とびひがステロイドで悪化!こうすれば悪化せず済んだのに…

とびひ薬
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ステロイドをとびひに使うと悪化する場合があります。

それでも、とびひにステロイド(リンデロンVGやテラコートリルなど)を使う医師もいます。

一体なぜでしょうか?

 

「ステロイドでとびひが悪化する理由」と「とびひを悪化させないステロイドとの付き合い方」を知るためには、ステロイドとは何なのかを先に知る必要があります。

「ステロイドの作用と副作用」の解説から入ります。

ステロイドの作用

ステロイドの主な作用は次の3つです。

  1. 抗アレルギー作用
    アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、湿疹などによるかゆみを抑える
  2. 抗炎症作用
    虫刺され、日焼けなどによる赤み・腫れを抑える
  3. 免疫抑制作用
    (後で解説「ステロイドの副作用」)

 

とびひはかゆみや腫れの強い皮膚病です。

ステロイドはかゆみや腫れを抑える目的で使います。

ステロイドの副作用

ステロイドには免疫抑制作用があります。
(免疫抑制作用は使い方次第で、主作用・副作用のどちらにもなります)

 

免疫を抑制すると、細菌・ウイルスなどの感染を受けやすくなります。

そのため、教科書的にはステロイドはとびひ水虫ヘルペスなどの細菌・真菌・ウイルス感染症には使用禁止です。

しかし実際は、ステロイドと抗生物質の配合剤(以下ステロイド配合剤)はとびひ、ヘルペス、水虫などの腫れ、炎症、かゆみ、二次感染(細菌感染を受けて、治る前に新たな感染を受けること)を抑えるための初期治療として使用されています。

とびひにステロイドを使うと悪化する理由

賢明なユーザーの方は、とびひにステロイドを使うと悪化する理由がすでにわかったと思います。

とびひは細菌感染で起こる皮膚病です。

ステロイドの免疫抑制作用が副作用となり、細菌感染が悪化→とびひが悪化というわけです。

 

それが事実ならば、とびひにステロイドを使う理由はないように見えます。

しかし、ステロイド配合剤をとびひに使う理由は2つあります。

  1. かゆみがとびひを悪化させる
    (→ステロイドでかゆみをおさえる)
  2. ステロイドと抗生物質の使い分けが難しい

かゆみがとびひを悪化させるから

とびひはかゆみが強いため、たいていかきむしって悪化します。

とびひのかゆみを抑えるため、ステロイド配合剤リンデロンVGテラコートリルを使います。

とびひにステロイド軟膏はOK?リンデロンVG、テラコートリルの違い

 

ステロイドでとびひが悪化しないように、ステロイドを使っている間(特に最初の数日)は抗生物質の内服薬(セフゾン、フロモックスなど)を併用することも多いです。

また、とびひのかゆみには抗ヒスタミン薬も有効です。ステロイドを塗る代わりに抗ヒスタミン剤を使うものいい手段です。

抗ヒスタミン薬はこちらを参照しよう。
花粉症薬で眠くなるのは嫌!眠くならない抗アレルギー薬はこれだ!

 

ステロイドをとびひに使わない医師は、抗生物質(ゲンタシンなど)+抗ヒスタミン薬で治療を行うケースが多いです。

とびひを悪化させるな!ゲンタシン軟膏の効果的な使い方はこうだ!

ステロイドと抗生物質の使い分けは難しい

子供がなりやすい夏のとびひは水疱性膿痂疹ですが、アトピー肌や乾燥肌の方がなりやすいとびひは、痂皮性膿痂疹(以下、かさぶた型とびひ)です。

どちらのとびひも、黄色ブドウ球菌や溶連菌などの細菌感染が原因ですので、治療にはゲンタシンアクアチムが有効です。

ゲンタシンとアクアチムの違いはこちらをチェック!
ゲンタシンとアクアチムはとびひに効果あり!比較した意外な結果は?

かさぶた型とびひの治療

かさぶた型とびひはアトピーに合併しているケースが多いです。かさぶた型とびひとアトピーの両方の治療が必要です。

アトピーの治療で使用される塗り薬はステロイドです。

ステロイドはとびひを悪化させますが、急にステロイドを止めると今度はアトピーが悪化するのです。
(あちらを立てればこちらが立たず)

アトピーが悪化する理由はこちらで解説しています。
脱ステロイドとアトピー 離脱症状を防ぐ止め方は?

 

そのためアトピー合併とびひは、次のように湿疹の原因別に軟膏を塗り分けるのが理想です。

  • アトピーの湿疹→いつものステロイド
  • とびひの湿疹→抗生物質

 

しかし、医療に素人である私たちが、アトピーの湿疹ととびひの湿疹を見分けて使うことは現実的ではありません。

このようなアトピー肌にとびひが合併したときに重宝されるのが、リンデロンVGやテラコートリルなどのステロイド配合剤なのです。

とびひが悪化しないステロイドの使い方

ステロイド配合剤リンデロンVGテラコートリルが処方されたとき、とびひの診察後に「3日くらいしたら、もう一度診察に来てください」と言われたことはないでしょうか。

その理由は2つ(+アルファ)あります。

  1. ステロイドでとびひが悪化していないか確認するため
  2. 抗生物質のとびひへの効果を確認するため
  3. (アトピーの状態を確認するため)

 

リンデロンVG(テラコートリル)が効かないとびひに、リンデロンVG(テラコートリル)使い続けると、耐性菌ができてもっと効かなくなります。

ステロイド配合剤は実は使い方が難しくもろ刃の剣です。安易にベトベト使う薬ではないのです。

かゆみがなくなれば、ゲンタシンなどの抗生物質に切り替えるべきです。

ゲンタシンとリンデロンVGの違い とびひにはこう使いわけるのがパーフェクト

まとめ

リンクをクリックすると記事内の対応する解説にもどります。

  1. ステロイドの免疫抑制作用が副作用となり、とびひは悪化する場合がある
  2. ステロイドはとびひ、水虫、ウイルスの感染症に塗るのは原則禁止であるが、とびひをかきむしって悪化させないため、ステロイド配合剤は使われている
  3. アトピーにとびひが合併したとき、ステロイド配合剤は重宝される
  4. ステロイド配合剤は、ステロイドと抗生物質のいいとこ取りができるため使い勝手が良い
  5. 結局は、とびひにステロイドを含む軟膏を使うかどうかは、医師の考え方による
  6. ステロイド配合剤を使ってとびひが悪化しないためには、3つの対策がある
    1.ステロイド配合剤の代わりに抗生物質の飲み薬を使う
    2.ステロイド配合剤の代わりに抗ヒスタミン薬を使う
    3.かゆみがなくなったら、ステロイド配合剤から抗生物質(塗り薬)に変更する

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