ゲンタシンとリンデロンVGの違い とびひにはこう使うのがパーフェクト

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とびひは黄色ブドウ球菌溶血性連鎖球菌(溶連菌)の感染が原因で起こります。

細菌感染には抗生物質が効果があるため、ゲンタシン、アクアチム、テラマイシン、フシジンレオなどを使います。

一方、ステロイドは細菌感染には使いません。

細菌が増殖してとびひが悪化するからです。

しかし、抗生物質とステロイドの配合剤(リンデロンVG、テラコートリル)は例外的に使われています。

ゲンタシンとリンデロンVGの違いダイジェストで解説した後、2つの塗り薬の効果的な使い分けを解説します。

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ゲンタシン軟膏とは

ゲンタシンには軟膏クリームがありますが、とびひに使われるのはゲンタシン軟膏がほとんどです。

ゲンタシン軟膏

ゲンタシンは、ゲンタマイシンを有効成分とするアミノグリコシド系抗生物質で、細菌を殺菌する効果があります。

次に、ゲンタシンがどのような細菌に効果があるのかを見てみましょう。

ゲンタマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属(肺炎球菌を除く)、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌

ゲンタシン軟膏添付文書より

このようにゲンタシンはブドウ球菌属はもちろん、多くの細菌に効果があります。

ゲンタシンの表在性皮膚感染症に対する効果(有効率)=82.8%

(「とびひ」に限定した効果のデータはありません)

表在性皮膚感染症とは、黄色ブドウ球菌などの細菌が傷などに侵入して炎症を起こす感染症の総称です。

例えば、カミソリ負け(毛瘡:もうそう)、毛のう炎、毛包炎、とびひ(伝染性膿痂疹)があります。

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リンデロンVGとは

リンデロンVGは軟膏/クリーム/ローションの3種類がありますが、とびひに使われるのはリンデロン軟膏がほとんどです。

リンデロンVG軟膏/クリーム/ローション

(リンデロンはVG以外にも「V」「DP」「A」など多くの塗り薬があります。これらは全くのベツモノです)

リンデロンVGは、リンデロンV(吉草酸ベタメタゾン:ステロイド)とゲンタシン(ゲンタマイシン:抗生物質)の配合剤です。

リンデロンVG軟膏=リンデロンV軟膏+ゲンタシン軟膏

ステロイドには5段階の強さがあります。

リンデロンVG軟膏の強さは上から3番目のストロング(皮膚科ではストロングは標準的な強さ)です。

リンデロンVG軟膏はかゆみをともなう細菌性の湿疹(とびひなど)に特に効果がありますが、アトピー・虫刺されなどにもよく使用されます。

リンデロンとよく比較される抗生物質とステロイドの配合剤にテラコートリルがあります。

その違いはこちらで解説しています。
とびひにステロイド軟膏はOK?リンデロンVG、テラコートリルの違い

リンデロンVGのとびひへの使い方

とびひはかゆみの強い皮膚病です。とにかくかゆみを抑える必要があります。

なぜならば、とびひのかゆみを放置しておくと、爪で掻いて傷が増え悪化するからです。

リンデロンVGはかゆみの強いとびひに使います。

1日2回~3回、とびひが出ているところに限定して塗ります。

かゆみが強いようであれば、花粉症にも使われる抗ヒスタミン薬の併用も有効です。

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場合によっては、抗ヒスタミン薬とステロイドの配合剤も有効です。

セレスタミンの強さの秘密はステロイド!花粉症に効果抜群だが眠気に注意

しかし、リンデロンVGはとびひを悪化させるリスクがあることを忘れてはいけません。

リンデロンVGのとびひ悪化リスク

リンデロンVGはステロイドを含むため免疫抑制作用があります。

免疫が弱くなると、細菌・ウイルスなどの感染を受けやすくなります。
(疲れると風邪をひきやすくなるのと同じ)

そのため、ステロイドはとびひ、水虫、ヘルペスなどの細菌・真菌・ウイルス感染症には使用しません。

その理由の詳細はこちらで解説しています。
ルリコンで水虫が悪化!?その原因は副作用だけではない』

しかし実際は、リンデロンVGはとびひ、ヘルペス、水虫などの腫れ、炎症、かゆみ、二次感染(ある細菌に感染してそれが治るまでに新たな細菌に感染すること)を抑えるための初期治療として使用されています。

ステロイドでとびひが悪化する理由の詳細はこちらを参照しよう。

とびひにステロイド(リンデロン)を塗ると悪化!それでも使う2つの理由

ゲンタシンのとびひへの使い方

かゆみの少ないとびひにはゲンタシンで十分です。

かゆみの強いとびひも、かゆみがなくなり次第、リンデロンVGからゲンタシンへ変更するのが理にかなっています。

なぜならば、リンデロンVGはとびひのかゆみを抑える目的で使っています。かゆみさえがなくなればゲンタシンのみで治療は継続できるからです。

ゲンタシンの使い方は、1日2回~3回、とびひが出ているところに限定して塗ります。

「とびひは悪化すると広がる病気なので最初から広く塗る」という方もいますが、耐性菌の問題からおすすめできません。

リンデロンVGとゲンタシンの耐性菌リスク

とびひは1回の診察で終わらない場合が多いです。

少ししたらもう一度来るように促されます。

その理由は2つあります。

  1. とびひが悪化していないか確認するため
    (ステロイドで細菌が増殖していないか)

  2. とびひへの効果を確認するため
    (抗生物質で耐性菌ができていないか)

耐性菌とは、特定の抗生物質に効かなくなった(抵抗力を持った)細菌のことです。

抗生物質配合のリンデロンVGやゲンタシンは、適切な使い方をしないと一定の割合で耐性菌が増えます。

そして、あるときその抗生物質は効かなくなります

リンデロンVGとゲンタシンは知名度の高い塗り薬ですが、不適切な使い方が多い薬でもあります。
(リンデロンVGは特に)

抗生物質と耐性菌発生リスクはこちらを参照しよう。
とびひを悪化させるな!ゲンタシン軟膏の効果的な使い方はこうだ!

まとめ

  1. とびひは黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)の感染が原因で起こる
  2. そのため、抗生物質を含むリンデロンVGやゲンタシンが有効
  3. しかし、リンデロンVGはステロイドも含むため、とびひを悪化させるリスクがある
  4. リンデロンVGはかゆみの強いとびひに有効
  5. かゆみがなくなれば、リンデロンVGからゲンタシンへの切り替えが理にかなっている