑えたとき、ニキビ毛嚢炎(皮膚の化膿)、ヘルペスなどの新たな副作用が起こる場合があります。

副作用 副作用の頻度
ニキビ(ざ瘡) 2.2%
毛嚢炎 1.3%
カポジ水痘様発疹症 1.2%
ヘルペス(単純疱疹) 1.2%

(プロトピック軟膏市販後調査より)

 

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プロトピック軟膏の副作用がでる理由

プロトピック軟膏の主成分タクロリムスは、バリア機能の低下した皮膚ほど浸透します。
(アトピー皮膚はバリア機能が低下している)

プロトピック軟膏(タクロリムス)がアトピー肌に浸透する理由

 

プロトピック軟膏を塗った部分が、痛い、かゆい、ヒリヒリするなどの違和感を感じるのは、タクロリムスがしっかりと皮膚に浸透している証拠です。

タクロリムスが皮膚から吸収されると、刺激やかゆみの元となる物質(神経ペプチド)が作られ、神経を刺激すると考えられています。

 

プロトピック軟膏の塗りはじめは(神経の刺激は)皮膚にとっては悪かもしれませんが、

プロトピック軟膏を継続して皮膚の状態がよくなってくると、やがて刺激物質も放出されなくなり(神経が痛みに慣れてくるという説もある)、副作用も治まります。

プロトピック軟膏の効果と使い方

プロトピック軟膏は、特にに効果を発揮します。

3日から1週間程度で効果が表れ、アトピーのかゆみや炎症が少しずつ改善してきます。

 

16歳以上の大人は、1日1~2回プロトピック軟膏をかゆみや赤みがあるところへ塗り、

2歳から15歳までの子供、または大人は、1日1~2回プロトピック軟膏小児用をかゆみや赤みがあるところへ塗ります。

(アトピー症状が出ている)塗りはじめは1日2回からスタートして、効果が安定してきたら1日1回へステップダウンするのがスタンダードな使い方です。

 

プロトピック軟膏の効果と使い方の詳細

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プロトピック軟膏の副作用対策

副作用対策1: 強い炎症はステロイドで抑えてからプロトピック軟膏を使う

アトピーの炎症が強い状態でプロトピック軟膏を使用すると、副作用は強く出ることが多いです。

アトピーの炎症が強いときは、ベリーストロングクラス以上のステロイド軟膏で皮膚の炎症をある程度抑えてからプロトピック軟膏を使うのが一般的な使い方です。

ステロイド軟膏とプロトピック軟膏の順番

 

プロトピック軟膏は、ステロイドのストロングクラスと同等の効果(強さ)で、

プロトピック軟膏0.03%小児用は、ステロイドのマイルド~ストロングクラスと同等の効果(強さ)と推測されています。

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副作用対策2: ヒルドイドなどの保湿剤を先に塗る

経験則ですが、保湿剤ヒルドイドやプロペト(白色ワセリン)を先に塗ってから、プロトピック軟膏を塗ると、副作用が緩和されます。

ヒルドイドを先に塗っても、プロトピック軟膏の効果は変わりません。

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副作用対策3: 首からうすく試し塗りする

プロトピック軟膏の副作用は、首より顔の方が出やすいです。

顔と首にアトピー症状がある場合は、プロトピック軟膏はうすく首に塗って様子を見て、少しずつ広げていきます。

副作用対策4: 入浴後の塗布を避ける

入浴などで皮膚が温まると、プロトピック軟膏の副作用は増強することが多いです。

 

水虫の塗り薬や保湿剤は入浴後の塗布がベストですが、

プロトピック軟膏の副作用を緩和するためには、入浴後すぐには塗らず、少し体が冷えてから塗るのがベストです。

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副作用対策5: 紫外線を避ける

プロトピック軟膏は、夏の海や山などで猛烈な紫外線を浴びると、副作用が増強します。

日常の紫外線は問題になりませんが、夏の海や山などに行く予定がある日は、プロトピック軟膏の使用を控えます。

日焼け止めで、紫外線対策をするのもいいです。

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まとめ

  1. プロトピック軟膏は、多くの方が次の様な独特の違和感(副作用:かゆい、ほてり、ヒリヒリ)を感じる
  2. 副作用は、塗った初日から1週間程度続く場合が多い
  3. プロトピック軟膏を長期使用すると、ニキビ、毛嚢炎(皮膚の化膿)、ヘルペスなどの新たな副作用が起こることがある
  4. プロトピック軟膏を塗った部分が、痛い、かゆい、ヒリヒリするなどの副作用が起こるのはしっかりと皮膚に浸透している証拠

 

プロトピック軟膏の副作用を軽減する5つの副作用対策

  1. ステロイドで皮膚の炎症を抑えてから、プロトピック軟膏に切り替える
  2. ヒルドイド・プロペト(白色ワセリン)などの保湿剤を先に塗って、その上からプロトピック軟膏を塗る
  3. 狭くうすくプロトピック軟膏を塗って様子を見て、少しずつ広げていく
  4. 患部を冷やす(温めない)。入浴後に塗らない
  5. 強い紫外線を浴びない

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