花粉症目薬の市販は多く発売されています。
しかし、薬の専門家から見ると、市販の花粉症目薬の中には長期使用するにはおすすめできない目薬もあります。
例えば、血管収縮剤入りの充血目薬の市販です。
充血目薬の市販は、次のようなうたい文句で市販されていることが多いです。
- 目がキレイ!
- 充血がすっきり!
血管収縮剤入りの充血目薬の市販は、花粉症による充血や腫れの症状をすばやく緩和するため、花粉症の症状が改善した気がします。
そのため人気があります。
しかし、血管収縮剤入りの充血目薬の市販は、花粉症の治療を促進するわけではなく、見た目を改善するにすぎません。
充血目薬とは
市販の目薬を選ぶとき、花粉症目薬に限らず注意してもらいたい目薬があります。
「充血をとる血管収縮剤の入った目薬」いわゆる充血目薬です。
血管収縮剤の入った目薬は、充血がスッと消え、キレイになります。
しかし、これは見た目の充血を取っているにすぎず、花粉症の治療ではありません。
むしろ、充血目薬は花粉症の症状を悪化させる可能性すらあります。
充血をとる市販目薬を花粉症におすすめしない理由
花粉症で目が充血する理由のひとつは、花粉で目が炎症を起こして酸素不足になっているからです。
酸素をより多く取り込むために目の血管が拡張し、目は充血します。
たいていの場合、充血にはかゆみや異物感をともなうことが多いです。
- 充血目薬を点眼すると、目の血管を無理に収縮し、目の血管は酸素不足を起こします。
- 血管収縮剤の効果が切れた後、目の血管は本来必要だった酸素不足を補うため、さらに血管を拡張させます。
- さらに目は充血します。
- 充血するので、充血目薬をまた点眼します。
これを繰り返す間に充血目薬は効かなくなり、花粉症の充血を悪化させます。
これが血管収縮剤入り充血目薬の市販を、おすすめしない理由です。
くどいようですが、もう一度いいます。
充血目薬の市販は、充血がスッと消えます。
見た目をキレイにしているだけで、花粉症の治療ではありません。
だからおすすめしません。
血管収縮剤入り市販目薬は、モデル、アナウンサーなどの見た目を重視する職業以外の方には不要の目薬です。
花粉症の充血をとる血管収縮剤の成分
充血をとる血管収縮剤入りの目薬をおすすめしない理由はご理解いただけたでしょうか?
花粉症目薬の市販で、血管収縮剤として使われている成分は主に次の3種類です。
- テトラヒドロゾリン
- ナファゾリン
- フェニレフリン
血管収縮剤を含まない、充血に効かないタイプの花粉症目薬。
かつ、病院で使われている医療用成分が、そのまま市販されている花粉症目薬をおすすめします。
血管収縮剤入りの点鼻薬も使い方にコツがあります。
パタノール、リボスチン、アレジオンの市販
- パタノール
- リボスチン
- ザジテン
- アレジオン
この4種類を花粉症目薬の4強と私は言っています。
(強いという意味ではなく有名という意味で)
残念ながら、パタノール、リボスチン、アレジオンの市販はありません。
用途 | 目薬の名前 | 主成分 | 市販目薬の例 |
---|---|---|---|
アレルギー目薬 | アレジオン | エピナスチン | × |
パタノール | オロパタジン | × | |
リボスチン | レボカバスチン | × | |
ザジテン | ケトチフェン | ザジテンAL | |
インタール | クロモグリク酸Na | アルガードクリアブロック | |
リザベン | トラニラスト | アルガードプレテクト | |
ゼペリン | アシタザノラスト | アイフリーコーワAL | |
炎症目薬 | フルメトロン | フルオロメトロン | × |
リンデロン | ベタメタゾン | × | |
ニフラン | プラノプロフェン | アルガードクリアブロック | |
抗菌目薬 | クラビット | レボフロキサシン | × |
ガチフロ | ガチフロキサシン | × | |
ベガモックス | モキシフロキサシン | × |
花粉症目薬の市販おすすめ1: ザジテンAL点眼薬
主成分、添加物も含めて、医療用の花粉症目薬と全く同じ目薬が2種類市販されているのを確認しました。
そのひとつが、ザジテンAL点眼薬です。
ザジテンAL点眼薬は、医療用薬のザジテン点眼液(1本薬価:662.6円)と全く同じで、同じ工場で製造されています。
ザジテンAL点眼薬の主成分ケトチフェンにはヒスタミンH1受容体拮抗作用(抗ヒスタミン作用)があるため、すでに出ている花粉症の症状にも効果があります。(即効型)
ザジテンAL点眼薬は、すでに起こった目のかゆみにおすすめします。
ザジテンはパタノールと同等の効果があります。
ただし、しみるのが欠点です。
ザジテンの刺し心地を改善した目薬がパタノールです。
花粉症目薬の市販おすすめ2: インフリーコーワAL
インフリーコーワALは、医療用薬のゼぺリン点眼液(1本薬価:744.8円)と全く同じです。
ゼぺリンの主成分アシタザノラストにはケミカルメディエーター遊離抑制作用があります。
インフリーコーワALは、ヒスタミンH1受容体拮抗作用はないため、即効性は期待できませんが、花粉が飛ぶ前に使い始めることで、花粉症の症状を予防してくれるでしょう。
インフリーコーワALは、花粉の飛散前の使用をおすすめします。
花粉症目薬の市販おすすめ3: アルガードクリアブロックEX
【第2類医薬品】ロート製薬 ロートアルガードクリアブロックEX目薬
ザジテンAL点眼薬とインフリーコーワALは、1種類の成分が含まれていましたが、アルガードクリアブロックEXは、4種類の成分で構成されています。
- インタール点眼液(1本薬価:653.3円)の主成分クロモグリク酸ナトリウム1%(医療用の半分の濃度)
- ニフラン点眼液(1本薬価:219.5円)の主成分プラノプロフェン0.05%(医療用の半分の濃度)
+ 2成分追加
- クロルフェニラミンマレイン酸塩 0.015%
(抗ヒスタミン作用) - コンドロイチン硫酸エステルナトリウム 0.2%
(角膜保護作用・角膜損傷修復作用)
アルガードクリアブロックEXは、インタール+ニフラン+抗ヒスタミン成分+角膜保護成分です。
炎症、かゆみを伴う目の花粉症症状に効果が期待できます。
アルガードクリアブロックEXは、ころころ感、腫れなどを伴う花粉症の目のかゆみにおすすめです。
ステロイド目薬の市販は?おすすめは?
パタノール、アレジオン、ザジテンなどの医療用の抗アレルギー目薬を使用しても、花粉症による目の症状が悪化する場合、
フルメトロンやリンデロンなどのステロイド目薬を使用することがあります。
残念ながら、ステロイド目薬は市販されていません。
花粉症で炎症がひどいときは、二フランの主成分プラノプロフェン(抗炎症成分)の入ったアルガードクリアブロックEXをおすすめしますが、ひどいときは眼科を受診もおすすめします。
医療用と同じ抗菌目薬(ものもらい目薬)の市販は? おすすめは?
医療用成分(ニューキノロン系抗菌剤)を含む抗菌目薬(ものもらい目薬)も、残念ながら市販されていません。
サンテ抗菌新目薬が眼瞼炎(まぶたのただれ)、麦粒腫(ものもらい)に効果があります。
「サンテ抗菌新目薬」の主成分
- スルファメトキサゾール4.0%(抗菌成分)
- クロルフェニラミンマレイン酸塩0.03%(抗ヒスタミン作用)
- グリチルリチン酸二カリウム0.25%(抗炎症作用)
- タウリン0.5%(組織修復効果)
市販の抗菌目薬の中では、ものもらいのように腫れたり、めやにがでてきた花粉症症状に、サンテ抗菌新目薬をおすすめします。
ただし、早めの受診もおすすめします。
まとめ
- 血管収縮剤を含む、充血をとるタイプの花粉症目薬の市販はおすすめしない
- おすすめしない理由は、充血目薬は見た目の充血を取っているにすぎず、花粉症の症状を悪化させる可能性があるから
- 医療用の花粉症目薬と主成分・添加物も含めて、全く同じ目薬が2種類以上市販されている
- ザジテンAL点眼薬、インフリーコーワAL、アルガードクリアブロックEXは、充血をとる血管収縮剤フリーで、おすすめの花粉症目薬の市販薬
- 医療用と同成分のステロイド目薬とニューキノロン抗菌目薬は市販されていない
コメント