メジコンで眠気が出る方は、統計上はわずか(1000人に3人)です。
統計では、メジコンの眠気の副作用頻度はかなり低いですが、薬剤師として内科を担当していると、「メジコンは眠い」と訴える方に結構な頻度で出会います。
話を聞いてみると、どうやらメジコンではなく、一緒に飲んでいる薬が眠気を起こしているパターンが圧倒的に多いようです。
メジコンの種類
メジコンは錠剤、粉薬の散剤、シロップ剤の3種類です。
メジコン錠とメジコン散は、デキストロメトルファンを有効性分とする咳止めです。
一方、メジコン配合シロップは、デキストロメトルファンにクレゾールスルホン酸カリウムを加えた配合剤です。
メジコン | DM | CSK |
---|---|---|
錠(1錠中) | 15mg | – |
散(1g中) | 100mg | |
シロップ(1mL中) | 2.5mg | 15mg |
DM:デキストロメトルファン
CSK:クレゾールスルホン酸カリウム
デキストロメトルファン量で換算すると、このとおりです。
=メジコン配合シロップ6mL
メジコン錠は主に大人用に、メジコン散と配合シロップは主に子供用に使われています。
『メジコン配合シロップ/散(子供咳止め)はムコダインとの飲み合わせは良好』
メジコンの副作用
メジコンは副作用頻度が低い咳止めです。
メジコンの再評価結果では、副作用発現頻度はわずか2.85%でした。
主な副作用 | 副作用発現頻度(%) |
---|---|
悪心 | 0.96 |
胃腸障害 | 0.22 |
めまい | 0.37 |
眠気 | 0.33 |
データの出典:メジコン錠/散 添付文書
胃腸系の副作用(悪心・胃腸障害)はどの薬でも起こる副作用ですので、特筆することはありません。
メジコンは脳の咳中枢をブロックして効果を発揮する咳止めです。
そのブロック作用が咳中枢以外の中枢にも多少作用するため、眠気、ふらつき、めまいなどの副作用が起こるケースがあります。
メジコンはなぜ眠い?
メジコンで眠気が起こっているのではなく、その併用薬に問題がある場合がほとんどです。
なぜなら、メジコンは咳止めですので、風邪症状を訴える方に処方されるからです。
風邪症状には、咳の他に鼻水、鼻づまり、痰、発熱、体のだるさ、喉の痛みなど、さまざまな症状があります。
それらの症状を軽くするために、他の薬との併用も多くなるのです。
『メジコンとムコダインは咳・痰・風邪のゴールデンコンビだ!』
メジコンとよくある飲み合わせ
風邪症状でよく使われる薬の例はこの通りです。
キプレス、シングレア、オノン
ムコダイン、ムコソルバン、クリアナール
ロキソニン、カロナール、ボルタレン
※リンクをクリックすると薬の解説記事にジャンプします。
『メジコン(咳止め)が効かない?止まらない咳の原因はコレかも』
眠気の出やすい飲み合わせ
先ほどの例で眠気の出やすい飲み合わせは、鼻水症状を抑えるために処方される「抗ヒスタミン薬」「PL顆粒」「ピーエイ」です。
これらの薬は、ヒスタミンをブロックすることで効果を表します。
ヒスタミンは集中力、活動、記憶などに関係している物質ですので、ブロックすると眠気、体のだるさなどの副作用が表れるのです。
くわしくはコチラの記事で解説しています。
『花粉症薬で眠くなるのは嫌!眠くならない抗アレルギー薬はこれだ!』
咳止めは必須ではない
メジコンなどの咳止めは、すべての咳に必須ではありません。
なぜなら、咳はウイルスや細菌を追い出すための防御反応だからです。
したがって、理由なく咳を止めるべきではありません。
しかしながら、咳は喉や肺に負担をかけ体力を消耗させます。このようなときに、やむなく咳止めを使うのです。
また、咳や痰の強い風邪にクラリス(クラリシッド)がよく使われるため、風邪薬と思っている方が多いですが、クラリス(クラリシッド)は直接風邪を治す薬ではありません。
『クラリスロマイシン(クラリス/クラリシッド)は風邪には効かない!処方する理由は?』
まとめ
- メジコンは脳の咳中枢をブロックして効果を発揮する咳止めであるため、眠気、ふらつき、めまいなどの副作用が起こるケースがある
- ただし、メジコンで眠気が起こる頻度はわずか
- メジコンで眠気が起こるのではなく、併用している薬が眠気を起こしている(飲み合わせに問題あり)
コメント